糖尿病の飼い主の異変を察知し、命を救った猫
 猫の嗅覚は、犬ほどではないが、人間の数万〜数十万倍はある。口の中にも匂いを感じ取れる器官があるため、人間では感じ取れないような微かな匂いを感じ取ることができるといわれている。

 そして猫には危機を察知する特殊能力を持っているようだ。過去には心臓発作を起こした飼い主を起こし命を救った猫もいたが、今回もまた猫の迅速な行動により救われた飼い主がいる。

 糖尿病を患っているイギリス在住の女性は、自宅2階で意識を失った。この異変にいち早く気付いた飼い猫が、大きな鳴き声と行動で1階にいた女性のパートナーに警告を発したことで、女性は命をつなぐことができたという。
Cat saves diabetic owner's life

飼い主の異変を感知し、命を救うための行動に出た猫ウィロー

 イギリス・リバプールに住むアマンダ・ジェイムソンさん(51歳)は、飼い猫ウィロー(メス)によって命を救われた。

 ある夜、2階で就寝したアマンダさんは、危険なほどの低血糖に陥り、意識を失った。

 パートナーのレイ・シャーウッドさん(57)は、1階のテレビの前のソファで居眠りをしてしまい、アマンダさんの状態に気付いていなかった。

 ウィローはすぐに階下に降りて、レイさんを起こそうと足を噛み、体に飛び乗った。

 ウィローのいつもとは違う尋常ではない行動に驚いて、何事かとレイさんは目を覚ました。
午前4時ごろのことでした。私の足を噛んだり飛び乗ってきたりと、ウィローが普段したことのない珍しい行動を取ったんです。

目覚めた私は、何かを伝えようとしているのだと察しました。ウィローは私を階段へと導き、階段を上ると途中で何度も振り返り、私がついて来ているか確認していました。(レイさん)
 レイさんはウィローに導かれ、アマンダさんの寝室に入ったところ、アマンダさんに意識がないことがわかり、すぐに救急車を呼んだ。
ウィローは、アマンダのベッドに飛び乗り、必死に彼女の異常を私に知らせようとしたのです。

アマンダは反応がまったくなく、どうなることかと心配でしたが、救急車で病院に搬送され、幸いにも治療を受け、回復することができました。(レイさん)

機転の利いた行動が飼い主の命を救った

 アマンダさんは、治療を施した医師に糖尿病性昏睡に非常に近い状態で危険だったと言われ、ウィローの機転の利いた行動にただただ感謝した。

 もし迅速に、適切な治療を受けることができていなければ、アマンダさんは最終的に脳の損傷や死に直面する可能性があったそうだ。
ウィローが、私の命を救ってくれたのです。ウィローは信じられないほど、素晴らしいヒーロー猫です。

私が病院から帰ってきて以来、ウィローは何かと私に気をかけ、いつも見守ってくれるようになりました。

私の口に鼻をくっつけるようにしてくるんです。きっと、私がちゃんと呼吸しているかどうかを確認しているのだと思います。(アマンダさん)
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image credit: youtube

ナショナル・キャット・アワードの最終選考の1匹に選ばれる

 飼い主を救ったウィローの行動は、今年の「ナショナル・キャット・アワード(National Cat Awards)の最終選考に残った12匹のうちの1匹に選ばれた。

 このアワードは、イギリス最大の猫福祉慈善団体「Cats Protection」が運営していて、Cat Colleagues、Family Fur-ever、Moggy Marvels、Social Star の 4 つのカテゴリーで猫を表彰する。

 ウィローは、“モギー・マーベル(Moggy Marvels)”というカテゴリーにノミネートされている。イギリスでは、モギーは多くの場合、雑種の飼い猫を示すという。

 この賞は、人間と特別な絆を育んだ猫や、感動の救助劇などで活躍した猫がノミネートされている。

 飼い主はもちろんのこと、猫好きの一般視聴者もそれぞれの猫たちの心温まるストーリーを知ることができるのを楽しみにしている。

 こちらが、最終選考に選ばれた12匹で、一番左上の猫がウィローだ。



 Cats Protectionのアワード主催者アシュリー・フライヤーさんは、次のように述べている。
猫は、人間に癒しや生きがいを与え、心と体の健康に大きく関与している可能性があります。最終選考に残ったそれぞれの猫が、飼い主に特別なものをもたらしていることは明らかです。

今年、私たちは3000匹 近くの候補猫から、わずか12匹の注目すべき猫に絞り込みました。
 というわけで、アマンダさんを救ったウィローも、その候補の1匹となっているわけだが、賞を受賞するかどうかはあまり気にしていないようだ。

 アマンダさんはウィローさんを心から愛していて、ウィローもまた、飼い主をとても大切にしているのは、今回のウィローの行動からも明らかだ。
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image credit: youtube
 ちなみに、各カテゴリーの優勝猫は、一般市民の投票によって決まる。7月17日に開催されるセレモニーで、その栄誉が発表されるということだ。

References:Willow the Cat honored as a Cat Awards finalist for saving her diabetic owner's life / written by Scarlet / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2023年05月12日 14:10
  • ID:wXMrsr2C0 #

あたちの健康で文化的な生活のためには
下僕の健康状態はとても大事なのよ

2

2.

  • 2023年05月12日 14:57
  • ID:DfheKbyb0 #
3

3. 匿名処理班

  • 2023年05月12日 15:29
  • ID:xZ75NnP00 #

愛され猫 愛され飼い主の間では素晴らしい奇跡が起こるんだなぁ・・・気付いてないだけで自分も猫に救われてたりするのかしらw

4

4. 匿名処理班

  • 2023年05月12日 16:15
  • ID:2HPusmDw0 #

猫だって仲間や家族のために力を尽くす生き物
とはいえもう一人のヒトを呼んできたらなんとかしてくれるはず!って思って行動したのはすごいね
枕元にネズミ置いておけばなんとかなるレベルではないとわかってたのか…

5

5. 匿名処理班

  • 2023年05月12日 17:18
  • ID:CJv1DWTJ0 #

猫に感謝するのもいいけれど、その前に痩せろよ。
いい年してぶくぶく太るほど無計画に飽食してんじゃない。

6

6. 匿名処理班

  • 2023年05月12日 22:29
  • ID:vJnDWKhI0 #

こんな風に命拾い出来る飼い主は極々僅か……
うちの猫は人の体に乗るのが好きで、飼い主が倒れた時もいつものように上に乗り苦しむ顔を観察してきた
あの時の「え、どうしたのコイツ」という顔が忘れられない……凄く落ち着いててどこか無機質にも感じる瞳だったな
そんなところも好きなんだけどな

7

7. 匿名処理班

  • 2023年05月13日 04:16
  • ID:g10ONB7N0 #

>>5
写真の写りで下半身が太ってるように見えるが
高齢で座ると足の筋肉が垂れて広がってるだけで
顔はほっそりしてるし大して太ってないよ、この人
それに先天的な糖尿病の人もいるんだよ

8

8. 匿名処理班

  • 2023年05月13日 07:20
  • ID:au4ohsp60 #

>>6
それは信頼関け……エヘンエヘン、これ以上は言うまい

9

9. 匿名処理班

  • 2023年05月13日 20:56
  • ID:Ob8E4GnF0 #

うちの猫,録祐屬階段から落ちた時なんかめっちゃ心配してくれる
猫△呂覆爾嬉しそうに部屋を走り回る

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