
食品の高騰は2024年まで上昇し続けると予測されているそうだが、意外にもアメリカよりもカナダのほうが深刻なのだという。
カナダは現在アメリカよりも生活費が高く、国境を越えてアメリカに買い出しに行く人が急増中なのだそうだ。交通費を差し引いてもアメリカで買った方が安いのだという。
アメリカでは州によって食品に消費税(小売売上税)がかからない州もあるから、その選択肢もありなのだろう。
カナダの物価高騰がひどすぎて、アメリカに買い出しにいく女性
カナダ・ブリティッシュコロンビア州ルースヴィルに住む母親ブランディ・ダスティンさんは、カナダから国境を越えてアメリカのモンタナ州まで買い出しに行っていることを自身のTikTokで明かしている。カナダでは食料品店の価格があまりにも高すぎて、地元で買い物をする余裕がないそうだ。
ダスティンさんは食料品を買うため週1ペースでアメリカのモンタナ州に渡り、近くのユーレカで食料品を購入。これが月に300ドル(約45000円)ほどの食料品の節約になるという。
最近の買い出しでは、ガソリン代と旅費を含めて55カナダドル(約6000円)の節約になったと推定し、アメリカでははるかに安い肉と乳製品を買って節約できたと語った。
ダスティンさんの家からだとカナダの最寄りのスーパーマーケットよりも、モンタナ州のユーレカの食料品店の方が車で15分と近い。
動画でダスティンさんは、アメリカで買ってきた食料品をカナダで "同等のブランドと価格 "で購入した場合の金額と比較し、節約術を披露している。 たとえばアメリカでは全脂肪のカッテージチーズは6ドル(約660円)、カナダでは1つ8.99ドル(990円)もするそうだ。
アメリカでの84ドルは約117カナダドルになる。それでもより多くのお金を使うために30分余分にドライブする方が、経済的に理にかなっているとダスティンさんは言う。
「地元を応援しよう」って言うのはわかるけど、今はみんなすごく苦しんでいるから。しかしコメント欄には、「自分もアメリカまで行く」というカナダ人が大勢いたようだ。
アメリカの物価もかなり上がっているわ。それでも国境近くに住む私たち家族にとっては、母国カナダのスーパーに行くよりもアメリカで食料品を買う方がずっと安いのよ。
他の人には通用しないかもしれないけど…。

pixabay
政府による食料品価格を安定させるための取り組み
食料品の価格はここ数年で急激に上昇し、カナダ人は食卓に食べ物を並べるのに苦労している。今月初め、カナダ国民はまもなく多くの食品で割引を受け、価格凍結や価格マッチング・キャンペーンを実施することを政府から約束された。
トルドー首相は、あわせてカナダ市場の80%を占めているカナダ5大スーパーマーケット・チェーン(メトロ、ロブローズ、ソビーズ、ウォルマート、コストコ)に対し、次の約束を取り付けた。
それは、「5社が食料品価格の安定を目指した取り組みを支援し具体的な行動を提案するための約束を履行しなければ、新たな課税を課す可能性がある」というものだ。
現状に不満を抱いているカナダ国民を救済するための解決策として、大手チェーン店の取り締まりは「始まりに過ぎない」ようで、オタワでは食料品特別対策委員会を設置し、チェーン店が食料品価格を抑えるという約束を守っているかどうかを監視していくという。

pixabay
食料品のインフレ率はアメリカよりもカナダの方が高い状態
ここ数年、食料品の価格は世界中で急上昇しているが、食料品のインフレ率はアメリカよりもカナダの方が高い状態が長く続いている。確かにアメリカも物価は高騰しているが、自給自足が可能な広大な農業生産基盤を持ち主要な食料輸出国であることもあって、食料価格は他の多くの国よりも早く安定した。
今年8月、カナダでは店舗で購入した食品の価格が1年前より6.9%上昇したが、アメリカの食料品の年間インフレ率は3%だった。
とにかく、今は向こう(アメリカ)で買い出しをした方が助かるのよ。トラブルに巻き込まれたくないから、カナダに持ち込むものはすべて国境で正直に申告しているわ。(ダスティンさん)カナダ食品検査庁によれば、カナダ人は個人消費のみを目的とする限り、肉、乳製品、焼き菓子、農産物をそれぞれ20キログラムまで国境を越えて持ち込むことができるようだ。

pixabay
人件費の違いが主な要因と専門家
