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1978年製のトヨタ「ランドクルーザー」を改造し海中7kmの走行に成功、最大水深30m

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(著) (編集)

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 オーストラリアのダイバーとエンジニアとカーマニアによる驚異の水中ドライブチャレンジ。改造した1978年製のトヨタ・ランドクルーザーを海中で7kmも走らせるなんて離れ業をやってのけたそうだ。

 先月末、オーストラリアの車好きな集団が、特別な防水仕様を施したトヨタのランドクルーザーで水中の走行距離7kmと最大水深30mという仰天記録を打ち出した。

 ビーチから海に入ってそのまんま、港を横断するという大胆プランを決行。その結果「最も長い水中ドライブ」と「最も深い水中ドライブ」という2つの世界新記録を樹立したという。

Car driven 7km underwater across Darwin Harbour | ABC News

オーストラリアで水中走行記録に挑戦。ランクルで海中を走行

 今年7月末、オーストラリア北部の準州ノーザン テリトリーの港湾で、地元の車愛好家チームが1983年以来更新されていなかった車の水中走行記録に挑戦した。

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 「ランクル」の通称で親しまれてるトヨタの大型SUVランドクルーザーといえば、でこぼこ道もへっちゃらなオフロード仕様で有名だが、まさか水中まで走るとは夢にも思わなんだ。

 といってもこのほど海中を走行したのは通常のランドクルーザーではない。チームによって防水をはじめとする独自の仕様変更がなされた改造ランクルだ。

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 オーストラリア名物のカニ料理にちなみ「マッドクラブ(ノコギリガザミ)」と命名されたその車は、目にも鮮やかなオレンジ色。

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 入手当初はサビまみれだった1978年製のランクルが、このプロジェクトにふさわしい名前とカラーに生まれ変わったのだ。

半年かけて中古のランクルを海中用に改造

 地元ダイバーとエンジニアとカーマニアの寄せ集めであるマッドクラブ・プロジェクトチームはおよそ6カ月かけ、中古のランクルにいくつもの改造を行った。

 通常の整備に加え、オリジナルのエンジンを防水性が高い電気モーターに乗せ換えEVに。また陸より過酷な海底に耐えるようタイヤもタフなものに交換。

 その中身が空気だけだと水中で浮いてしまうため水もいくぶん注入したそうだ。それでタイヤは1本150kgもの重さになった。

 ほかにもバッテリーやコントローラーといった電気部品をシリコンオイルで覆うなど、チームが考えつく限りの万全な対策を施した。

ビーチから港に向けて海中へ。ゴール予想時間に異変?

 こうしてできたマッドクラブは7月29日朝9時頃、スタート地点、マンドラのボートランプから海に入った。

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image credit:Liam McAllister and Joshua Ruhl

 海中の運転は地元のダイバーが交代で行うことになっていた。目指すゴールはミンディルビーチ。海中を進みダーウィン港を横断する計画だ。

 当初のチームの予想では午後5時には着くはずだったが、まもなく彼らはその見積もりの甘さを思い知ることになる。

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1km ごとに12回も立ち往生。海底の過酷さに直面

 チームがまず直面したのは、わずか1km 進む間に12回も起こる立ち往生だ。それは彼らにとって想定外のことだった。

 海中での試験走行は4日前、浮力対策後のタイヤの調子を見るため1度だけ行ったが、とりあえず走ることを確認しただけで、その時は変化に富む海底の過酷さまで考えがおよばなかった。

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 ところが実際走ってみると、砂や泥がたっぷりある海底は恐ろしい悪路で、ハンドル操作以外にも浮袋で持ち上げるなどの補助がなければ進むこともままならなかった。

 さらにガスのパイプラインに出くわした時はより慎重に通過しなければならず、それだけで2時間もかかってしまった。
 加えて、水深に伴うすさまじい水圧も障害となった、深くなるにつれダイバーのハンドル操作が困難になり最長でも15分が限界という事態になった。

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12時間後にようやくゴール。待ち受けたファンが大興奮

 そんな事情から、ミッションの進行はどんどん遅れた。午後6時半に日が沈んでもゴールは遠く、チームは暗い水中をヘッドライトに頼って進まねばならなかった。

 そして午後7時45分、再びマッドクラブのタイヤがはまってしまった時、チームもいよいよギブアップと続行の二択に悩み始めた。

 だが出発から約12時間、予想から4時間遅れの午後9時より少し前に、港の海面からついにマッドクラブが現れた。

 時間はかなりずれ込んだものの、無事を祈って辛抱強く待ち続けていたファンがついに着いたと大興奮。

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 何百人ものカーマニアが海の中でがんばったマッドクラブを歓声で出迎えた。

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走行距離 7kmに水深 30m。40年前の記録を更新

 ゴールしたチームはこの挑戦で、水中運転の2つの世界記録を樹立したと語っている。

 彼らによると、今回達成した水深 30m、走行距離 7km は、40年前の水中運転記録の水深15m、3km を大幅に更新する。

 ただこれらの記録はまだ公式認証されていない。チームはすでにギネス世界記録に連絡済みだが、今は返信を待っている段階だ。

改造ランクル「マッドクラブ」の記録を報じる動画

The ‘mud crab’, a repurposed LandCruiser, might have broken two world records in underwater driving

