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ガレージにあった核ミサイルを軍事博物館に寄贈しようとしたところ、爆弾処理班がやってくる

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(著) (編集)

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image credit: Bellevue Police Departmen
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 第二次世界大戦後に始まった冷戦(1947年~1991年)は、敵対するアメリカとソ連が競って核兵器開発に没頭した時代でもあった。

 その遺物は今でもときどき発見されニュースになるが、中には思わぬ経緯で見つかることもある。

 今月2日、アメリカ・ワシントン州ベルビュー市の住宅から、冷戦期の核弾頭搭載用ロケット弾、AIR-2 ジニーが発見され、爆弾処理班が急きょ出動するも、まもなく安全が確認された。

 この件が明るみになったきっかけは、その家の住人ではなく、遠く離れたオハイオ州にある国立アメリカ空軍博物館からの通報だった。

 同館によると、ベルビュー市在住の匿名の人物から「亡くなった隣人が前に購入したロケット弾を寄贈したい」という特殊な申し出があったことから、当局への通報がなされたという。

 異例の事態に対応した当局は、この件をSNSでもシェア。一方、件の人物にとっては、思いがけなく大騒ぎになってしまった感もあるようだ。

住民のガレージ内に軍用ロケットありと遠方の博物館から通報

 今月1日、ワシントン州のベルビュー警察署の爆発物処理班が、遠く離れたオハイオ州デイトン市郊外にある国立アメリカ空軍博物館から奇妙な通報を受けた。

 なんとベルビュー市内の住宅のガレージに軍用ロケットがあるという。

 同博物館によると、ベルビュー市在住の匿名の人物から「亡くなった隣人男性が以前不動産がらみで購入したロケット弾を寄贈したい」といった申し出があった。

 それがずいぶん特殊な内容のため、当局に連絡したというのだ。

見つかったAIR-2 ジニーは核弾頭もなく安全を確認

 のっけから異例すぎる事態だが、当局が匿名の人物に連絡を取り、爆発物処理班らが問題の男性の住宅に向かった。

 到着した処理班は、匿名の人物に教えられ、ガレージで錆びた物体を発見した。情報や状況などから、核弾頭がある可能性はほとんどなかったが、念のため検査を行った。

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通報で発見された錆びだらけのロケット弾/image credit: Bellevue Police Departmen

 その結果、物体は冷戦時代のロケット弾 AIR-2 ジニー(旧名:MB-1)と判明。

 また核弾頭は搭載しておらず、燃料もないため、爆発の恐れも皆無で安全なこともわかった。

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不活性なロケット弾 AIR-2 ジニー(AIR-2 Genie)/image credit: Bellevue Police Departmen

 ベルビュー警察署の広報はメディアの取材にこう応じている。

基本的にはロケット燃料用のガスタンク程度のものです。まったく深刻なものではありません

核弾頭が搭載可能な元最強の空軍迎撃ミサイル

 AIR-2 ジニーは、1.5 キロトンの W25(核弾頭)搭載用にダグラス・エアクラフト社が設計した無誘導空対空ロケット弾で、1962年に生産が終了している。

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核弾頭のレプリカを付けた同じタイプのAIR-2 ジニー/image credit:Steve Heeb

 ボーイング社によると、このタイプのロケット弾は、冷戦時代にアメリカ空軍とカナダが使用したもので、当時の空軍迎撃ミサイルの中では過去最強だったという。

 とはいえ実弾発射が行われたのは 一度きりだった。

 1957年 7月 19日、F89J 迎撃機に搭載されたAIR-2 ジニーは、ネバダ州ユッカフラッツ上空、高度5500メートルから発射され爆発した。

 それがアメリカにおける、核弾頭搭載空対空ロケット弾の最初で唯一の実験爆発になったという。

博物館の展示を望む匿名の人物にゆだねることに

 一方、ベルビュー警察広報によると、博物館に寄贈を申し出た匿名の人物は、メディアの報道にイラついていたようだ。

 どうやら彼は、博物館から警察に通報されるとは思ってなかったようだった。

(それでも匿名の)彼がこころよくロケット弾を見せてくれたおかげで、安全だと判断できました

 また爆発の恐れもなく、安全が確認されたAIR-2 ジニーのその後については、軍からの返還要請もなかったため、博物館での展示を望むその人物に預けたそうだ。

Facebookで開く

 異例だらけの出来事は現地でも話題となり、対応を無事に終えたベルビュー警察は「次にこのような電話が来るのはずっと先になるでしょうね」と結んでいる。

References:1news / bbc / bellevuebeatblog / seattletimes / nypost / など /written by D/ edited by parumo

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この記事へのコメント 18件

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  1. デルタダートが積んでたヤツか
    迎撃機に核ロケット弾とか当時は狂ってたなあ

    • +6
  2. >ガレージにあった核ミサイルを軍事博物館に寄贈しようとしたところ、爆弾処理班がやってくる

    当然の処置だろ
    実物が分かってないのだから

    • +12
  3. 海外でソ連製のS-200(長距離地対空ミサイル)が安全にした
    状態にされ売ったけど、買わずによかったぜ

    • +1
  4. アメリカだとミサイルも個人で買えちゃうというのがワイルド過ぎる💦
    個人で核弾頭を所有してたらさすがに怖いですけど

    • +4
  5. え、ジニーってこんなに大きかったの?
    って、ふと思ったんだ。

    • 評価
  6. 無誘導の空対空各ロケット弾って危険物にも程があるだろw
    こんなもん運用してたのか

    • +2
    1. >>11
      核弾頭だから無誘導なんやで
      一発ブッパすれば広範囲を制圧できるから誘導なんて意味ないんや

      まあ、頭おかしいけれど

      >>14
      弾頭よりも燃料残ってる事態が懸念されたんやろね
      可燃物だし、毒物だし

      • +8
  7. 世界で唯一の空対空核ミサイル。F-106などで運用されていた。
    ブッシュjr.大統領は州空軍時代、コレの搭載機のパイロットだった。

    • +2
  8. 1番驚いたのは爆弾処理班だろうな、要請受けてそれが核弾頭だなんて。

    • +5
  9. 爆弾処理班ですら冷や汗モンの大事件じゃないかw 永遠に部署で語り継がれるやつw

    • +5
  10. 演習用のペイントだったりするのかしら

    • 評価
  11. 核弾頭に爆発物処理班はわかるけど、万が一の時は……まぁ、今回はカラだったからよかったものの、日本での不発弾処理だって爆発したらサヨナラ。処理する人達は命懸けだし、たまったもんじゃない。
    戦争は終わっても、戦争を知らない子供たちを何十年経っても危険にさらす。
    全く、ろくなもんじゃないね。

    • +3
  12. どういった経緯でここにあったんだろうな。
    不発弾というわけでなかったようだし。

    • 評価
    1. >>19
      自衛隊の退役して破壊解体されてるはずの車両が、破壊せず解体してパーツとして横流しされて海外で再組立てされて売られてた問題みたいに、解体業者が解体せず横流ししたのかもね。
      もしくは、アメリカの軍用機の墓場みたいな空軍のジャンクヤードは、恐ろしく手間がかかるし手続きは複雑だけど、アメリカ国民であれば民間人でも置いてある機体や部品を購入できるらしいから、そういうところで手に入れたのかも。

      • +1

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