
超大質量ブラックホールは、太陽の10万〜100億倍の質量をもつブラックホールで、銀河の中心にあると考えられている。
2021年に公開されたこの画像には、そんな怪物が25,000個も映っている。
つまりは、ヨーロッパにも匹敵する巨大な電波望遠鏡によって作られた、史上最高に詳細なブラックホールの地図なのだ。
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ブラックホールから放たれた超低周波の電波をとらえて可視化
光すら逃げられないと言うだけあって、何もしてないブラックホールを見つけるのは難しい。その存在を示す放射線を出さないからだ。一方、ブラックホールが貪欲なまでに物質を飲み込んでいる最中には、その周囲にある塵やガスの円盤から強力な放射線が放たれる。
天文学者がブラックホールの存在を知ることができるのは、こうした複数の波長でなる放射線があるおかげだ。
そして今回の画像は、ブラックホールから放たれた超低周波の電波を、オランダにある電波望遠鏡「LOFAR」でとらえて可視化したものだ。

じつはLOFARはたった1つの電波望遠鏡ではなく、電波望遠鏡のネットワークだ。
ヨーロッパ9か国に広がる52か所に約2万個のアンテナが設置されており、その観測データを統合することで、単一の電波望遠鏡として機能している。
現時点で、100メガヘルツ以下の低周波数電波を高解像度で撮影できる唯一の電波望遠鏡ネットワークである。こう言えば、今回の画像のすごさをわかってもらえるだろうか?

北の空に25,000個もの超大質量ブラックホール
この画像は、北天全体を超低周波電波で撮影する「LOFAR LBAスカイサーベイ」というプロジェクトの一環として撮影されたもの。そこに映るのは、北天の4パーセントくらいの範囲だ。
ヨーロッパに匹敵するほど大きなLOFARだが、地上にあるので、地球の「電離層」といういわば”遮光カーテン”をどうにかする必要がある。
とりわけ5メガヘルツ以下の超低周波電波は、せっかく地球に届いても電離層に反射されてしまう。そのうえ、ここを通過できる周波数であっても、大気の状態に大きく左右される。
そこでLOFARがとらえた観測データは、4秒ごとにスーパーコンピューターで電離層の干渉を補正し、画像として出力される。その結果が、この澄みわたるような超低周波の空だ。
ライデン天文台の天文学者ヒュップ・ロッテリング氏は、「長年にわたるソフトウェアの開発を経て、ついにうまく機能してくれたので、とても素晴らしいことです」と、当時のプレスリリースで語っている。
この研究は『Astronomy & Astrophysics』(2021年4月22日付)に掲載された。
References:The White Specks in This Image Aren't Stars or Galaxies. They're Black Holes : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
まさかの宇宙は底なし沼の穴だらけ
2. 匿名処理班
銀河の中心にはほとんど大質量ブラックホールがあると言われている
ハッブルディープフィールドのように今まではたくさんの銀河を見ることは出来ていた
今回はその今まで見ていた銀河のさらに中心のブラックホールにまでデータの加工修正を施して見ることが出来たということか
3. 匿名処理班
太陽系には知的生命体いそうに無いから
この銀河を調べて欲しい
探査機送ってくれ
何年かかるか知らんけど
4. 匿名処理班
よし、今日は体外離脱して宇宙に行くぞ
5. 匿名処理班
スターウォーズでも言ってたけど、そりゃちゃんと航路を計算しないとエライ事になる訳だよ
6. 匿名処理班
ブラックなくせにホワイトなフリしやがって
7. 匿名処理班
いい加減なんかの名言を雑に使うのやめろよ
8. 匿名処理班
こんだけ穴だらけなのに俺が入れれる穴がない
9. 匿名処理班
ブラックホールは1個だと思ってました(ヽ''ω`) 多分アニメのせい・・複数なんて描写されないし・・
10. 匿名処理班
999にも宇宙船も存在はしてるが、ブラックホールとか隕石の
ような不純物の多さで、事故の可能性も多く銀河鉄道のように
安全に行ける宇宙航路がまだ主流というのがこの写真見ると
わかるな
11. 匿名処理班
ヨーロッパに匹敵する電波望遠鏡という文言が説明なしに出てきた時には、ヨーロッパに匹敵するのが望遠鏡なのか、ブラックホールなのか、地図なのか混乱して読むのを挫折しそうになりましたわ。
12. 匿名処理班
あーやっぱり電離層の問題が出てくるか
そーだよなー地上が昼間の時はD〜F2層まで有るし夜でもE〜F層までの
電離層が電波を反射しちゃうからなー
電離層を突き抜けてくる50MHz以上の周波数でないと観測が難しいからな
13. 匿名処理班
>>1
全天の 4% で 25,000 個ってことは単純計算で全天では 60 万個を超えるってことで、宇宙背景輻射の揺らぎとかにも影響してそうとか思っちゃった。
あと、 100MHz で低周波なのかーと、ちょっとびっくりです。まぁ確かにパソコンとか利用する周波数帯でも GHz だし、光になると THz だしと思えば低周波ですけどねー。
14. 匿名処理班
> 星や銀河に見えるだろ?でもこれ全部ブラックホールなんだぜ。その数なんと25,000個
南十字星「ブラっちゃん……南をホワイトホールに連れて行って」
15. 匿名処理班
このブラックホール達は地球からどのくらいのところにあるのかな。
まぁ、近所だったらのんきに「見えた!見えた!」って言ってられないんだろうけど。
16. 匿名処理班
なんとなく閃いたけど、宇宙の外側とブラックホールは同じモノかも。内部からも次第に泡が萎んでゆくように、徐々に元の姿に戻って行くような気がする。
17. 匿名処理班
なんか左の方にある1個から放射状に線が伸びてない?
18. 匿名処理班
>>3
太陽系から一番近い恒星までだいたい4光年
現在までの人工衛星で最速が光速の0.023%くらいなのでざっと光速の4000分の1くらい
なので一番近くの恒星に行くのにも現状最速で16000年くらいかかります
無理でーす
19. 匿名処理班
宇宙がブラックホールだらけなんてのは今更じゃないか
それだけいっぱいあればダークマターってブラホのせいじゃねって言われる