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深海の底についた奇妙な馬の蹄のような模様の正体がついに明らかに

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(著)

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 深海は不思議と謎の宝庫だ。中でも、ニュージランド沖の深海には、10年近く謎につつまれていた興味深いものが存在する。

 海底に散らばる説明のつかない「馬の蹄(ひづめ)のような模様」がいくつも発見された。海の中を駆け抜ける神話上の水中馬が存在する、とでもいうのか?

 そんなことはなかった。最新の研究によると、馬のひづめに見まごう跡をつけたものの正体がついに判明した可能性があるという。

ニュージーランドの深海の底につけられた謎の馬のひづめのような跡

 2013年、ニュージーランド国立水大気研究所(NIWA)の研究者たちが海底で、奇妙な痕跡を発見した。地元アオテアロア海域の水深450mのところに馬のひづめのような見慣れぬ跡が大量にあったのだ。

 それ以来、研究者たちは、この跡を残したのが何者なのかを説明がつかずに困惑してきた。

 研究チームは、オリジナルの映像を分析し、さんざん頭を悩ませたあげく、やっと真犯人と思われる存在にたどりついた。

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ニュージーランドの水深450mの海底で発見された馬のひづめのような跡 / image credit:Stevens et al., Deep Sea Research Part I: Oceanographic Research Papers, 2023

容疑者としてソコダラ科の魚が浮上

 最新の研究によると、その正体は、擲弾兵(てきだんへい、歩兵のこと)とも呼ばれることがある、深海に棲むトウジン属ソコダラ科(Coelorinchus)の魚ではないかと考えられるという。

 この仲間には、蹄の形によく似た尖った口吻をもつものがいる。

「馬の蹄のように見えるこれらの跡は、ソコダラがエサを求めて堆積物の中を探りまわった跡ではないかと考えています」NIWAのダレン・スティーヴンス氏は語る。

「このタイプのソコダラは、長い口吻と頭の下に伸縮可能な口を持っていて、海底を探ってエサを食べることができますが、ほかのソコダラはこうした口吻は持っていません」

 調査のために、ソコダラの独特な形の頭と、海底につけられた蹄の跡の写真を重ね合わせてみたところ、驚きのシンデレラフィットだったことがわかったのだ。

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海底の蹄の跡は、ソコダラ2種の頭の形とそっくり / image credit:Stevens et al., Deep Sea Research Part I: Oceanographic Research Papers, 2023

「もしかしたら、この生き物の痕跡かもしれないという予感はありましたが、まさか、こんなにぴったりと頭部と写真の跡が一致するとは、驚きでした。これは、この2種のソコダラが犯人であるかなり有力な証拠といえるでしょう」

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容疑者として浮上したニュージーランド近くの深海底に生息するCoelorinchus aspercephalus(左)とCoelorinchus bollonsi (右)の現場画像 / image credit:Stevens., Deep Sea Research Part I: Oceanographic Research Papers , 2023

ソコダラ科の理解が進む

 さらに、スティーヴンス氏は、この発見は、エサ場と大切な生息地を特定することで、ソコダラ科の特徴を理解するのにいかに重要であるかを説明できるとしている。

 また、この生き物の自然な採餌行動が観察されたのは初めてのことで、彼らがどのようにエサをとるのか、重要な情報が明らかにされたと研究チームは考えている。

 彼らは頭を下にした状態で、海底に接触してエサをとると考えられていて、堆積物を吸い上げてエサだけこしとる際に、ちょっとしたスピードを出す推進力を発揮するのではないかと、研究結果の論文には書かれている。

Deep sea mystery of the Lebensspuren

 海底につけられた不可解な模様を画像化するのは簡単なことではなく、ましてやその原因を解明しようとするのは至難の業だ。

 このケースの場合、深曳航画像システム(DTIS)を使って、海底を詳細に観察することができたと、研究著者のセイディ・ミルズ氏は説明する。だが、ほとんどの場合、不可解なものの原因を正確に特定することは不可能だ。

「私たちが映像で見たものは、実際に泥の中でエサを食べているソコダラ科だったことが、最終的に確認できて、とても興奮しています。DTISの映像を何年も見続けた後で、すばらしいご褒美をもらったようなものです」

 深海の風変わりな生き物が、海洋の謎を生み出すのは初めてのことではない。フラム海峡の底に不思議な八角形の跡をつけたのは、エサを漁っていたタコの仕業だったことが判明している。

この研究は、『Deep Sea Research Part I: Oceanographic Research Papers』(2023年10月付)に掲載された。

References:Strange Deep Sea “Hoofprints” In New Zealand May Finally Have An Explanation | IFLScience / The Mystery of These Deep-Sea ‘Hoofprints’ May Finally Be Solved : ScienceAlert / written by parumo

追記(2023/10/08)誤字を訂正して再送します。

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この記事へのコメント 9件

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  1. ユニコーンとかケルピーかと…
    あとポセイドンは『海と馬の神』馬を作るまで、そうとう試行錯誤を重ね
    縞馬、麒麟、驢馬などがその途中経過の作品とか
    「あいつ又なんか作ってるよ」かも

    • +2
  2. いきなりコメ番飛びまくりやな
    どんだけ珍妙な独自考察かましたんだろう

    • +10
  3. これも可愛いけど
    これを見ると更に、アマミホシゾラフグが如何に奇跡的な存在か分かろうと言うもの

    • +2
  4. 写真の合成技術もこうゆう事に使えるんだな 少し感心

    • 評価
  5. ソコダラは深海魚としてもかなりの数がいるそうなんだけど生態はあまり知られていないんだよね。種類も多いし、中にはおいしい奴もいるんだけどな。

    • +2
  6. ホントにピッタリでちょっと笑った
    綺麗に迹残るモンだね

    • +4
  7. お口の形までそのまんま跡になっていて可愛すぎる

    • +2

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