メインコンテンツにスキップ

ティラノサウルスは賢かった。霊長類に匹敵する知能を持っていた可能性があるとする新説

記事の本文にスキップ

27件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 大型の肉食恐竜として恐れられていたとされるティラノサウルスだが、その生態は未解明な部分も多く様々な説が飛び交っている。

 これまで、力は強くてもあまり賢くはないとされていたが、新たな研究によると、もしかしたら現代の霊長類(サル)と同等の知能があったかもしれないという。

 まあそれが言い過ぎだとしても、少なくとも脳細胞の数なら、サルに匹敵していた可能性があるそうだ。

 『Journal of Comparative Neurology』(2022年12月15日付)に発表された研究によれば、なんとティラノサウルスは道具を使っていたとすら考えられるらしい。

知能に関連するニューロン密度が高かったティラノサウルス

 この研究では、現代の鳥とは虫類のデータから、脳の質量とニューロン(神経細胞)の数との関係を推定し、ティラノサウルスの大脳にどれだけニューロンがあったか試算した。

 それによると、ティラノサウルスの343グラムの脳には、およそ30億個の大脳ニューロンがつまっていたと考えられるという。

 さらに同じティラノサウルス科に分類されるアリオラムスの脳は73グラムで、10億個のニューロンがあったと推定される。これは現代のオマキザルに匹敵する数だ。

この画像を大きなサイズで見る
photo by Lothar Dieterich / Pixabay

道具すら使えた可能性、巨大で知能が高く、寿命が長い優れた捕食動物

 もしこの数字が賢さを反映しているとすれば、こうした恐竜は「ただ巨大だっただけでなく、寿命が長く、柔軟な認識力があり、これまでの想定よりずっと優れた捕食動物だったことだろう」と、論文では説明されている。

 ゾウ並みに大きく、二本足で俊敏に動き回り、マカクやヒヒのような認識能力まであったのだとすれば、きわめて優秀なハンターだったろうことは疑いない。

 エルクラーノ=アウゼル氏の主張は、いくつかの仮定を前提としたかなり大胆なものだ。

 それでも彼女は、ティラノサウルスはかなり早く大人になり、40年以上長生きし、さらに道具すら使い、そうした知識を仲間に伝えるだけの知能があったと述べている。

 彼女によれば、ティラノサウルスには「道具を使い、文化をつちかう現代の鳥類や霊長類に匹敵する認知能力があった」のだという。

この画像を大きなサイズで見る
photo by Lothar Dieterich / Pixabay

絶滅した動物の知能を知ることは可能なのか?この説に否定的な声も

 一方で、何人かの専門家から懐疑的な声があがっている。

 例えば、英ブリストル大学の古生物学者テス・ギャラガー氏は、「知能というだけで研究はむずかしくなる。行動を観察することもできない絶滅種の知能なら言わずもがな」と批判する。

 ティラノサウルスの知能が想像より高かった可能性は彼も否定していないが、道具まで使ったというのはさすがに言い過ぎだという。

 また専門家の間で多かった批判として、頭蓋骨の大きさが必ずしも脳と同じとは限らない点も挙げられている。

 今回の研究では、頭蓋骨の化石のCTスキャンから脳の大きさが推定されている。

 これはティラノサウルスの頭蓋腔が脳でいっぱいだったことを前提としているが、じつは彼らの脳は頭蓋の3割から5割程度しか占めていなかったという研究もある。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:Jill White / Pixabay

 さらに知能の指標としては、脳の大きさや細胞の数よりも、脳のシワやシナプス結合などの方が重要であるという意見も多い。

 例えば、カラスはとても頭が良いことで有名だが、脳自体は小さい。ニューロンの数もヒヒより少ないが、それでも認知的作業をやらせるとヒヒよりも優れている。

 こう指摘する独デュースブルク・エッセン大学の動物学者カイ・キャスパー氏は、「動物の心はニューロンの数で決まるのではなく、その結合がキモなのかも?」と話す。

 骨と違って、柔らかい脳は残らない。それも恐竜の賢さを知る難易度を上げている要因の1つだ。

 エルクラーノ=アウゼル氏は、脳の大きさからからニューロンの数を推定する方法は、さまざまなほ乳類・鳥類・非鳥類恐竜で用いられてきた確かな手法であると主張する。

 その一方、この方法では脳を脳細胞の「均質なスープ」にしてしまうとも指摘する。実際の脳はそう単純ではなく、いくつかの層が重なったような組織だ。

ティラノサウルスは社会的な動物であるという説も

 だがティラノサウルスが道具を使うほど賢かったかどうかはさておき、彼らがただの暴れん坊ではなかったことを示唆する研究ならほかにもある。

 それによれば、ティラノサウルスは尻尾を優雅に揺らし群れで狩りをし、また愛をめぐって競う「>社会的な動物」だった可能性が高いのだそうだ。

References:T. Rex Was a Lot Brainier Than We Thought, Researcher Claims : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 27件

コメントを書く

  1. ジュラシックパークのラストのTレックスが
    どうやって建物に入って来たのか謎だったけど
    ラプトルみたいに行儀よくドアを開けて入ってきたのかもしれんね。
    そんなでかいドアがあるかどうかは別として。

    • +6
  2. 新説でしょっちゅうこねくりまわされるティラノさん
    多くの人に愛されているということだけは揺るぎない真実

    • +13
  3. 脚にとても歩けないような骨折を負うもそれが治癒した痕跡があるTレックスの化石が見つかっている
    もしかしたら高い知能と社会性で怪我した仲間の元に甲斐甲斐しく餌を運ぶ仲間が居たのかもしれないね

