
アメリカ・ミシガン州デトロイトで、飼い主の亡き後、悲しみに暮れながら、お気に入りのぬいぐるみをくわえて通りをさまよっている犬の姿が目撃された。
犬にとっては、このボロボロになったぬいぐるみだけが心の支えだったようだ。
動物救助施設や動物愛好家らが結集してこのジャーマンシェパードを救助することに成功。現在保護された犬は、里親ボランティアのもとで穏やかに暮らしているという。
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Abandoned dog rescued after wandering streets with stuffed toy, now receiving much-needed care
飼い主を亡くし、ぬいぐるみを持って路上をさまよう犬
ミシガン州デトロイトの住民は、ぬいぐるみをくわえたメスのジャーマン・シェパードが、時々尻尾を振りながら、路上をさまよっている姿をよく見ていた。後にニッキーと名付けられたその高齢の犬は、これまで飼い主と一緒に仲良く散歩している姿が目撃されていたという。
だが、その飼い主が急に亡くなってしまい、ニッキーは取り残されてしまったようだ。
ぬいぐるみをくわえて、孤独に街をさまよっているニッキーの姿は、見る者の心を痛めた。

image credit:Almost Home-NO KILL Rescue/Facebook
地元の動物救済施設「Almost Home Animal Rescue League」の共同創設者でディレクターのゲイル・モンゴメリーさんは、このように語っている。
通常、野良犬がぬいぐるみに固執することはないでしょう。野良犬は、食べ物を探して歩きまわっているので、ぬいぐるみを常に口にくわえていたら邪魔になるだけです。
でも、飼い主を失ったニッキーにとって、このボロボロになったぬいぐるみは唯一の心の支えだったのでしょう。だからいつでも肌身離さずぬいぐるみをくわえて街をさまよっていたのです。
保護された後もぬいぐるみを手放さなかった犬
ニッキーは、雨の日も晴れの日も、ぬいぐるみをくわえて街を歩き回っていたという。見かねた住人が、救済施設「South Lyon Murphy Lost Animal Recovery」に連絡した。そしてニッキーが安全に保護されるまで、食べ物と水を用意した。
施設のスタッフと動物愛好家らは、なんとかニッキーを保護しようとしたが、数日間は失敗に終わった。
やがて、ついに保護することに成功した時でさえ、ニッキーはぬいぐるみを手放すことを拒否したそうだ。
ニッキーは、お気に入りのぬいぐるみが唯一の友で、守るべきものだと信じていました。(モンゴメリーさん)

image credit:Almost Home-NO KILL Rescue/Facebook
ニッキーの治療中、ボロボロのぬいぐるみを修復
保護された後、救済施設でしばらく過ごすことになったニッキーは、いつもぬいぐるみをそばに置いて過ごした。獣医チームがニッキーを診察している間、施設のスタッフたちはぬいぐるみを修復する作業に取りかかった。
ぬいぐるみはとても汚れていて、裂け目もあり、完全に壊れた状態でした。私たちはそれを洗い、縫い合わせて、ニッキーに返しました。(モンゴメリーさん)獣医での健康診断の結果、ニッキーはフィラリアの陽性を患っていることが判明した。
検査に疲れ果てたニッキーは、新しいぬいぐるみを抱きしめると、すぐに寄り添って眠ったという。
SNSを介してニッキーにたくさんのぬいぐるみが贈られる
このニッキーの話がSNSを介して広まると、すぐに大勢の見知らぬ人たちがニッキーにたくさんの特別な贈り物を送ってきてくれた.今、ニッキーはみんなからぬいぐるみを送ってもらっています。その数はなんと100万個にも達しています!!(モンゴメリーさん)見知らぬ人たちからのニッキーへの愛が溢れ出るのを見て、モンゴメリーさんの心は温まった。

