
今年1月9日に発表された国連の報告書によると、オゾン層は2066年までに完全回復する見通しが明らかになったという。
これまでも国連は4年ごとに報告書を出し、オゾン層が回復傾向にあることを発表していたが、新たな予想では、現在の政策が維持されれば、2040年までにオゾン層は南極と北極を除くほとんどの地域で回復する見込みだという。
オゾン層回復への取り組みは順調
地球の成層圏にあるオゾン層は、有害なレベルの太陽の紫外線を吸収して、地上の生態系を保護する役割を果たしている。しかし、1985年にオゾン層の穴「オゾンホール」が確認されると、1989年に国際機関は「モントリオール議定書」を発効。これにより、エアゾールスプレーの製造に使用され、溶媒や冷媒として使用されるフロン(クロロフルオロカーボン)など、オゾンの破壊に関連するほぼ 100 の合成化学物質の段階的廃止が確立された。
モントリオール議定書の進捗状況に関する最新の報告書では、禁止されているオゾン層破壊物質のほぼ 99% が、段階的に廃止されたことを確認したということだ。
何十年にもわたる国際的な規制の結果、オゾン層は順調に回復に向かっているようだ。
Good news from #AMS2023: The ozone layer is on track to recover within four decades.
— World Meteorological Organization (@WMO) January 9, 2023
Press release ➡️ https://t.co/htPbNDJ9VU
Executive summary ➡️ https://t.co/yO6o2dVOd3
Partners 🤝🏽 @UNEP, @NOAA, @NASA, @EU_Commission pic.twitter.com/03FY2TQHPo
北極と南極を除くほとんどの地域のオゾン層が2040年までに回復
1月9日に発表された最新の国連の報告によると、今後数十年でオゾン層は完全回復するという見通しのようだ。ただし、それは現在の政策が維持された場合の話で、南極は 2066 年頃までに、北極は 2045 年までに、その他の地域は2040年までに、オゾン層は1980年の値に回復することが可能だと専門家は示唆している。
国連環境計画のオゾン事務局のメグ・セキ事務局長は、声明でこのように述べている。
今回の報告書は、素晴らしいニュースとなりました。
モントリオール議定書が気候変動の緩和に与えた影響は、いくら強調してもしすぎることはありません。
過去 35 年間で、議定書は環境の真の擁護者になりました。

オゾン層を破壊する化学物質の段階的廃止の成功は、化石燃料からの移行、温室効果ガスの削減、気温上昇の抑制を急務として行うために、私たちが何をすべきか、何ができるのかを考えさせ、取り組みへと導く一歩となるでしょう。オゾン層の破壊は、気候変動の主要な原因ではないが、オゾン層を保護するためのこれらの取り組みは、気候変動との闘いにおいて有益であることが証明されているという。
References:Ozone layer recovery is on track, due to success of Montreal Protocol | UN News / The ozone layer is on track to recover in the coming decades, the United Nations says/ written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1.
2. 匿名処理班
ヨーロッパでオイル塗らなくても海に入れる日も近いかもな
3. 匿名処理班
紫外線の影響は直接的だから出来たけど、温室効果ガスは瞬間的な災害などで影響受けない地域が多いから出来ないんだよね
地球全土で大洪水とか起きるわけじゃないし
4. 匿名処理班
ええこっちゃな
5. 匿名処理班
悪いニュースばかりが広まりやすいから人類の無力を感じることが多いけれど、ひっそりコツコツと良い方向に向かってる部分も確かにあるんだな
6. 匿名処理班
>メグ・セキ事務局長
キメ・セク事務局長に見間違えた
7. 匿名処理班
「脱フロンガス」が成功したってこと?