カナダの食品経済学者マイク・フォン・マッソー教授は、食料品がカナダよりアメリカの方が安いという主な要因として人件費の違いを挙げている。カナダの方が人件費が高いんです。カナダの食料品店の人々は、アメリカの食料品店のほとんどの人々よりも高い給料をもらっています。カナダの最低賃金は州によって異なるが、だいたい13〜16.77カナダドル(約1400〜1800円)で、アメリカの連邦最低賃金は7.25ドル(約1100円)だ。
また、カナダの気候ではうまく育たない種類の果物や野菜の価格が影響を受けているのも原因だ。
アメリカから輸入するものは2年前より10%ほど高くなっていて、たとえばカナダでは栽培されないアボカドは10%高、レモンやオレンジなども一種のコスト増になっているという。

pixabay
さらに食料品サプライチェーンのスケールメリットにおいても、カナダはアメリカに対して構造的な不利を被っていると専門家は述べている。カナダの人口は約3200万人で、アメリカの人口約3億3200万人に比べて少なく、概して密集していない。
アメリカははるかに大きな規模で事業を展開している。そのため、食料品店はアメリカ市場においてカナダよりもはるかに低価格で商品を提供することができるようだ。
アメリカでは食品に消費税がかからない州がある
他にも直接税に関する問題もある。アメリカでは日本でいうところの消費税(小売売上税)の税率は州によってかなり異なる。食品にはかからないという州や、おもちゃなど子供に関連するものもかからないといった州もあり様々だ。エリアごとにみると、最も高いのが、カリフォルニア州ロサンゼルスのサンタモニカ市で、税率は9.5%。イリノイ州、マサチューセッツ州、テキサス州は6.25%、フロリダ州は6%。ニューヨーク州やハワイ州は4%となっている。
アラスカ州、デラウェア州、モンタナ州、ニューハンプシャー州、オレゴン州は0%となるため、この女性がモンタナ州で買い物するのが得だというのもうなづける。
いくつかの要因が重なり続く物価高。カナダの住人が国境を越えて買い出しに行く日々は、しばらく続くかもしれない。
References:Canadian Mom Says Inflation's So Bad She Crosses Border to Montana to Buy All Her Groceries/ written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
カナダ政府の失策と言えるのかな
アメリカで買い物されれば内需は瘦せ細り衰退するのみ
2. 匿名処理班
地続きの国だとそういう節約術もあるのね
島国の人間には無い発想だわ
3. 匿名処理班
大間の人は船で函館に行き買い物をするって聞いたことがある
自分の船で行くのかフェリーなのかは知らないけど
4. 匿名処理班
一方、島国で食料輸入国で人為的自国通貨安ってそろそろどうなのよ、マジで?
5. 匿名処理班
マスコミがネガキャンばっかりするけど「日本のインフレ率は世界比較だと最下レベル」なんだ
アルゼンチンなんかインフレ率120%
欧米もパンデミック前から予兆あったし侵攻が追い打ち
6. 匿名処理班
食品の値段高騰はマジで笑えない…。
特にたまごの値上がりが痛いわあ
7. 匿名処理班
俺たちは天使じゃない
8. 匿名処理班
>>4
どうなのよって文句言うくらいなら国会にデモ行進でもして自身の主張を押し付けに行けばいいだろ
何もしないでネット上だけで日本終わりだーみたいに言うのが一番みっともないよ
9. 匿名処理班
oh カナダ…。
10. 匿名処理班
食品に消費税かからないの良いと思う
一番命に直結するし、日本でもそうなればいいのに
11. 匿名処理班
日本も値上げ多いけど本当にまだ価格抑えてる方なんだよな
その分収入がどうのって言うけど収入が多くてもキツイくらいなのよな
国内しか知らないとわかんないんだろうけどさ
12. 匿名処理班
人件費が高騰している事がカナダにおける物価高の要因であるなら
政府が強権で事業者に無茶な価格抑制を押し付けてしまったら
経営難で倒産する事業者も出てきてしまうのでは?
何か根本的な部分でやり方が間違ってる気がするなぁ
13. 匿名処理班
>>5
精神勝利っていうか
もうそういうの空虚なだけよ
14.
15.
