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毎日11分の早歩きが病気になるリスクを減らすという研究結果

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(著) (編集)

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 100歳まで生きようとは思わなくても、健康寿命は伸ばしたい。そう思うなら早歩きが良いそうだ。

 ケンブリッジ大学の研究チームによるなら、一般に推奨される運動量の半分でも十分健康的になるという。つまり、軽く息が弾むくらいのウォーキングを、1日に10分ちょっとするだけでいい。

 それだけで、心臓・血管系の病気やがんになるリスクを十分に予防してくれると、『British Journal of Sports Medicine』(2023年2月28日付)に掲載された研究で紹介されている。

主な死因を予防するための適切な運動量を体系的に調査

 世界的にみると、人の主な死因は、心臓病や脳卒中といった「心血管疾患」と「がん」だ。たとえば、2019年には1790万人が前者で死亡し、2017年には960万人が後者で死亡した。

 幸いにも、どちらの病気も日頃から適度な運動をすることである程度予防することができる。

 世界保健機関WHOのガイドラインでは、中強度の有酸素運動なら週に150~300分、高強度なら週75~150分を推奨している。

 だがこうしたガイドラインの裏付けである研究は、それ単体では十分な証拠を提示することができていなかったり、研究によって異なることもある。

 そこでケンブリッジ大学をはじめとする研究チームは、そうした研究を体系的にレビューすることで、本当のところはどうなのか確かめてみることにした。

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photo by Pixabay

WHOのガイドラインを満たす運動を行っている人は少ない

 対象となったのは合計3000万人分のデータが含まれている196本の関連論文だ。これをもとに「運動」「心臓病・がん」「死亡リスク」の関連が分析された。

 その結果、まずわかったのは、仕事中の運動を除けば、中強度の運動を150分以上できている人は全体の3分の1しかいないことだ。これが週300分以上になると10人に1人もいなかった。

1日11分程度の早歩きで十分に効果あり

 そして運動嫌いな人には、いくつか朗報がある。

 1つは、普段運動をしない人ほど、その健康効果は大きいということだ。

 運動はすればするほど健康効果が大きくなるが、週150分以上運動するようになると、健康効果の伸びがだんだんと鈍り始めるのだ。

 もう1つの嬉しい知らせは、ガイドラインの半分でも十分健康的であることがわかったことだ。75分の運動でも、なんと死亡リスクが23%低下するのだ。

 つまり1日11分程度の早歩きで十分クリアできる。

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photo by Unsplash

 病気の予防効果を見てみると、心血管疾患の発症リスクなら17%、がんの発症リスクなら7%低下する。

 ちなみにがんの場合、種類によって運動による予防効果はかなりばらつきがある。

 特に効果的なのは、「頭頸部がん」「骨髄性白血病」「骨髄腫」「胃噴門部がん」で、発症リスクが14~26%低下。一方、「肺がん」「肝臓がん」「子宮内膜がん」「大腸がん」「乳がん」などは3~11%の低下だった。

 ケンブリッジ大学のゾーレン・ブラゲ博士はこう説明する。

中高度の運動を週に150分なんてキツイという人には、朗報でしょう。少しの運動でも何もしないよりマシです。週75分ならイけるなと思ったら、少しずつ増やしてみるのもいいでしょう

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photo by Pixabay

無理せずできる運動

 なので無理せず、できることから始めてみよう

 なお、ここでいう「中強度の運動」とは、心拍数が上がり、息が弾むが、会話はできるくらいの運動のことだ。

 例としては、次のようものがある。

・早歩き
・ダンス
・自転車
・テニス
・ハイキング

 なお調査対象となった参加者が全員、中強度の運動を週150分以上行っていた場合、6人に1人の早死にが防がれたはずだという。また9人に1人の心血管疾患を、20人に1人のがんを予防できた。

 これが週75分だったとしても、10人に1人の早死にを防ぐことができた。心血管系疾患なら20人に1人、がんなら30人に1人の発症が防がれたはずだ。

 週150分の運動よりは劣るが、それでもまずまずの健康効果だ。

 クイーンズ大学ベルファスト校のレアンドロ・ガルシア博士は、「スポーツやランニングなど、よくイメージされるような運動でなくていいのです」と語る。

 たとえば、歩きや自転車で学校や職場に通ったり、子供や孫と元気に遊んだり、そんなふうに普段の生活をちょっと変えてみるだけでも十分とのことだ。

References:Non-occupational physical activity and risk of cardiovascular disease, cancer and mortality outcomes: a dose–response meta-analysis of large prospective studies | British Journal of Sports Medicine / Daily 11-minute brisk walk is enough to reduce risk of early death, say researchers / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 10件

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  1. 東京や都会の人たちは急ぎすぎてるくらいに歩くスピードが速いと聞くが体に良かったんだな。
    そりゃそうか、軽い有酸素運動みたいなもん?