8. 匿名処理班
>>6
同じこと思ったwww
9. 匿名処理班
>>3
ガス自体は火山噴火とかでバンバン出るからな
対策してもたかが知れてる
10. 匿名処理班
※7
前から、フロン対策が効果出ているという話は聞いていたが
とうとう回復宣言できるレベルになったみたいですね
11. 匿名処理班
次は二酸化炭素とメタンだね
12. 匿名処理班
地球温暖化やCO2やCH4の増加はオゾン層の回復を早めるらしい。うれしいニュースなのか微妙。
https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ozonehp/4-10ozone_global_warming.html
13. 匿名処理班
>>3
温暖化で1番問題になるのは海水面の上昇で、それ以外では気温上昇や降雨の増大はデメリットだけでなく農業の生産向上などのメリットもあるから、オゾン層の破壊ほど一方的なデメリットではないんだよね。
14.
15.
16. 匿名処理班
積極的にフロンガス放出してたけど最近は売ってなくて悲しい
17. 匿名処理班
※13
農業は基本的にその土地に適した作物、品種を使うから、環境がころころ変わっちゃうとダメなんよ
寒い土地が温かくなれば、育てられる農作物の種類は増えるかもしれないが元から育ててた寒冷地向けの作物が育たなくなる(降雨も同様)
じゃあ転作すればってなるけど、農機具や土地の改良とかも必要になる場合もあるし簡単な話でもない
果樹みたいな育つのに時間がかかる作物もあるし
18. 匿名処理班
オゾンホールの発見からその原因をフロンガスであると特定したこと、さらに全地球規模で対処を行い見事に解決に導いたプロジェクト
人類史に残る偉業だと思う
19. 匿名処理班
科学的根拠に基づいて団結して対策した結果。
これが地球温暖化となると各国の国益やら陰謀論やら複雑になるんだよな
20. 匿名処理班
>>6
Colaboに対するハラスメントですやめてください
21. 匿名処理班
脱フロンが「役に立つじゃん」から「もう要らないって事ですね」になるのかな?
フロン使用機器の廃棄って金かかるからね。 回収義務が無くなれば喜ぶ人も多かろう。
22. 匿名処理班
※9
人間が環境を維持していれば地球さんも自己修復能力である程度なんとかできるけれど
人間が環境を破壊しているのだから地球さんの修復能力が落ちている
病気に例えるならば、人間の健康維持を超えるレベルで細菌が繁殖したり怪我をおったら
自己修復能力でだけでは回復できないし、死に至るしかない
結局イレギュラー因子である人間が自制しない限り環境は回復しないんだよ
確かに人間の手に余る様な事態は過去の地球では何度も起きているけど現状はそうではない
単純に人間という病原体が地球に過剰にダメージを与えているだけです
23. 匿名処理班
>>22
維持も破壊も人間が住みやすいかどうかが判断基準なわけで地球側にしたら知らんがなで済まされるやろ
24. 匿名処理班
※9
CO2について言えば火山から出る量は
人間が出してる量の1%くらいでしかないよ。
人間の影響は意外と大きい。
少なくとも人間の住みやすい環境を破壊できる程度には。
25. 匿名処理班
フ=ロンとハ=ロンがオ=ゾンをいじめるんだ
26. 匿名処理班
言い換えればオゾン層の回復そしてフロン等の原因だけで対処してから数十年もかかるってこと?
今後、まだ他にも複雑でしかも同時にやらなければならないことがたくさんあるんだけども無理だよね
27. 匿名処理班
フロンの上昇速度を考えると成層圏に達するまでの時間が合わないと言われてたのに
そもそもなぜ南極?
