
アメリカ・ニューヨーク州に住む女性は、下水道から救出された1羽のカラスに一晩だけ寝床と食べ物を与えてお世話をした後、自然に返した。
するとそのカラスは仲間と一緒に女性を近くから見守るようになったという。空から女性を護衛してくれる最強のボディーガード部隊となったのだ。
下水道から救助されたカラスを保護した女性
6月25日、ニューヨーク州で野生動物のリハビリテーションを行うカレンリン・ストラチャーさんは、動物保護活動家仲間の1人から「近くの下水道に落ちていたカラスを救出した」という連絡を受けた。どんな動物にも助けの手を差し伸べることを迷わないストラチャーさんは、すぐにそのカラスを自分のリハビリ施設へ連れてきてほしいと頼んだ。
カラスに怪我はなかったが、まだ濡れていたため体を乾かす安全な場所が必要だった。
ストラチャーさんはカラスをケージに入れ、食べ物と眠る場所を提供した。

image credit:wildliferehab_kl/TikTok
迎えに来ていた仲間と共に元気に飛び立ったカラス
カラスを保護してから12時間ほど経った翌朝、ストラチャーさんは保護したカラスに会いに仲間のカラスがやって来ていることに気付いた。仲間はカラスが入っているケージの上に座っていました。

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仲間のカラスはケージに入っているカラスに「早く出ておいでよ」と言っているかのように、少し離れた場所から鳴き続けた。

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羽も乾いたしもう大丈夫。「さぁ、仲間のところへお帰り」とストラチャーさんにケージのドアを開けてもらったカラスは、勢いよく飛び出すと待っている仲間のところへ飛んで行った。
助けてくれたお礼に女性の護衛をするカラスと仲間
その数日後、ストラチャーさんは驚く経験をすることになった。助けたカラスと仲間が、自分を護衛するように見守ってくれるようになったのだ。

image credit:wildliferehab_kl/TikTok
動物が大好きで、普段から多くの動物と接しているストラチャーさんは、彼らにも感情があり、共感する心を持っていることを強く信じている。だがこれまでカラスのそのような行動を見たことがなかっただけに、ストラチャーさんは驚かされた。
カラスを放した翌日、ストラチャーさんは自宅近くの木に助けたカラスが止まっていることに気付いた。
以降、カラスは木の上から自分の存在を知らせるように、ストラチャーさんが外に出て挨拶するまで鳴き続けるようになった。
そして数日後、電線に止まっているカラスに気付いたストラチャーさんが「お友達も一緒なの?」と声をかけると、なんと仲間のカラスが飛んで来て一緒に電線に止まったのだ。
こんなことは初めて。ストラチャーさんはカラスの義理堅さに深く感心した。周りを見渡しても他のカラスはおらず、いつも助けたカラスとその仲間1羽のみだ。
おそらくいつも一緒にいる仲間は保護時にケージのところに来ていたカラスだろうと、ストラチャーさんは思っている。
車で出かけてもついてくるカラス
ある日車でジムに出かけたストラチャーさんは、助けたカラスとその仲間がジムまで追いかけてきていることに気付いた。私は今、文字通りカラスにストーカーされています。これはいい意味です。かれらは最強のボディーガードです助けてもらった恩返しに、カラスが女性を守ろうと仲間を連れパトロールしてくれているのだ。
ストラチャーさんが保護したカラスと一緒に過ごした時間はたった12時間ほどだ。
それでもカラスが恩を感じていることは間違いないようだった。
動物たちがお互いに家族や友情の絆を築いているのを見ることはよくありますが、これほどはっきりとした形で、私に感謝の気持ちを示してくれた動物は初めてです。
カラスの情の厚さと認識能力の高さを知ってほしい
カラスは信じられないほど賢い動物だ。カラスには、一度覚えた人間の顔を認識する能力もあると言われている。感謝の気持ちをギフトにして届けてくれたり、助けてくれた人が他の人間から嫌がらせを受けていたら代わりに復讐してくれたりと、カラスはとても情に厚いのだ。
ストラチャーさんはカラスに畏敬の念を抱かずにはいられなかった。
私はカラスの献身と感謝の深さを知っていましたが、このような単純な親切な行為を彼らが認識して感謝していることが信じられませんでした。ストラチャーさんは自分の動画がこの見過ごされがちな野鳥がどれほど賢いのかを、人々が理解するのに役立つことを望んでいる。
カラスが知的で知覚力のある生き物で、複雑な思考や家族関係が可能であるということを、多くの人にぜひ知ってもらいたいと思います。
References:Woman Notices Crows 'Stalking' Her — Then Realizes They Have A Message/ written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
カラスが賢いことは知ってたがここまでだったとは
付き合い方によっては人と共存も可能なんじゃないかなと思える話題ですね
2. 匿名処理班
よっ! 大統領
3. 匿名処理班
カラスも人間も、この記事に出てくるひとはいい奴ばっかりだなあ。いいなあ
4. 匿名処理班
英語の『Eat crow』は「カラスを食べる」でなく「敗北を認める」の慣用句だが、「仲間を裏切る」の意味になりそうだ
5. 匿名処理班
KKK(カァカァ組合)に入れられただけだぞ
6. 匿名処理班
旅烏「一宿一飯の恩がござんす...」
7. 匿名処理班
個人的にはカァカァ追い駆けてまで鳴きかけられたら「警戒されてんのかな?巣が近くにあるのかな?」とか思っちゃうわ
勿論特別な関わりが無いからそう感じる訳だけど、良い事してれば違って聞こえるんだろうな
8. 匿名処理班
たった12時間ほどっていうけどピンチの時に世話をしてくれた人だからね
9. 匿名処理班
>>7
あとなんか意識を向けるのも大事な気がする
カラパイアでいろんな動物記事を見て動物に注意を払うようになったけど、まさにカラスとか鳴き方がいくつかあるみたい
同じ「カァー カァー」でもすごくダルそうに仲間に返事してるだけの時もあれば、緊張感漂う声の時もある
普段からよく聞いてれば違いがわかるのかもしれない
10. 匿名処理班
下水道から救出した人にもお礼に行ったのかな?
11. 匿名処理班
>>7
いや、警戒してる時の威嚇の声と、威嚇してない呼びかけ声は違うよ
文字で書くと同じになるから説明はできないけど、両方聞けば分かる
12. 匿名処理班
檻に閉じ込められたと思うんじゃなくて、体が乾くまで保護してくれたと理解できるのがすごい
いつかカラスと顔見知りになれたらいいなぁ
13. 匿名処理班
ゴミ集積所に閉じ込められたカラスを救助した私は翼で頭をさらーっと撫でられました。
14. 匿名処理班
いい関係で羨ましい
今も猫の餌を狙って電柱のてっぺんから仲間にカアカア合図している
15. 匿名処理班
>>9
カラスの言語がわかる人によると4800語を使い、群れには教育体系まであるそうです。