1983年の水中運転の記録を伸ばすアイデアにチームが没頭

 このプロジェクトのそもそものきっかけは、今回チームが塗り替えた1983年の水中運転の記録だった。

 以前からその記録をネタに飲みながら語り合ってた彼らの間で「40年前よりハイテクな今ならもっと記録が伸ばせるはず」との声が上がると、改造のアイデアが次々飛び出し、物は試しとやってるうちに実現する運びになったという。

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費用は自腹で改造などもメンバーが自力で行う

 このプロジェクトのマネージャーをつとめたトムさんによると、趣味の延長みたいなこの試みに潤沢な資金源など無く、改造などもメンバーが自力でこつこつ進めていったという。

 一連の作業は、お金に換算するとおよそ3万から4万 ドル(約430万~580万円)相当。

 サビだらけのランクルの購入額5000ドル(72万円)に対し、おそろしく手間ひまがかかることになったが、技術面で行き詰まった時などは各メンバーがそれぞれの友人に相談するなどして、少しずつ問題をクリアしていった。

 足りない部品も借りたりもらったりして節約。それでも間に合わず必要な費用は各メンバーが自腹でまかなったそうだ。

記録の認証は二の次で夢の達成を喜ぶチーム

 舞台裏を明かせばこの日を迎えるまでの失敗や危険は数知れず。

 車の改造も、従来のエンジンのまま60mの吸気管と排気管をつけ海中で走行したところ、岩に激突してエンストし断念したこともあった。

 チームも海中ではからずもサメをおびき寄せてしまったり、ダイバーが極度の水圧に悩まされるなど危険と隣り合わせだった。

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image credit:Maddy Stenmark / Bridgit Phillips – Joshua Ruh

 それでもくじけず、目標に向かって取り組んできたマッドクラブ・プロジェクトチーム。彼らは今、その記録の認証の有無にかかわらず、以前からみんなで話し合っていた夢の達成を喜んでいるそうだよ。

References:odditycentral / abcなど /written by D/ edited by parumo

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この記事へのコメント 25件

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  1. 環境荒らされて、海の生物は大迷惑だろう
    なんだか無駄な挑戦に見えるのは俺だけか

    • -15
    1. >>2
      ずっと踏み続ける訳じゃ無し、一回荒らされたくらいじゃ直ぐ元に戻るよ
      自然様はそこまで柔じゃないさ

      • +4
    2. >>2
      目的があって理論的なアプローチをして教訓も得られた
      無謀な挑戦ではなくしっかりと計画された目標を達成したのに無駄な挑戦にしか見えないのね
      そういう見方を繰り返してると人生つまんなくなってくるぞ

      • +4
    3. >>2
      車1台走ったくらいで海に変化あるわけないだろ
      潮の満ち引きや海流に比べりゃカスみたいなもん

      • +2
    4. >>2
      あなたの歩いている道路、乗ってる車、住んでいる家、その全ての恩恵を放棄してから言いなよ

      • 評価
  2. こういうバカ野郎(誉め言葉)は最高だ
    しかも世界最強のランクル使うとは見どころあるぜ

    • +7
  3. 次回007で、2000GTに続きボンドカーに採用か

    • +2
  4. 最後、ポセイドンに突っ込んでネジだけになりそう

    • +2
  5. 吸排気のダクトをブイに付けて水面に浮かせばディーゼルでも行けそう。

    • 評価
    1. >>6
      ドイツが大戦中にそれを戦車でやろうとしたね
      結果的には出来なかったけど重すぎて橋を渡れない重量級戦車の渡河に生かされたらしい

      • 評価
      1. >>11
        まぁ海でやらずに済んで良かったとしか。
        三号潜水戦車は吸気ホースを固定パイプに変えて、独ソ戦初期のブーク河渡河作戦に投入される。
        一応本来目的で使ってはみた。
        6号戦車の初期型に同様の渡河キットが装備されるが重すぎたんだろう、改修型では真っ先にオミットされてる。

        • 評価
    2. >>6
      単純なダクトだと気圧の問題で無理だが(水深30mまで送気するには4気圧まで加圧しないといけない)、コンプレッサー備えた特殊な装置開発すればワンチャン……って今回のとどっちが手間で難易度高いかか分からないけど

      • 評価
  6. 昔の007シリーズだと、こういう小ネタをすぐ採用して次回作にボンドの秘密兵器として登場させたんだが、今はどうかな

    • +1
  7. 直近タイトルでランドクルーザーでレンジローバー撃退してるからトヨタ贔屓になってしまう

    • 評価
  8. 水深30Mに12時間とか気圧でヤバいことなってそう

    • 評価
  9. ウツの自分からすると、好きな事、やりたい事、夢があるのがただただうらやましい!

    • +4
  10. 海洋や海底の環境に対して深刻なダメージがない、というアセスメントがあった上でなされたことなのでしょうか
    そこが気になりますね

    • -4
    1. >>18
      原発の水を30年放出するのに比べたら車一台がたかが12時間一度きり進んだダメージなんてなきに等しいだろうね
      そもそもガスのパイプラインがそこにどっかりあるんだしな

      • 評価
  11. EV仕様に改造って時点でちょっと萎えた。
    いや、吸排気が必要なディーゼルとか無茶なのは承知してる。
    でもEVランクルってなんかこう・・・なあ?

    • +1
  12. 〇〇に比べたら大したことないからやる?

    • -1
  13. 別にランクルがスゴイわけではなかろう。改造力がスゴいわけで、ベンツとか他社の同等の車でも成功したはずだ。トヨタ車ヨイショはどうかと思うな。

    • 評価

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