この画像を大きなサイズで見るマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、傷口をくっつけて治す接着剤を開発したそうだ。そのヒントになったのは、海の岩や船にがっちりとくっついている、固着動物「フジツボ」だ。
海の生物にインスパイアされただけあって、この接着剤は、血液や体液などでグジグジとぬれ、しかも不規則な傷口であっても、5秒から30秒もあればピタッとくっつける。
怪我の治療や手術中の出血のコントロールなどで活躍する可能性があるそうだ。
科学者がフジツボの耐水性がある生物接着物で傷口を塞ぐ瞬間接着剤を考案
フジツボは強力で耐水性のある生物接着物を生成し、岩や船舶の船底などに非常に強固に固着することで知られてる。
船舶業界ではフジツボの固着能力が問題となることがあり、船舶の速度を低下させる要因となっているが、その強力な接着力が人間にとって役に立つという。
大怪我をしてしまったとき、大切な処置の1つは出血を止めることだ。大量の出血は死因の大きな要因の1つである。
全血液量の20%以上の血液がなくなるとショック症状が表れるようになり、皮膚が蒼白し、ヒア汗が出て脈が速くなり、呼吸不全を起こし、 早期に止血が行われないと多臓器不全〔たぞうきふぜん〕を起こして、死に至ることがある。
だが止血は言うほど簡単ではない。一般的な処置は傷口を縫いつけることだが、これは時間がかかるため、救急隊員などが緊急時に行うのは難しい。
最近では、血を止めてくれるパッチもある。これには血が固まる薬が塗られており、それによって血を止める。だが、血が止まるまでには数分かかるうえに、出血がひどい場合はあまり効果がない。
いかにして速やかに止血するか? この課題に数年前から取り組んでいるのが、マサチューセッツ工科大学(MIT)のXuanhe Zhao教授らだ。
同教授らはたとえば2019年、クモの糸をヒントにした医療用両面テープを開発。これはサッと水分を吸収してくれるために、手術で切り開いた部分でもピタッと閉じることができる。
そして今回、Zhao教授らはまたも生物からヒントを得て、今度は傷口をくっつける瞬間接着剤を考案した。そのヒントになったのが、海岸の岩や船などにがっちりと張り付いているフジツボだ。
この画像を大きなサイズで見るぬれた岩場にくっつくフジツボのユニークなタンパク質が判明
やってみればわかるが、ぬれたところに何かを接着するのはとても難しい。
だがあのちょっとホラーなフジツボは、海岸の岩や船、あるいは生きているクジラの体など、海水でびしょびしょで、しかも汚れたところにがっちりくっついている。
フジツボは一体どうやって、ぬれた表面にくっついているのか? その秘密を解明できれば、血が流れ出てくる傷口を塞ぐヒントになるはずだ。
そこでフジツボを調べたところ、とてもユニークなタンパク質を持っていることが判明した。
独特の化学構造をもつ強力な接着剤のようなタンパク質は油と混ざっており、水や汚れをパッと弾く。そのおかげでフジツボはぬれた岩場にぴたっとくっつけるのだ。
この画像を大きなサイズで見るフジツボ式医療用強力接着剤
これを真似して作られたのが、今回のフジツボ式医療用接着剤だ。
接着剤の成分は、ポリマーの「ポリアクリル酸」、接着剤として働く有機化合物「NHSエステル」、素材を強化する糖「キトサン」を組み合わせたもの。
これを凍らせてから砕いて粒子にし、医療用シリコン油にまぜると完成する。
このフジツボ式接着剤を傷口に塗ると、シリコン油が血液などの体液をはじき、余計な水分をよけてくれる。だから接着成分が十分機能を発揮することができる。
またクモの糸の両面テープと違い、傷口が不規則でもくっつけられるという長所がある。
ラットやブタで性能を確認
フジツボ式接着剤の効果を確かめるため、ラットで実験してみると、15~30秒で出血を止められることが確認されたという。
また、ブタを使った実験では、肝臓の出血を速やかに止めることにも成功している。
フジツボ式接着剤は、数週間でも傷口をしっかりふさいでいてくれるので、その間に自然に傷口がふさがるのを待つことができる。また、それによる炎症もほとんどないそうだ。
ずっと放置していてもいずれは体に吸収されるし、必要なら溶液で簡単にはがすこともできる。なので、まず応急処置として傷口をふさぎ、その後でしっかりと治療するといったことも可能であるそうだ。
この研究は『Nature Biomedical Engineering』(2021年8月9日付)に掲載された。
References:Bio-inspired, blood-repelling tissue glue could seal wounds quickly: A new adhesive that mimics the sticky substance barnacles use to cling to rocks may offer a better way to treat traumatic injuries — ScienceDaily / written by hiroching / edited by / parumo











すごいのが出てきたな
これが実用化されてれば
自分も助かってたのかな
>>1
成仏しろよ
手術跡のヒモ抜きも無くしてくれると嬉しい
痛くはないが、つつーーと引っ張られる感覚が嫌だ
>>2
というか紐の穴が跡として残るしね
膝の裏…
>>3
はい浸透圧
へぇ~ じゃあこれの剥離剤でフジツボが剥がせるんだ!助かる!
