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北海道・沖縄間を3往復分、13,560 kmを11日間飛び続けた渡り鳥がギネス世界記録を更新

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(著) (編集)

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 渡り鳥は、繁殖や食料などの事情で、定期的に移動することで知られているが、長距離を長時間飛行する種も存在し、まさに命がけの壮絶な旅となる。

 チドリ目シギ科のオオソリハシシギ(学名Limosa lapponica) は、北極圏で繁殖し、冬季は長距離を移動することで知られているが、去年10月、その1羽がギネス世界記録を更新した。

 生後5か月のオオソリハシシギ が、アラスカからオーストラリアのタスマニア州までの 13,560kmを、11日間、一度も休むことなく飛行するという偉業を達成したのだ。

 沖縄県庁から北海道庁までの直線距離は約2,246kmなので、3往復したことになる。地球全体でも3分の1という距離だからとてつもない。

The World’s Longest Non-Stop Flight

13,560 kmを飛行し続けたオオソリハシシギ、ギネス記録を更新

 2022年10月13日、認識番号「234684」を装着したオオソリハシシギは、アラスカを出発し、オーストラリアのタスマニア州に11日後に到着した。

 その距離なんと13560km。5G衛星タグを付けた生後5か月の若鳥は、途中一度も止まることなく、ノンストップで飛行を続けた。

 この鳥が移動した距離は、ちょうどロンドン・ニューヨーク間を 2.5往復、北海道・沖縄間を3往復、地球全周の約3分の1の距離に相当するという。

 ギネス世界記録によると、「これまでの最長記録は2020 年に同種の別のオオソリハシシギによって保持されていたが、2022年10月のオオソリハシシギが217 マイル(約349km)で破った」ということだ。

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photo by iStock

環境条件にあわせて体を変化させるオオソリハシシギ

 渡り鳥は多くの種類が存在し、長距離移動をするのはオオソリハシシギだけではない。しかし、それらほとんどは長い旅の途中で時々着地し、休憩する。

 オオソリハシシギのすごいところは、ノンストップで長距離を移動するため、環境条件にあわせて体を物理的に変化させる能力を持ち備えているということだ。

 オオソリハシシギは、消化管、肝臓、腎臓を形成する組織の 25% を吸収することで、エネルギーに富んだ脂肪の場所を作るという。

 これは、必要に応じて体が自分自身の一部をリサイクルできるようにするメカニズムであり、オートファジー (自食) として知られる生物学的プロセスによって可能になる。

 また、飛行中に心臓と胸の筋肉を大きくして、その領域により多くのエネルギーと酸素を供給することができるそうだ。

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pixabay

 バードライフ・タスマニアのエリック・ウェーラー博士は、次のように説いている。

この記録破りの鳥は、おそらく昼夜を問わず連続飛行し、その最中に体重の半分以上を失ったことでしょう。

ハシボソミズナギドリやその他のミズナギドリは、水に着地して餌を食べることができますが、オオソリハシシギが水に着地すると、それは死を意味します。

鳥の足には水かきがなく、降りる方法がないからです。だから、疲れ果てて海面に落ちたり、悪天候で上陸を余儀なくされたりしたら、それで命が尽きてしまいます。

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image credit:Wikimedia Commons

間違った方向転換が幸運を招く

 通常、オオソリハシシギはニュージーランドに移動する。だが、この 1羽は90 度方向を変え、オーストラリアのタスマニア州東部のアンソンズ湾の海岸に上陸した。

 ウェーラー博士によると、「この若鳥は、巨大な太平洋とニューカレドニアやバヌアツを含む多くの島々を横断する旅を生き残ることができて、とても幸運だった」ようで、この間違った方向転換が、これまで想定されていた種の「飛行能力」を増加させたようだ。

 専門家たちは、まさに世界的記録かつ驚異的なオオソリハシシギの今回の飛行が、今後の渡り鳥の移動や経緯、また給餌補給となる目的地の環境保護に役立つことを期待している。

Saving the Bar-Tailed Godwit

References:The record-breaking bird that flew from Alaska to Australia without stopping/ written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 15件

コメントを書く

  1. 北海道や富士山周辺に飛来する「オオジシギ」は、日本とオーストリア間で渡りをしているらしい。
    シギの仲間は意外にタフなんだな。

    • +9
    1. >>1
      あー、誤記。「オーストリア」ではなく、豪州の「オーストラリア」ね。

      • +1
    2. ※1
      ”ウィ~ン”って飛ぶのかと思ったべ。

      • 評価
  2. もちろん何かしら必要性があってそうなったんだろうけど
    生物の生態や進化って、いやもっと他にやりようあったんじゃ…そこまでせんでも…ってなるもの結構あるよね

    • +6
  3. そこに陸があるから飛んでいくのだ!みたいな鳥だな

    • 評価
  4. いやはや、こんな鳥がいるとは。限界を超えた生物の一つですな。
    クマムシ伝説を知った時と同じような衝撃だ。

    • +3
  5. 鳥類すごいなぁ
    知能が高いの多いし免疫力もあるし

    • +5
  6. うちの文鳥は毎日ぬくぬくぽえ~ってしてる
    ほんとに同じ鳥類か?!

    • +4
  7. いや、人間のほうがすごい。
    11日間不眠不休で働けば誰だってお空の星に手が届く。
    鳥ちゃん、人間をなめちゃあいけないぜ。

    • 評価
  8. アラスカからオーストラリアまで飛び続けるとはたまげたな

    • +5
  9. なぜかこの記事を読んで思い出したのが、ベトナム戦争時にアメリカから南ベトナムまで無着陸で移動したF-5Cを思い出した。太平洋横断無着陸飛行をやり遂げていて驚いた(ちなみに無着陸なのでトイレはどうしたとかいろいろ考えてしまった)けど、それよりも長い距離を鳥が11日間かけてやりとげるのは凄い。

    • +2
  10. 太平洋斜めに突っ切ったんだな

    >シギが水に着地すると、それは死を意味します。
    >鳥の足には水かきがなく、降りる方法がないからです。だから、疲れ果てて海面に落ちたり、悪天候で上陸を余儀なくされたりしたら、それで命が尽きてしまいます。

    鳥は陸海空すべてに適応出来てて憧れていたがダメなのか……

    • +3
  11. 違う種類だと思うが、シギを保護した動物園の人がとにかくシギは大食らいで手の空いた職員総出でミミズを探してるってSNSに書いてたことがある。
    これを読むと大食らいなのも納得。そりゃ食べなきゃ持たんわ。

    • +5

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