    • +3
  2. 糖尿で教育入院した人が1日10分の早歩きで十分と教わったらしいけど本当みたいだな

    • +4
  3. 補足
    起き抜けに11分、走ると苦しいでしょう。

    • +2
  4. 能勢さんて人が「インターバル速歩」に関する書籍を出してるよ。

    • -1
  5. こういう1日○○だけを集めて究極の健康生活を教えてくれ
    勿論実践するつもりはないが興味はあるんだ

    • +3
  6. 「大きな歩幅での早歩き」は認知症発生のリスクを大幅に下げるのも有名だよね。

    神経細胞が死滅しても新たな神経回路を作り出し、神経機能の維持改善をし続けることによって脳の萎縮を防げるとか。
    一番重要なのはその歩幅で、狭い人は広い人に比べて認知機能低下や認知症発症のリスクが3倍以上高くなってしまう研究結果がある。(認知症 早歩き 歩幅 でググってみてね)

    中年期の運動が高齢期の発症に大きく関わるらしく、自分もそれを知ってから毎日の通勤で大股早歩きを実践してたけど、リモート開始でほぼ歩かなくなったのでどうしたものかと思っていたところ。

    • +8
  7. これ逆に言うと11分の早歩きすらしないような、まったく運動しない人は病気になるリスクが高いって話だよね?

    • +2
  8. 数年前に諸事情で徒歩生活になったら、競歩選手ほどじゃないけど歩く速度がめっちゃ速くなったわ

    徒歩ってめんどくせぇ、ダルい、疲れる、時間がかかる って最初は思ってたけど、徒歩生活の教訓として 「人間は自分が思ってるよりも、ずっと環境に適応する能力がある」ということ。 2週間くらいで慣れたわ

    ①めんどくせぇ ←めんどうでも歩くしか手段がないので諦めるしかない

    ②ダルい ←これもすぐに慣れる。疲れるのは最初だけ。徒歩という行為に慣れると、下半身が自動運転みたいになって勝手に動く。嘘みたいだけど、これはマジ 
    仕事でも動作に慣熟すると身体が覚えて、半自動的に身体が動くじゃん。それも高速、高精度に。あれとほぼ同じ。 自分の意思で歩いてるというより、下半身という乗り物に上半身という別の生き物が乗ってる感じ。 全自動歩きマシンに乗ってるだけなんで、全然苦にならないし。  むしろ車バイクに乗ってるほうが、スピード出してるし、集中して情報処理するので精神的に疲れる。あと乗り物は振動で疲れるので、歩いてるほうがむしろ疲れない。
    嘘みたいだけど、8時間歩き続けるより、8時間車運転するほうが疲れるぞ。経験者言うんだから間違いない。車やバイクは全然楽じゃねぇ、ハンドル握って座ってるほうが疲れるわ。

    ③疲れる ←疲れない。疲れるのは変な靴を履いてるか無休憩で数時間歩き続ける場合。 日常生活で継続で2時間以上歩くのは稀。 徒歩と立ち仕事の疲労は全く別。低負荷で規則正しいリズムで反復される動作って殆ど疲れないんだよ

    ④時間がかかる ←慣れである程度早くなる。これは万物の真理だ。人間の動作は慣れでだいたいどうにかなる

    人間って必要に迫られないと何もしない生き物だからな、逆に言えば迫られるとやらざるを得なくなる。そこで得る知見というものもある。 徒歩って面倒で敬遠しがちだが、そんなに悪いモンでもないぞ
      

    • +4
  9. ウォーキングはフィジカルな健康だけでなくメンタルヘルスにもいい
    かのスティーブジョブズは、深い思考をしたい時は必ず散歩をしたという

    暖かくなってきたし、また音楽聴きながら散歩したいな

    • +1
  10. ティク・ナット・ハンは「ただ歩く」瞑想を指導してたが

    誤解してる人が多いが、
    瞑想って「無になる事」じゃなくて

    流れ行く想念をただ眺め、気づいて、執着せず手放す、その繰り返し、だから

    確かに散歩中は、そんな状態になってる
    散歩は、歩く瞑想

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