おしゃべりにも効果ありそうですな
夢のような止血剤が出てきたな
コストや保存性に懸念がありそうだけど、それでも是非実用化して欲しい
藤壺子
以前何かで似たような記事を読んだことあるなと思って少し調べました
九州大学が開発したものは2016年、この記事自体は2021年
それ以来進歩しているのか、楽しみですね
より即効性のある人造カサブタって感じなのかな?
実は既に実用化されていて、戦場で兵士の銃創の応急処置剤としてアメリカ軍での配備が進んでる。
論文で出せたのは、機密解除されたからじゃないかな。
火傷の様に広い範囲で皮膚の機能が失われた場合には縫合は難しい。
そんな場面で使えたら良いね。
>>12
魚の皮を貼る治療法がありましたね
併用できるかな?
>>16
卵殻膜を貼るという措置もありますね
死ぬときはたいてい苦しそうだけど、失血死も苦しいんだね。
何とか即死できないものか。
(ヒア汗には笑ったw)
うるさい奴がいたら、口に付けてしまえばいいのか。
5年くらい前にMassEffectのメディゲルまんまっぽいやつ出来たみたいなネットニュースをどっかで見たがどうなったのやら
完治後、皮膚に違和感を覚えレントゲンを撮影したら、、、
>>19
そこには元気に走り回るフジツボの姿が!
>>20
なんで走ってんねん
それ絶対フジツボじゃないやろ
小◯製薬が商品名考えてそう
>>22
不時津薄(ふじつぼ)
もう、膝の裏にびっしり系はやめて… ルパンのマネしてあげるから
せーの「フ~~~ジコちゃ~~ん」(固着生物)
40年位前からアロンアルファで切り傷擦り傷閉じてました。
特に夏場が多かった。プールに入りたい一心で。
まず滲みないし、固まった接着剤普通にケガ治る過程で外に押し出される。
最後はかさぶたみたいに取れる。
>>24
実際、医療用アロンアルファってのが販売されてますね!
>>24
さへふささそさそそさそさすそさそ3そふそさし
>>27
猫でもキーボードの上で踊ったのか?
姉妹品、紫の上も登場
膝にびっしりフジツボがああああ
てのが笑い話じゃなくなる日が来るのか
サイエンスゼロだかで『フジツボの接着糸は6種類使い分けてて2~3種類再現できる』て内容でやってた(多少違うかも)
特に岩に付けるものその上に付けるもの貝と繋ぐものと鍍金のように重ねて使っているのが印象的だった
(たぶんwww.nhk.jp/p/zero/ts/XK5VKV7V98/episode/te/RP14X74P81/)
サイエンスZERO フジツボは高級食材で接着剤の応用も?
ttps://テレビ見逃し動画.tokyo/zero-fujitsubo/#toc2
これです
ヒア汗、ぷるぷるにうるおいそう!
子供のころ岩場で転んでフジツボで手の平を怪我したんだがとにかく血が止まらなくて大変だった。40年経った今でも傷跡がくっきり残ってるよ。
そのフジツボがこんな風に役に立つとはなあ。
>>35 磯遊びって注意しないとアブナイよね。
ヒザのお皿を割ってしまった大人を知ってる。
>>35
掌、ざしざしして動かしにくい、ってことはない?
爪が割れた時にアロンアルファ(ゼリー状)は重宝しているわ
ヒア汗
K先生がギュッてしそう
立てなくなった動物の褥瘡にも使えたら良いなぁ