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脳に電気刺激を与えることで数学の学習効果が向上する可能性

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(著) (編集)

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 好きな人にはたまらなく好きだろうが、苦手な人は数字と記号の羅列を見るだけでめまいをおこしてしまいがちな教科、それが数学である。

 実際に「数学恐怖症」なるものも存在しており、2023年に発表された調査によると、イギリスの成人5人に1人が数学で具合が悪くなるという結果が報告された。

 そんな人たちに朗報かもしれない。最新研究によると、非侵襲的(脳を傷つけない)な電気的なノイズで脳の神経細胞を刺激したところ、数学の学習効果を高めることに成功したという。

 『PLOS Biology』(2023年8月31日付)に掲載された論文では、数学が苦手な人ほど、電気刺激による学習効果の向上が見られたそうだ。

数学が苦手な人は、数学で脳が活性化されにくい

 数学が得意な人と苦手な人がいるのはなぜなのか? その理由の1つは、数学で脳が活性化するかどうかに関係しているようだ。

 脳の活性化とは、エキサイティングな刺激により、脳の働きや機能が高まることだ。

 英サリー大学のロイ・コーエン・カドシュ教授によると、人の学習能力の高さは、脳内の神経細胞の活性化と関連しているのだという。

 つまり、もしも明日の数学のテストに備えて勉強しているのに、どうにもはかどらないという人は、数学で脳が活性化しにくいのもしれない。

 そこでコーエン・カドシュ教授らは、勉強をする前に脳の前部を外側から電気ノイズで刺激すれば、数学が苦手な人でも学習効果を上げられるのではないかと考えた。

 電気ノイズは、脳内のナトリウムチャネルに作用する。するとそれがニューロン(神経細胞)の細胞膜に干渉し、皮質を活性化させてくれるからだ。

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photo by Pixabay

脳に電気刺激を与えることで数学の学習効果向上

 それを確かめるための実験で、102人の参加者を電気ノイズで刺激するグループとそうでないグループに分け、かけ算を解いてもらうことで、刺激が学習や脳波に与える影響を調べた。

 その結果は、電気ノイズで脳を刺激したグループは、数学の学習効果が向上したことが判明した。

 さらに、数学が苦手な人ほどその効果が高いことも分かった。

 数学で、脳が活性化しにくい人ほど、電気ノイズ刺激を受けやすく、学習効果が大きくアップしたのだ。

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興奮/抑制と非周期性指数。(A) 脳波のパワー・周波数スペクトルにおける周期的活動と非周期的活動の違い (B) 脳波スペクトルに示された対数・対数空間における非周期性指数 (C) (D) 局所電位と比較して、興奮/抑制が高いと非周期性指数がより平坦(ゼロに近づく)になり、興奮/抑制が低い(抑制が強い)と指数がマイナスの急勾配になることが示されている。 / image credit:PLOS Biology (2023). DOI: 10.1371/journal.pbio.3002193

 逆に言うと、数学が得意な人にとってはあまり意味がないということでもある。

 もともと数学を見るとワクワクし、脳が活性化しやすい人は、刺激を与えても、それほど効果がないと考えられるのだ。

 コーエン・カドシュ教授は、「神経刺激がどのように作用し、またどのような条件で一番効果的なのかがわかりました」と語る。

 こうした発見をさらに追求することで、「人それぞれの学習の進み具合にあわせたピッタリなアプローチができるようになるだけでなく、刺激する最適なタイミングと期間も明らかになるでしょう」とのことだ。

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photo by Unsplash

 外部から脳に電気で刺激するだけで、数学が苦じゃなくなるのなら、今すぐにでも私で試してほしい、と思うほどには数学が苦手なわけで、電卓を開発してくれた人に足を向けて寝られないわけで、何が言いたいのかというと、私が活動限界を迎える前に、市販化してほしいってことなんだ。

References:Human neuronal excitation/inhibition balance explains and predicts neurostimulation induced learning benefits | PLOS Biology / Exciting the brain could be key to boosting math learning, says new study / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 15件

コメントを書く

  1. 恐怖症と言うか、代数あたりに成ると面倒臭く成るんですよねぇ、只の怠け者でしょうか?
    アタイは・・

    • +2
  2. 数学はハマる人は一生それだけで遊べる玩具だしあらゆる分野に必須の魔法
    だが大多数の人にとっては文明の利器に丸投げで十分な世の中になってしまったからねぇ

    なので脳に電流流してまで学びたいか?と問われると「NO」

    • +3
  3. (( ___ )) ゴシゴシ
    ∩ 彡 ⌒ ミ ∩
    l(´・ω・`)l 下敷きでこすって静電気を与えると
              髪も増えますか?

    • -1
  4. 鞭で打たれて勉強を強要されるのとあまり違わない
    こういうものを使わない自由も認めてくれよ

    • 評価
  5. イギリスはアナログ時計が読めずに苦戦する人が結構いるみたいだから苦手の次元が違う気がする
    なんかニュースなってたよね…

    • +2
  6. 要は外部の助けを借りて電気流し易くするみたいな感じなのかな?
    日常的にアクセス出来てる人みたいに?

    • 評価
  7. これはマジ辞めた方がいい、数学は美意識の世界
    受験数学とか高校数学が苦手な人は「本当に中身のある学問的な数学」の資質があって
    脳が「おまえは受験数学とかくだらない事に時間を割くな」と教えてくれてる証かも
    知れないので。

    • -4
    1. >>9
      でも学問的な数学ができるなら受験数学もできるよね?

      • +1
      1. >>14
        出来ない。ケンブリッジの数学科の教授だろうが
        受験数学用の訓練をしないと受験数学は解けない。
        裏を返せば受験数学なんか出来なくても学問的な数学ができる。
        (受験数学の無意味さに限らず)「何かが苦手」「何かに抵抗感がある」って感覚は
        数学をやる上で非常に大切なモノ。
        なぜなら数学は自分が心から美しいと思うモノ『だけ』を『断固として』追求する
        作業だから。くだらない事でもスイスイ出来ちゃう器用な人は、
        却って深い本質を見失いがちになる。高校までの数学が苦手だった人は
        是非その苦手意識を大切にして欲しい、その感覚はきっと、
        学問的な数学が如何に真に美しいかを感じる審美眼の糧になるから

        • -1
  8. まぁそもそも脳の記憶が電気信号だからなんらかの反応はあるだろうけど悪い影響もありそうなので自分はやりたくはないな

    • +1
  9. ホントに有効なら将来は予防接種と同じように、一定の年齢になったら電気刺激を受けるようになる?
    電卓もスパコンもあるから、もうヒトの計算能力上げなくてもよくない?

    • +1
  10. 電気刺激なら常用しても耐性が付いたりしなさそうだし
    勉強前にエナジードリンクで翼を授かるよりも
    こっちの方が体に良さそう

    • 評価
  11. 20分電気刺激して効果5分とかちゃったっけ。モーガン・フリーマンの番組でやってた。

    • +1
  12. 受験用の数学の為にやるなら絶対やめた方が良いよ、マジで。

    人間は大勢の中からたま~にキラ星が出れば良い仕組みで発展したんだから出来ないモンは無理にやる必要ない、食い物の好き嫌いすら絶対必要なんだから無理するこたぁ無いよね。

    自分が選択する専門科目以外の教科はユルくする措置を強化した方が良いて。

    • 評価

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