メインコンテンツにスキップ

火星での食事はプラスチックごみから作られるかもしれない。NASAの食品技術専門家は語る

記事の本文にスキップ

42件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 そう遠くない未来、火星に移住した人類は、プラスチック廃棄物から作られた料理を食べるかもしれない、と聞いたらきっと驚愕するだろう。

 昆虫食霜降り培養肉など、世に代替食品は数あれど、プラスチックを原料にした食事はこの世でもっとも過激なものに思える。

 だが地球のようには調理が難しい宇宙では、私たちの常識などの通用しない。

 長期ミッションを遂行する宇宙飛行士の食と健康を守るべく、NASAの3D食品技術専門家は、プラスチックを食べ物に変換するという大胆なソリューションを考案している。

バイオの力でプラスチックを食品に

 そのプラスチックから食品を作るデバイスは業界向けの見本市「Consumer’s Electronic Show 2023」で発表された。

 開発しているは「Beehex社」で、NASAの起業家でエンジニアでもあるアンジャ・コントラクター氏が設立した、食品用3Dプリンター企業だ。

 その機械はどうやら貨物を収めるコンテナを流用したものらしく、コントラクター氏は「ここにあるのは輸送用コンテナですが、中身はまるで違います」と語っている。

 同氏の説明によると、プラスチックから食品を作るには、このコンテナにプラスチックごみを入れるのだという。すると、それらは破砕されてから「バイオリアクター」に投入される。

 バイオリアクターとは、動植物細胞や微生物など生体の触媒を使って物質の合成や分解を行う反応器のことだが、このバイオリアクターにはエンジニアリングされた特殊な人工細菌がいる。

 その特殊な細菌がプラスチックを食べることで、人間が食べられるバイオマスを生成するという。

 このバイオマスを利用して、さまざまな食感や形状を作り出すことができるというのだ。

この画像を大きなサイズで見る
貨物コンテナのようなバイオリアクターでプラスチックを食品に転換 / image credit:Sade Agard/Interesting Engineering

まずは地球で、そこから宇宙へ

 だがプラスチックを食品に転換する機械なら、宇宙だけでなく、地球上の食糧問題の解消にも役立つだろうことは容易に想像される。

 その有用性には米国政府も注目しているようで、この開発プロジェクトは国防高等研究計画局「DARPA」から資金提供を受けているそうだ。

 そして、コントラクター氏が最初の市場として狙いをつけているのも地球上だ。

 「このコンテナが最初に使われるのは、FEMA(連邦緊急事態管理庁)や難民キャンプのような食糧が不足している現場の救援活動になるでしょう」

 初期の顧客となるのは、米軍や、国連などの世界中の政府機関だ。コントラクター氏は、その市場は、5億~10億ドル(660億並~1320億円)ほどと見積もっている。

 宇宙に進出するのはそれからだ。そのためには宇宙船や宇宙ステーションにも搭載できるような小型の部品を開発する。

 「とにかく軽量でなければなりません。このプロジェクトは2026年から2027年までには始まると思います。最初のものは月面に設置されるでしょう」

この画像を大きなサイズで見る

 食糧危機が予測されていることから、様々な代替え食品が誕生している。昆虫食や大豆を利用したソイミート、培養肉はすでに生産されている。

 その選択肢に、プラスチックを食べた細菌が生み出した食品が加わることとなるわけだ。選択肢は多ければ多いほうがいいが、なかなか究極の選択だ。

References:Meals on Mars to be made from plastic waste, says NASA-affiliated 3D food tech expert / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 42件

コメントを書く

  1. 未来少年の方のコナンでは
    ダイス船長が集めてきた廃プラスチックから食パンが生産されてましたねえ

    • +14
  2. 「マーガリンは食べるプラスチック」っていうあの風潮は今どうなっているんだろう
    とりあえずまだパンに塗っているけど

    • 評価
    1. >>2
      プラスチックが可塑性という形容詞であるそうですぞ
      味噌だって食べるプラスチック!

      • -2
    2. >>2
      昔からそういう刺激的な物言いで、大衆を誘導したがる活動家はいるもんでね。

      • 評価
      1. >>24
        製造工程がプラスチック製造現場そのものという事実はあるから、刺激的というより事実をありのままというのが実態かと
        その食品が安全かどうかは別の話

        • +1
    3. 採用されるかわかんないけど
      これを食べてでも火星に行きたい人はいるだろう
      いろいろ試してほしい、何かの役に立つはず

      例えばアジアのいくつかの国はプラゴミを受け入れてきたが、コストが下がればこれを使い家畜の飼料生産とか
      ただ難民の食事はコレだけにならないように、あらたな差別や虐待といわれそう

      >>2
      企業努力により日本で製造されているマーガリンはこの10年で安全になりました
      「100gのバターには1.9gのトランス脂肪酸が入っていますが、同じ量のマーガリンには0.99gしか入っていません。」とのこと(某メーカーの啓蒙ページより)

      • 評価
      1. >>36
        >企業努力により日本で製造されているマーガリンはこの10年で安全になりました
        さりげなくこの企業ヤベーこと言ってるような気がするんだけど
        あ-、より安全になってるってことか…な

        • -1
        1. >>38
          言ってることは「バターより安全」
          トランス脂肪酸を理由に叩かれたのだから
          それが生じない努力を続けた結果、本物を凌駕したという話

          • +2
  3. そういえば、宇宙戦艦ヤマトの食事は…

    • 評価
    1. >>3
      たぶんリサイクルですよ
      その方が現実的だし

      • +1
      1. >>16
        北上ミドリ「みんな身内に甘すぎ、誰のおしっこかも分からない再生水と同じ。清めればいいと思ってる」

        • +1
      2. >>16
        宇宙戦艦ヤマトはう○こをリサイクルしてるの?

