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史上最強クラスの宇宙線「アマテラス粒子」地球の大気から検出される

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 大阪公立大学大学院の藤井俊博准教授はじめとするチームによって、天文学史上、最強クラスの宇宙線「アマテラス粒子」が検出されたそうだ。

 米国ユタ州にある宇宙線観測装置「テレスコープアレイ」で検出されたその「超高エネルギー宇宙線(UHECR)」のエネルギーは、244エクサ電子ボルト(2.44×10^20電子ボルト)と桁外れ。

 そのエネルギーは、人間が作った最強の粒子加速器が作り出せるものの約100万倍で、あまりに強力なことから日本神話の太陽神の名が与えられた。

 地球の大気から検出されたその粒子は、何もない”宇宙の空白”から出現したようにも見え、発生源は今のところ謎に包まれている。

 これまでの物理学の理解を超えた現象である可能性もあるという。

史上最強クラスの宇宙線を検出

 私たちの目には見えないが、この地球にはさまざまな発生源から放たれた宇宙線が絶えず降り注いでいる。

 中でも10^18電子ボルトを超えるとりわけ強力なものは、「超高エネルギー宇宙線(UHECR)」と呼ばれている。

 今回検出された「アマテラス粒子」もそんな超高エネルギー宇宙線の1つだ。

 これまで最強の宇宙線は300エクサ電子ボルトの「オーマイゴッド粒子」(1991年検出)だが、アマテラス粒子はそれに匹敵するエネルギーを持つ。

 計算上、わずか1gで地球が破壊されるほどの巨大なエネルギーを持つという。

 そんな桁外れな宇宙線を観測するために米国ユタ州に設置された検出器「テレスコープアレイ」もまた桁外れ。

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強力な粒子を検出したのは、ユタ州の広大な敷地に設置された宇宙船観測ネットワーク「テレスコープアレイ」だ / image credit:Telescope Array Collaboration

 日本・アメリカ・韓国・ロシア・ベルギー共同で設置されたこの観測装置は、およそ680平方キロメートルの敷地に設置された507台の粒子検出器ネットワークと、その周辺に設置された3台の大気蛍光観測ステーションで構成され、めずらしい超高エネルギー宇宙線を見逃すまいと待ち構えている。

 テレスコープアレイが検出するのは、宇宙線が大気に衝突することでできる二次粒子だ。

 こうした反応は連鎖的に発生し、二次粒子がまるでシャワーのように地上に降り注ぐことから「空気シャワー」とも呼ばれる。

 それを地上の粒子検出器ネットワークが検出すると同時に、大気蛍光観測ステーションが空中のシンチレーション光(空気シャワーが大気を通過した時に発せられる光)をとらえ、そのエネルギーを測定する。

 それでも超高エネルギー宇宙線はとても珍しい現象で、1平方キロメートルあたり100年に1度もやってこない。だから、テレスコープアレイのように大きな検出器が必要になるのだ。

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テレスコープアレイは、507台の粒子検出器ネットワークと、その周辺に設置された3台の大気蛍光観測ステーションで、超高エネルギー宇宙線を検出する / image credit:Graphic: Telescope Array Collaboration

アマテラス粒子の発生源は不明

 超高エネルギー宇宙線の発生源は、ブラックホールやガンマ線バーストなど、宇宙でもっとも高エネルギーな現象だと考えられている。

 だが、2021年5月27日に検出されたアマテラス粒子の発生源は謎のままだ。やってきた方角に、発生源になりそうな天体などないからだ。

 それが地球までやってきたルートからは、天の川銀河のあちこちに存在する「磁場」を通過しても、ほとんどズレていないことがわかる。

 つまり発生源からほぼまっすぐに、地球めがけてやってきたということだ。

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超高エネルギー宇宙線のイメージ図 / image credit:Telescope Array Collaboration

磁場によって大きく進路を変えた可能性も

 それなのに、その方向には超高エネルギー宇宙線に関係していそうな銀河や天体がないのだ。むしろ”宇宙の空白”から発生したかのように見える。

 宇宙の空白とは、天の川銀河の隣にある銀河や星間物質のような物質ががほとんどない、「ローカル・ボイド」と呼ばれる領域のことだ。

 そこは空洞のようなところで、強力な宇宙線をさせるような銀河は存在しないはずなのだ。

 可能性としては、アマテラス粒子が磁場によって大きく進路を変えられたか、天の川銀河のはずれにまだ見つかっていない天体があるか、どちらかのケースが考えられる。

 だがもう1つの可能性として、このような高エネルギー粒子を支配する物理法則が、まだ完全に理解されていない線も考えられる。

 プレスリリースによると、「未知の天体現象や暗黒物質(ダークマター)の崩壊といった標準理論を超えた新物理起源の可能性」もあるそうだ。

 なお、アマテラス粒子をほかの超高エネルギー宇宙線と比べたところ、それらがあらゆる方向で均一に(等方的に)分布していることが判明している。

 こうした特徴もまた、宇宙線の起源の特定をいっそう難しいものにしているという。

 アマテラス粒子の検出からは、答えよりむしろいくつもの疑問が浮かび上がってきているようだ。

追記:(2023/11/26)本文を一部訂正して再送します。

References:Telescope Array detects second highest-energy cosmic ray ever – @theU / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 21件

コメントを書く

  1. これね、ライオンズゲートが開いてた時のものです
    太陽にな、門があんねん。エネルギーが降り注ぐねん

    • -2
    1. >>4
      平たく言うとワケわからんくらい強い宇宙線やな
      人類が叡知を尽くして作れる粒子の強さが農家のおっさんだとするとフリーザ様くらい強い宇宙線
      ガンマ線バーストが候補とか言われてるけどニュアンスとしては
      「ガンマ線バースト、減衰……うーん不可能じゃないけど……」レベル
      それがパッと見なにもないところから降ってきたって話

      • +1
    2. >>4
      想像してみ?
      世界の叡知で生み出した農家のおっさんを研究していけば宇宙の色々なことが判明するぞ、とニヤニヤしてた所いきなりフリーザ様降ってきたんだぜ?
      オーマイゴッドくらい言うだろ。
      オーマイゴッドだけで済ませた研究者理性的過ぎだろ。

      • +1
      1. >>9
        英語圏の奴ら良いことも悪いこともなんかあったら「オーマイガッ」を連呼するからな
        日本語で例えると「ヤバイ」

        • 評価
  2. こえ~~
    これを人間が直接浴びたらどうなるの?

    • +3
  3. ここまでのエネルギーとは行かなくてもせめて雷くらいのエネルギーを
    蓄えて活用できると凄く良いのだけれど難しいのかな

    • +4
    1. >>7
      それ、雷が鳴るたびに思う。もったいないよね。あのエネルギー

      • +3
  4. テレポートは小さい物資はするって理解してたけど・・・(・・?)

    • 評価
  5. アマテラス粒子が発見される

    企業が実用化に向けて研究を始める

    企業間競争が高まる

    企業が力を持ち国家が解体される

    更に人々の体は闘争を求める

    アーマードコアの新作が発表される

    • 評価
  6. これがダークエネルギーの発見につながったりしないだろうか

    • 評価
  7. オーマイゴッド粒子が面白すぎてアマテラスが霞んでしまった

    • +7
  8. なんということだ
    こんな簡単なことだったのか
    わかるぞ
    全てがわかる…

    • +1
  9. 宇宙線のいくらかは実は人類がまだ知らない仕組みで空間から直接発生してる物だったりしてね

    • 評価
  10. 覚えやすいネーミングが異次元から飛んできてる

    • 評価

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