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水星はどんどん縮んでいた。その証拠となるシワを発見

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(著) (編集)

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 水星はただでさえ小さい惑星だというのに、数十億年にわたってどんどん小さくなっているという。

 太陽のすぐそばにあるのに長い年月をかけて冷えて、少しずつ縮んでいるからだ。そのおかげで水星の表面には、萎びたりんごのようなシワができている。

 『Nature Geoscience』(2023年10月2日付)に掲載された新しい研究では、水星のシワのそばに「地溝」と呼ばれる亀裂があることを発見し、それが3億年前にできただろうことを突き止めた。

 それは水星が宇宙的には最近まで縮み続けていた証拠だという。

水星は縮んでいる

 水星が数十億年をかけて徐々に縮んでいることは、以前から知られていた。それはこの惑星内部の熱が逃げて、少しずつ冷えてきているからだ。

 だが、水星が今もなお縮み続けているのかどうかは、よくわかっていない。今回の研究では、それが宇宙的には最近まで続いていただろうことを示す痕跡が見つかっている。

 その証拠が映っていた水星のアップ画像は、2004~2015年にわたってこの惑星を周回したNASAの水星探査機「メッセンジャー」が撮影したものだ。

 その画像では、「ロベート・スカープ」という断層の一種と、それに並行して走る「地溝」というひび割れがあることが確認されている。

 この断層は、水星が縮んだことで地表がお互いに押し合い、シワのようになったものだ。

 この研究に参加した英国オープン大学の地質学者デビッド・ロザリー氏は、The Conversationへの寄稿で、「乾燥によるものか、冷えたことによるものかという違いはあるが、それはりんごが古くなるにつれてシワができるようなもの」と説明する。

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水星で発見された最大のシワ。 この惑星が縮んだという証拠だ/ image credit:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

3億年前まで縮んでいたことが明らかに

 断層は水星が縮んでシワができたという証拠なのだが、問題はそれがいつできたのかということだ。

 それを知るヒントになるのは、この地表のシワに並行して見つかった地溝だ。見つかった地溝は全部で48。さらに地溝である可能性が高いものが244見つかっている。

 これは断層が動いて硬い岩を曲げたときにできた亀裂で、ロザリー氏によれば、「焼いたパンを折ったときに入るヒビ」のようなものであるという。

 つまり地溝ができた時期を特定できれば、水星が縮小していた時期を知ることができる。

 そのために研究チームは、隕石の衝突によって巻き上げられたちりを手がかりにした。

 舞い上がったちりは、やがて地表に積もるので、地溝のようなひび割れを埋めていく(これを「インパクト・ガーデニング」という)。そこで、このちりによる埋まり具合から、ひび割れの年代を推定するのだ。

 その結果明らかになった地溝ができた時期は、およそ3億年前だ。つまり宇宙的には最近まで水星が縮んでいたということだ。

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水星の南極付近に無数にあるクレーター / image credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

断層の動きが水星に地震を発生させる可能性

 断層の動きはひび割れを作るだけでなく地震、水星的には「水震」を発生させる可能性もある。

 これは月で起きる地震「月震」とよく似ている。月もまた水星と同じように縮んでシワができているのだ。

 月にはそれを証明する地震計が置かれている。だが水星に地震計はない。

 その代わりに、日本宇宙航空研究開発機構「JAXA」と欧州宇宙機関「ESA」が共同で打ち上げた「ベピ・コロンボ」に搭載された水星探査機がそれを調べてくれることだろう。

 ベピ・コロンボは2018年10月に打ち上げられ2025年12月末に水星に到着する予定である。

 探査機がとらえる鮮明な画像なら、石が転がった跡など、水震を裏付ける痕跡が見つかるかもしれないそうだ。

References:Widespread small grabens consistent with recent tectonism on Mercury | Nature Geoscience / Mercury: shrinking planet is still getting smaller – new research / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 8件

コメントを書く

  1. 地球も縮んでるんだろうか?
    水星より大きい分、
    冷めるのに時間がかかりそうではあるけど。

    • +5
  2. つまり水星は星自体が乾燥肌か敏感肌だったと

    • +6
  3. つまり水星は賢者タイムに突入していると…!?

    • +2
  4. 地震って地面が揺れることで、それって地球の地なんか?別に月でも水星でも地震じゃだめかい?…と思ったけど
    英語こそearthquakeだから気軽にmoonquakeだのMercuryquakeだの活用されちゃうのか。

    • +5
  5. 水星が縮んでいる、って話はマリナー10が水星を初めて観測した時から
    ずっと言われてた様な気がするが。
    ドロドロに溶けた状態から冷えて固まるときに、全体的に収縮するんだって話だが。

    • 評価
  6. しわと聞いたら太陽側で温度上がって反対側で急激に下がるからではと思ってしまうのは浅はか?

    • +3
  7. 俺には
    柱状節理のように大きな六角形が見えるぞ!

    • +1
  8. 太陽に近くて温められているかと思えば縮んでいるのか…

    • +2

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