        • +1
        1. >>25
          リメイク版の劇中セリフ
          「知らない方が幸せだと思うよ」
          なので、いろいろとあるんでしょうw

          • 評価
  4. インダストリアの合成パンってマジで作れる物だったんか

    • +9
  5. 宇宙とか火星とかは別としてプラスチックから食品ならすごいと思う
    俺がド素人だからか、なんか所々香ばしいと感じてしまうのは気のせいか
    日本語訳の都合もあるだろうが言っているセリフがもろにそれなんだが
    ちなみに火星への移住は課題だらけで難しいと思いますよ

    • -3
  6. なぜわざわざプラスティックを火星に運んで、それから食糧を生産するんだ?

    何考えてんだ?

    • -5
    1. >>7
      ・安価
      ・軽量&必要十分な強度
      ・基本生活内での腐食耐性
      ・加水分解をほぼしない

      使用可能用途が広くて現代社会では右も左もプラスチックを使っているのだ!
      しかも食品や食品以外を含めて梱包材としてプラ以上の素材って何かあるのかってレベル
      だからプラを運ぶわけではなくて、食品容器などのプラも捨てるのではなく加工して食材に変えるって事

      • +4
  7. DARPAが一枚噛んでるならただの狂人の空想の可能性は低くなるな…。
    2つ前のクマムシソルジャーと言い、我々はとんでもないパラダイムシフトを目の当たりにしているのだろうか?

    • +2
  8. 建物は芋で作って、食べ物はプラスチックで作るのか

    • +4
  9. プラスチックは、生物を構成する物質に近いからね
    積極的に食べたいと思う物でもないし、普通には近いゆえに似て非なる栄養源となって害あるだろうから、食品にはならないだろうけれど、宇宙空間みたいな所なら当然アリになるよね
    ポリエチレンはロケット燃料にもなるし、持っていく物はこれ一つあれば色々な必要物資に変換できるなら、当然のように研究されるという事なんでしょうね。

    • +2
  10. 動植物の死骸…石油…プラスチック…って考えたら確かになぁ

    • +2
  11. 世の中のあらゆるものが118種類の元素の組み合わせによって構築されていると考えれば、金属だろうがプラスチックだろうが食べ物だろうが元素の組み換えさえできればどんなものにでも変換できるはずよね?
    ただ今回のような変換方法でプラスチックを構成する元素から食べ物の元素の組み合わせを正しく再構築できるのかが気になる

    • +2
  12. じゃあ、洗顔料に入っている粒々とかのマイクロプラスチックは人体に有害どころか有益なんだね!

    • -5
    1. >>14
      それは有害だからと問題視されてるじゃないですか

      • 評価
    2. >>14
      なんで直接プラスチックを摂取する話になってるのか。
      培養肉や昆虫食へのヒステリックな反感と同じ流れかな。

      • +2
      1. >>30
        ・食料を運ぶときにプラスチックケースを使う
        ・ケースの容量が全体の10%程度を占めると仮定する
        ・ケースを食用可能に変化できるのは50%程度と仮定する

        この雑仮定だと1tの食料を運ぶときに100kgが容器の重量で、100kgのうち50kgを食料にできればゴミも減るし、食料も確保できる
        また培養肉や昆虫食は培養・飼育する環境が確立できるほど火星を発展させないといけない
        とくに昆虫食は昆虫を生育させる程度の「余裕」が存在しないと無理
        昆虫を飼育する空間や昆虫の食料を運搬する余裕ができるならばやるだろうけど、初期段階ではその空間と重量は別のことに使った方がよさそう

        • 評価
  13. 火星にプラスチックがあるのか?
    昆虫も居るのか?
    そもそもそれは火星じゃなくて地球のことじゃないのか?
    地球だとしてもずっと先だと思うが

    • -1
  14. とうもろこしから作るプラスチックの真逆をやるのかな?と思ったけど
    違うのか うーむ奥が深い(w

    • 評価
  15. 何でも炭素には違いない。
    微生物からしたら、プラスチックは高級な肉に等しいけど、食べると高級すぎて人間で言うと胃もたれが起きてしまうのでなかなか分解できないんだとか。
    こういった事から発想してるんだろうなとは思う。

    • +1
  16. 未来少年!と思ってら既にたくさん書かれていた
    やはりここの皆んなは信頼の置けるお友達のようだな

    • +2
  17. 核戦争で余計な人類の数減らした方がよさそう

    • -4
  18. もしそのような過酷な環境で食料を確保する状況なら
    人体ももちろん食料として再利用されると思うよ

    • +1
    1. >>28
      排泄物と亡くなった人をリサイクルすれば
      わざわざ別な資源を用意する必要が無くなりますよね

      • 評価
  19. 培養肉とか遺伝子組み替え食品に抵抗ない方はご遠慮なくどうぞ。

    って事だよな。安全性がはっきりわかってもいないものにもう安心しきってるもんね。

    • -1
  20. っていうか、プラスティックを直接食糧にするよりも、とりあえず分解可能な有機物にして野菜の肥料にでもした方が楽なんでは?

    • 評価
  21. 腎臓病リスクw悪くなった腎臓はまだIPS細胞で再生可能になったニュースは聞かないなあ。人工食料の危険性について各自調べた方がいいよ?(身近な所では人工甘味料とか遺伝子組み換え大豆とか)
    日本のユルい規制は闇だねえw

    • -2
    1. >>41
      多分、プラスチック由来の有機物は炭水化物が主な生成物なんじゃないかな?
      足りないビタミン ミネラルは錠剤を呑むか粉にして添加するんじゃない?

      • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。