16. 匿名処理班
確かにモンタナ州に住んでた時に、カナダのナンバープレート付けた車をスーパーの駐車場でよく見た。
17. 匿名処理班
>>13
客観的に判断できる能力がなく、
悪いところだけしか見ることができない人間って惨めだな
18. 匿名処理班
>これが月に300ドル(約45000円)ほどの食料品の節約になるという。
日本だとむしろ食費全体で
月45000円くらいの人も結構いそう。
19. 匿名処理班
>>17
こいつぁちょっと不満見ると日本下げガー言い出すパターンやな
そのくせ自分らは法、憲法、宗教の扱い、外国人の扱い、犯罪者の扱い、外交なんかに毎日不満たらっっったらという
ほんま惨めな状況やで
20. 匿名処理班
>>5
人の金で食ってる内は分からん
子供に景気は語れん。
21. 匿名処理班
>>4
どうもこうもないわ。
日本国内で日本人がどれだけ不満をたれ流そうと、世界有数の安定国家で国に国民が守られているのが現実だ。
ちろっと海外で生活してみなよ。
日本人がどれだけ温室育ちなのかわかるぜ。
・ささいな体調不良でもすぐに病院で格安で治療が受けられて
・仕事の即日解雇は法律違反で
・家賃の値上げ幅は法律で規定があって
・なにかの支払いが滞納しても即日身ぐるみ剥がされてホームレスになることはなく
・そこら辺に交番があり
・夜に女子供が外出ができ
・企業が顧客に還元する文化があり
・賄賂がなくても日常生活がおくれる
これ全部カナダとアメリカじゃ夢物語の話だぜ
22. 匿名処理班
カナダ人、アメリカ人に間違えられるの余りいい気分しないのに
国境越えて買い物に来てるのは、なかなかシュールだな。
23. 匿名処理班
ちょっと前にカナダの一部の州でハードドラッグ合法化とかいうニュース出てたけど
カナダって崩壊寸前じゃない?
24.
25. 匿名処理班
>>5
国別収入ランキングとか見せたらブチギレそう
特にお隣との差で
こっちだけ何十年とほぼ全く変わってないんだからある意味凄い
26.
27. 匿名処理班
結構大騒ぎになってたけど現実的にドイツに抜かれる目前だからな今
あいつよりマシこいつよりマシ
言ってる間に第4位や
28.
29. 匿名処理班
>>10
食料品とそれ以外で税率を分けた結果がインボイス制度
賃金安い職人が消費税を国に払うと食えなくなると騒いでいるアレ
そっち側の問題は賃金あげてやれよと思うが
昔から消費税を国に払ってた個人事業主としてはただひたすら面倒くさいのがイヤ
30. 匿名処理班
>>27
カナダって何位よ
31.
32. 匿名処理班
>>27
コイツなんでドイツの話をしているんだ?
33. 匿名処理班
アメリカだと物価が上がって、1ドルが実質70円くらいの価値しかないそうな。だから日本に旅行に行くと1ドル約140円なので、アメリカの半額で倍の量食べられると喜んでいるらしい。この記事ではカナダのほうが物価が上のようなので、カナダの方が日本に旅行に来ると相当お得に感じるだろうね。
34. 匿名処理班
>>33
日本人が東南アジアの屋台飯で安い安い言う感じやな
35.
36. 匿名処理班
>>27
まず今の状況は円安による為替影響が大きい
あとは国のせいとかにするだけじゃなくて、自分たちの怠慢のお陰だという事も念頭におくべきだ
業務生産性の向上なんて本来労働者側でやれる領域なんだが、なんだかんだ文句言っておきながら実際に改善してこなかったのは誰だって話なんだよな
37.
38.
39.
40. 匿名処理班
>>34
それがいつまで続くんやろなぁ…
41. 匿名処理班
ストライキをしないで給料が上がるわけないだろうね
42. 匿名処理班
>>41
確かにな、ドイツに抜かれるー日本ガー終わりガーとか言ってるやつって
ちゃんと自分の職場で労働生産性を上げていてストもやって給料を上げてるんですか?って聞きたくなる
自分の責任まで他人になすりつけて自分は悪くない!社会が悪い!みたいに言うのってマジでどうなのよって思うね
43. 匿名処理班
>>42
社会出てないやつがやりがちな思考停止自己責任論やなー嫌なら出てけと同じ理論
君と違ってみんな精一杯努力して生きてるんやで
すねかじりなら気にしないような出費も自分で稼いでると気になるようになるよ