瞬時に成層圏まで達し、オゾン層を破壊する要因では大気圏外核実験があげられており
その放射性物質は何年も漂い破壊している
という論文が出てからフロンが問題視されるようになった
28. 匿名処理班
そういや夏場は熱波で温暖化!って記事が多かったけど寒波は記事にしないんだね
最近の異常気象(気候変動)については温暖化ではなく寒冷化による海流の乱れによるものがあるけど
温暖化だと説明がつかない
局所的に二酸化炭素排出1位2位のインドと中国の風下にあって日本の気温が急上昇
なんて事も起きてない
29. 匿名処理班
※27
フロンガスが25年以上かけて成層圏に達する、と当時の論文で見た記憶
30. 匿名処理班
>>3
オゾンホールが対策できたのは、
フロンガス(工業的に合成しない限り自然界には存在しない)という
因果関係や解決策が1対1で明確な問題だったから
という要因の方が大きいと思う。
かつ、フロン全廃でも代替可能な冷却剤が開発できた。
温暖化に関しては、ひとまず「産業革命以降、平均気温が急激に上昇」というのは統計的事実としても、それが本当に温室効果ガスを主因とするものなのか(=現代人が享受する快適な生活の恩恵を手離さず、それを支える活発な工業・経済活動を維持したまま、温室効果ガスだけを技術的に減らせば改善可能なのか)、その温室効果ガスも、主に二酸化炭素にだけ焦点が当たっているが 他の気体でなく二酸化炭素が主因というのは確かなのか、二酸化炭素の排出を減らすとして、何をどれだけ(10億人だった人口が100億人へ迫る勢いで増加していけば、ぶっちゃけ、人間やそれが消費する家畜の呼吸だって増える。森林を切り拓いて都市化や単一耕作(→荒廃化)する面積も増える)、どうやって(コスト面や安全性も含め、現実的に 電力や輸送で化石燃料に取って代わり得る有効なエネルギー開発は遅々として進んでいない)等、いろいろ論点があって、取組みが一丸になりきれてない。
影響が地球全土でなく局地的に偏っているというのは、
むしろオゾンホールの方がそうだと思う。
31. 匿名処理班
※23
そんなの当たり前。人間は環境破壊を繰り返して現在の住みやすい環境を構築している。ただやりすぎて問題になっているのが現代
最終的に完全に環境をコントロール技術を確立するか、宇宙に出て安定した人工環境を構築するかの二択
32. 匿名処理班
南極のオキアミの減少に紫外線が関わっているなら朗報
33. 匿名処理班
<゜)))彡
34. 匿名処理班
※9
年間に地球全体の火山が排出するCO2と人間が排出するCO2の比率は1:100だぞ
後者の人間由来のほうが圧倒的に多い
無知なら少しは調べろ
無知を装ってるのならやることが醜いにもほどがある
35.
36. 匿名処理班
ようございました
この手の全世界的な環境問題やそれにかかわる規制って
うそばっかり、効果なんてねーのになにやってんだか
みたいなのばっかりだったので 「まともなのもある」と判ってよかったです
オゾン層問題は日本科学者が発見したんですよね
もはや信頼できるのは日本人学者だけです
37. 匿名処理班
本当に政策が功を奏したからなのかな
なんか別の理由な気がする
38. 匿名処理班
※27
オゾン層のある成層圏には雲が殆どないけど
南極では低温により成層圏でも雲が発生し、
雲粒の表面で化学反応が活発化するのでオソンが破壊されやすい。
39. 匿名処理班
※28
寒波の記事なんていくらでもあると思うけど。
温暖化による偏西風の蛇行が寒波の原因ということも。
あと中国やインドは面積あたりのCO2排出量は特に多くもないし
放出されたCO2は短期間で世界中に拡散するから
局所的に温室効果が発生するということはまずない。
40. 匿名処理班
※30
今の温暖化については科学的な視点からは
人間の排出するCO2が主因ということでほぼ決着してるよ。
(政治的な面であれこれ駆け引きはあるけど)
未知の巨大な要因がある、という可能性もゼロではないけど
それはそれが観測されてから考えることかと思う。
あと呼吸で放出されるCO2はその殆どが食物、
つまり現在の太陽エネルギーに由来してるから
CO2の増加にはそこまでつながらない。
化石燃料の使用は地下に埋蔵されていた過去の太陽エネルギーを
掘り起こして放出してるからCO2の不可逆的な増加を招く。
41. 匿名処理班
よかったー
これで皮膚がんになる人も減るね
42. 匿名処理班
紫外線は白人様のダメージが重いからね
メラミン色素の多い有色人種よりダイレクトに食らうからここまで一気に物事が進んだ