ボストンマラソンの公式マスコット犬、オスのゴールデンレトリバー「スペンサー」が2023年2月17日にこの世を去った。13歳半だった。
スペンサーは、毎年必ず会場を訪れ、沿道で熱心にランナーを見守る姿が世界中に知られるようになり、公式犬と認定された。
スペンサーが亡くなった2か月後の4月17日、ボストンマラソンの会場には100匹以上のゴールデン・レトリバーと飼い主たちが集まった。
それはスペンサーとその1週間後に亡くなった彼の妹の追悼会であり、彼らの代わりに、彼らが大好きだったボストンマラソンを見届けるためだ。
VIDEO NOW: Golden retrievers gather in Boston
ボストンマラソンを熱心に応援し続けていた犬
リッチー・パワーズさんの飼い犬で、ゴールデン・レトリバーのスペンサー(オス)は、過去9年にわたり、地元ボストンでのマラソンを熱心に応援してきた。スペンサーは、アッシュランド州公園近くのマラソンルートの同じ場所で、「ボストン・ストロング」と記された旗を口にくわえて、ランナーをサポートすることが好きだったという。
2018年には、雨降る中、旗をくわえてランナーたちを応援する姿が、多くの人々の感動を呼んだ。
病と闘いながらもランナーを応援、公式マスコット犬に
何万人もの人々が走り過ぎていくのを見届けていたスペンサーだが、病を発症し、複数のがんを患いながらも、闘病しながらマラソンを応援し続けてきたという。コロナパンデミックと、がんとの闘病中、スペンサーは2年半の休みを取ったが、病を克服し、2021年には再びいつもの場所でランナーを応援した。ランナーたちはスペンサーの応援に癒され、途中で頭を撫でに来る者もいた。
そして2022年のマラソン大会前、スペンサーはボストンアスレチック協会から「第126回ボストンマラソンの公式犬」に認定され、メダルを獲得した。
しかし同年、1.6kgの腫瘍を摘出する手術を受けた後、スペンサーの容態は徐々に悪化。2023年2月17日、13歳半の生涯を閉じた。
飼い主が深い悲しみをSNSでシェア
飼い主のリッチーさんは、SNSでこのようにスペンサーの死を悼んだ。スペンサーは、最期の日に”さつまいも”のおやつを食べ、水を飲み、訪問者と会うのを楽しみました。
獣医が到着する頃にはスペンサーの気力は失われていて、家族の腕に抱かれて旅立って行きました。
私たち一家は、スペンサーの死に大きく打ちのめされています。スペンサーのことを知った多くのファンの方々からは、愛と前向きなエネルギーをたくさん頂きました。
スペンサーを応援してくださったみなさん、ありがとうございます。
ボストンアスレチック協会は、スペンサーの死を受けてこのような声明を発表した。
私たちの最も親愛なるボストンマラソンサポーターの仲間であるスペンサーを失ったことは、大きな悲しみです。
スペンサーは、雨の日も風の日も、気象条件に関係なく走るアスリートたちのゆるぎない精神を励ましてくれた存在でした。
2022年にボストンマラソンの公式犬として認定したことを光栄に思います。そして心よりお悔やみ申し上げます。
その1週間後、妹のペニーも旅立つ
スペンサーを失った悲しみが癒えない中、飼い主一家は再び深い悲しみに襲われた。スペンサーの死から8日後の2月25日に、スペンサーの妹であるペニー(メス、11歳)が旅立ったのだ。
リッチーさんは、再びSNSでペニーの訃報を伝えた。
スペンサーの死のわずか1週間後にペニーまで失うことになるとは、私たち家族にとって悲しみ以上の衝撃となりました。リッチーさんによると、ペニーの腹部に液体が溜まっていることがわかり、地元の動物救急治療室へ連れて行ったところ、脾臓(ひぞう)に腫瘍があることがわかったという。
さらなる検査で、悪性腫瘍が肝臓に広がっていることが判明し、獣医には「手術をしなければ、12時間以内に死ぬ可能性が高い。だが辛く長い手術をしたとしてもすでに手遅れの状態である」と言われたそうだ。
苦渋の決断で、ペニーを安楽死させることにした一家は、SNSで辛い心情を伝えると同時に、2匹の犬の多くのファンに感謝の言葉を綴った。
1週間の間に2匹の素晴らしい犬を失い、この悲しみに対処できません。
ペニー、どうか安らかに。今頃天国で、ソウルメイトのスペンサーとフリスビーやボールで楽しく遊んでいることでしょう。
あなたたちは永遠に私たちの心の中にいます。
2頭の追悼のために100匹以上のゴールデンが集合
2匹のゴールデンの死のニュースは、多くの人の心を痛めた。マサチューセッツ州のゴールデン・レトリバー・コミュニティグループ『MA Golden Meetups』共同設立者のエリーシャ・ビュシェールさんは、スペンサーに続いてペニーが旅立ったことを知り、大きなショックを受けた1人だ。
2匹を知るみんなが、この訃報を悲しんでいました。そしたら、私たちのメンバーの1人が、「スペンサーの代わりに私たちが代表となって、今年のマラソンを応援しましょうよ」と提案したのです。127回目のボストンマラソンが開催された4月17日、100匹以上のゴールデンたちと飼い主らが、ボストンマラソンのルートとなるボストンコモンに集合した。
それはいいアイデアだわと、マラソン前日に集合することになりました。
Golden retrievers gather at Boston Marathon finish line to honor beloved therapy dogs l GMA
犬たちは、みな「ボストン・ストロング」と記されたバンダナを巻いて、スペンサーとペニーを悼みながら、ボストンマラソンのゴール地点近くを一緒に歩いた。
そこには、リッチーさんの姿もあった。
リッチーさんは、「愛犬2匹の亡き後でも、多くの人がこんなふうに追悼を示してくれることに深く感謝している」と感無量の様子で、マラソンイベントが無事に終了したことを喜んだ。
ちなみに、販売された「ボストン・ストロング」のバンダナ1個につき 1 ドルが、モリス動物財団の犬の癌研究に寄付されたという。
References:Golden Retrievers Gather at Boston Marathon Finish Line to Honor Late Canine Race Fan/ written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
どの犬も嬉しそうに尻尾振ってるけど
人見知り(犬見知り)する子はいないのかな〜
3. 匿名処理班
🐶「みんな同じ顔だぜ?」
4. 匿名処理班
涙腺崩壊注意って書いてくださいよお!
5. 匿名処理班
悪性新生物・腫瘍は、ゴールデンR唯一の問題ですからね。財団の研究で良い遺伝子治療方法が確立されることを祈ります。(もう本当、祈るくらいしかできない)
スペンサーとペリーに合掌。集まったみんなに拍手。
6. 匿名処理班
アメリカのこういうところ本当に好き
スペンサー&ペニーが安らかでありますように
7. 匿名処理班
>>3
マズルの太さ長さ
タフタフのタフ具合
目の位置 形 大きさ
額の形 頭の形
耳の位置 形 大きさ 全部違うの❗️
うちの子が1番可愛いの‼️