    • +10
    1. ※3
      なお、その化石には同族であるティラノサウルスによる攻撃を受けた跡がはっきりと見受けられると言う、一見矛盾してるように見える研究結果もあったりする

      マイアサウラは巣を作ってタマゴを産んだあと、植物を使って保温していたらしいって言う研究があったけど、それも見方によっては”道具を使用してる”と言える
      そういった”道具をつかった行動様式”の結果がティラノサウルスには今のところ発見されてない
      化石に残された脳の鋳型と呼ぶべき空間である脳函による推定のみから、知能が高かったに違いないから道具も使ったに違いないというのは論理的に飛躍が大きすぎる上に実証が出来てない以上、ほかの研究者から疑問視されるのは当然

      • +4
  4. 系統の違う同サイズの肉食恐竜カルカロドントサウルス類と比べて脳が大きいからそれらよりは賢いかも知らんがさすがに霊長類と比べると…
    ヒトやチンパン含む真猿類以外のメガネザルとかその辺よりは賢いかもな

    • +3
  5. 頭が良くて群れで狩をしていたかも知れないけど…
    Tレックスの二本指では道具は…
    (疲労骨折の痕から起き上がりに使っていたらしいが)

    あと3枚目の画像は良くないね
    恐竜と大型の類人猿、縫製服を着た女性…記事と合わない

    • 評価
    1. ※5
      手で道具を使うとは限らないよ。
      キツツキフィンチやエジプトハゲワシ、カラスなど
      鳥類には口で道具を扱うものが結構いるから
      もしTレックスが道具を使うとしたら
      手ではなく口を使うんじゃなかろうか。

      • +6
      1. ※9
        あーなるほど
        固定概念から逃げられなかったようだ
        おや、他にも逃げ遅れた人が…

        • +7
    2. >>5
      ゴリラはカラパイアのシンボルだから許せ。このゴリラに守られてる女性は多分パルモ。

      • +5
  6. 道具を使えた手だったの?
    それとも手に匹敵する器用な器官があった?
    脳細胞のみで賢さは測れないと鳥類とかで十分知れてる気がするが

    • +1
    1. >>6
      それこそ、巣作りする鳥類みたいに
      口と足で器用に枝とか使いこなしていた可能性も。

      • +6
  7. 見てもいないのによくそこまで想像膨らませられるものだなと感心する。

    • -13
    1. >>7
      羽毛が有るとか言われたけど……あれは嘘だったから、
      今回も、眉唾物で心なしか嘘っぽく聞こえてますもん。

      • -1
  8. どっちが正しいのー

    もしも恐竜が絶滅していなかったら、人類のように進化し文明を築き上げていただろうか?
    https://karapaia.com/archives/52318048.html

    少なくとも人の脳みそと一緒で恐竜の脳みそも柔らかいってことで見解が一致していることはわかった

    • +1
  9. そもそも、ティラノサウルスの骨があるのは事実だけど、ティラノサウルスがいたというのは事実かどうかもわからない。

    • -2
    1. ※10
      わかるわかる。地球を演算装置にしていた宇宙人が遊びで埋めたかもしれないよね
      ハツカネズミかイルカに聞いたらきっと答えがわかるよ

      • -5
  10. 人の手は親指と他の指が向き合う事で細かな作業が出来ると聞いたことがある。
    ティラノの手が物を細かく使える手だったとは思えないんだよね。

    • +3
  11. 子孫の鳥類も脳が小さい割に妙に頭がいいからTレックスも予想よりも賢かったりするのかも

    • +5
  12. ティラノ保護団体が、活動始めちゃうよー

    • -1
  13. それなりに地球上に繁栄して君臨したとされる生き物(その割にはもっと大量に化石が出てきてもよさそうな…なんて素人は思う)だし、巨大に成長するまで死なない知恵というか、習性というかがあったであろうとは思う。
    さすがに「文化」は言い過ぎじゃないかな…

    • +2
    1. ※17
      生態系の頂点にいる種は個体数はどうしても少なくなる。
      ライオン1頭が生きるのに
      数百頭のシマウマが必要と言われてるし。

      • +7
  14. 可能性があるとする新説

    ティラノサウルスはキーボードを使ってコンピュータを操作していた
    だから両手があった

    このレベルだな

    • 評価
  15. 子供の頃には恐竜はもっと爬虫類的イメージだったけど、今ではむしろ鳥類に近いものという感じに変わってきている
    その鳥類も、知能の高さが知られるようになったのは最近のことで、昔は脳が小さいから知能が低いといわれていた
    恐竜もまだ研究段階だから、固定概念を覆すような事実がこれからいくつも見つかるのでしょうね

    • +4
    1. ※23
      「鳥類に近いもの」とか「鳥類の祖先」とか言われてましたが、最近では「鳥類は恐竜その物」と言われております。はい

      • +6
  16. 賢いかどうかより、あの穴だらけでスカスカの頭蓋骨で脳をちゃんと保護できていたのかが不安になる

    • +1
  17. トカゲ類といわれたり鶏の祖先といわれたり今度はそれでも知能は鶏よりずっと上だった説が出たのか…

    • +1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

絶滅・絶滅危惧種生物

絶滅・絶滅危惧種生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。