image credit:Almost Home-NO KILL Rescue/Facebook
ニッキーは今まで出会った犬のなかで、特に愛らしい犬です。
私は救助団体での活動をこれまで23年間続けていますが、ニッキーには特別な何かがあります。ニッキーのことが大好きです。(モンゴメリーさん)
現在里親ボランティアの家で新たな生活を楽しんでいる
モンゴメリーさんに救出されて間もなく、ニッキーはベテランで信用のおける仮里親の家に預けられた。 高齢のニッキーはまだ治療を受けているが元気を回復している。ニッキーは今、素晴らしい家族と新たな生活を共にしています。家族はニッキーに夢中です。(モンゴメリーさん)
現在、モンゴメリーさんは仮里親の家で暮らすニッキーの写真をSNSで定期的に更新し、飼い主になってくれる人を募集中だ。
だがモンゴメリーさんによると、このまま順調に行けば現在ニッキーを預かっている仮里親がこのまま本当の家族になる可能性が高いという。
飼い主を失って心を痛めていたニッキーが、再び幸せになることがモンゴメリーさんにとってはなによりの願いだ。
References:German Shepherd Grieving For Her Owner Roams Streets With Her Favorite Stuffed Toy/ written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
最後は笑顔になっててよかった
途中までほんとに辛そうな顔で涙溢れてたわ
2. 匿名処理班
飼い主に家族は居なかったのかな?
これから良い犬生をおくって欲しいね。
3. 匿名処理班
前の飼い主さんがどうやって亡くなられたかは記事からわからないのでその範囲で書くけど
予め次の飼い主さんやボランティア団体等にお世話の引き継ぎをお願いしておけば
少なくとも孤独な思いさせずに済んだんじゃないかなあと思う
何にしても助かってよかった
4. 匿名処理班
飼い主がペットロスになるように、ペットも飼い主ロスになることがあるみたいね
人間ならもう会えないって言葉で理解できるけど、動物はいつまでも待ち続けてしまうからいじらしくて辛い
5. 匿名処理班
フィラリア、治療できるといいね。進行状態によっては負荷がかかるけど。
歯はきれいそうだし、ちゃんとお世話できれば長生きしてくれるかも。幸せになってね。
6. 匿名処理班
盗まれた過去を探し続けて♪
俺はさ迷う見知らぬ街を♪
7. 匿名処理班
お顔が愛らしくて、その行動がいじらしいだけに、読みながら涙が止まらなかったけど、体調も回復して、新しい家族と幸せに巡りあえそうなので、ほっとしたよ。
前の飼い主がどういう亡くなり方をしたのかはわからないけど、うちの猫の命が続く限り、自分も頑張って元気に生きないとなと改めて思った。
8. 匿名処理班
>>6
むせる…(つд;)
9. 匿名処理班
犬に先に逝かれるのが常々だけど逆も・・・こうなるんだね・・・
なんでアイツ等あんなに寿命が短いんだよと悲しむことばかりだけど逆も考えてやらねばならん
10. 匿名処理班
>>3
飼い主の年齢は書いてないから若くして突然死かもしれない
そうなると準備してない人は多いかもね
11. 匿名処理班
幸せになっておくれ
12. 匿名処理班
フィラリアの治療は時間がかかるんだよね
高齢だけど何とか乗り越えてほしい
13. 匿名処理班
ペットを残して死にたくない
14. 匿名処理班
飼い主はどうしたんだ?家族はいないの?
飼い主はペットより先に死んではいけないし、もしもの時は手配しておく必要がある
15. 匿名処理班
ペットと人間の絆は美しいものだけど、自分のペットにはドライで自己中でゲンキンでいて欲しい
このわんこのように健気だとつらいよ
新しい環境で色んな人と触れ合って幸せを感じて欲しい
16. 匿名処理班
大泣きしてしまった
フィラリアをうまくやり過ごしながら幸せに暮らしてくれ
少し前に犬を亡くして喪失感と悲しみに暮れているけど、こんな思いを自分の犬にさせるのはもっと耐えられない
人生って辛いよう
17. 匿名処理班
飼い主さんも心配で心配でたまらないまま亡くなってしまったのだろうね
おともだちのぬい君も一緒でよかった
18. 匿名処理班
人間のホームレスは疎まれ蔑まれるのに犬だと気遣ってもらえる。やはりカワイイは正義ということか。
19. 匿名処理班
>>18
都会という人間のテリトリー内で動物は立場が弱いし、特に犬は付き合う人間によって幸不幸が決まってしまうからね。
20. 匿名処理班
この子めちゃくちゃ美人犬
21. 匿名処理班
ジャーマンシェパードは主人命!ってタイプの子が多いから余計切ない
持ち歩いてたぬいぐるみも、飼い主さんからもらって、一緒に遊んだ思い出の品だったのかもね
飼い主さんは一人暮らしで急死してしまって、ニッキーは保護される前に逃げ出してしまったのかしら…とかちょっと考えた
22. 匿名処理班
新しいぬいぐるみがどれだけたくさんあったって、その1個じゃないと意味がないんじゃないかな
23. 匿名処理班
ご主人…ご主人…
24. 匿名処理班
30にもなってこれみて泣いてしまった
幸せになれるみたいでよかった。ご主人もこれで安心して成仏できるだろう
25. 匿名処理班
これだけ犬が悲しむんだから元の飼い主さんとはいい絆を結んでいたんだろね
亡くなった飼い主さんも心配だっただろうなぁ
いい結末に恵まれて良かったね
26. 匿名処理班
流石に集まったぬいぐるみ100万個は多いのでは??