メインコンテンツにスキップ

ついに解明しつつある「第六感」、固有受容覚を促す遺伝子を発見

記事の本文にスキップ

13件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 ヒトは外界を感知するために「視覚」、「聴覚」、「触覚」、「味覚」、「嗅覚」の五感が備わっているが、それ以外の感知能力、いわゆる「第六感」が働くことがある。

 ここでいう第六感は、固有受容覚(深部感覚)のことで、体の深部にあたる皮膚と内臓の中間領域でおこる感覚のことだ。

 筋肉や関節が受容器となっており、固有受容覚があることで、私たちは身体の位置や動きを把握し、力の入れ具合を調整することができる。

 マウスを使った新たな実験によると、固有受容覚を促す遺伝子が明らかになりつつあるという。

無意識に働いている第六感「固有受容覚」

 固有受容覚は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などと違って、完全に無意識なものだ。私たちは、それを行っていることに気がついていないが、ほかの感覚と同じくらい重要なものだ。

 この感覚がない人は、ボールを投げたり、食べたり飲んだりしているときに頭と腕の動きを調節したりする協調的な動きができない。

 また、固有受容覚の感じ方は人それぞれ異なり、時間帯や体調によっても変化する。

「第六感(固有受容覚)の仕事は、私たちの動きや姿勢、空間における位置についての情報を筋肉や関節からの中枢神経系に伝えることです」ベルリンにあるマックス・デルブリュックセンター、神経回路機能研究所のニコロ・ザンピエリ博士は語る。

「固有受容覚として知られるこの感覚は、中枢神経系が運動ニューロンを通じて筋肉に正しい情報を送り、特定の動きをできるようにするものなのです」

 固有受容覚は、筋肉と関節のニューロンが関与する複雑な伝達システムによって行われる。このシステムは、筋肉の伸縮に関する情報を中継し、脊髄の後根神経節にある固有受容感覚ニューロン(pSN)に戻す。

 これは、ふたつをつなぐ長い神経繊維によって促されることがわかっているが、その分子基盤はこれまで、ほとんど理解されていなかった。

この画像を大きなサイズで見る
photo by Pixabay

固有受容覚の特徴的な遺伝子を発見

 新たな研究では、マウスのpSN機能に関係する遺伝子を特定し、固有受容覚を可能にする正確なニューロン接続に注目してみた。

 まず、研究チームは、神経が分布する背中、腹部、四肢の異なる筋肉の部位で、pSNを区分する分子マーカーを探すことから始めた。

 そして、各筋肉群につながるpSNの特徴的な遺伝子を見つけることに成功した。

この画像を大きなサイズで見る
後根神経節の感覚ニューロン細胞体(右)と脊髄の軸索(左) / image credit: Stephan Dietrich、Zampieri Lab、Max Delbruck Center

 論文の筆頭著者であるシュテファン・ディートリッヒ博士は言う。

「さらに、これらの遺伝子は、胚の段階ですでに活性化していて、出生後も少なくともしばらくは活動し続けていることもわかりました」

 これは、固定された遺伝子プログラムが、pSNがどのような種類の筋肉を神経支配するのかを決定していることを意味する。

 とくに重要なことは、これら遺伝子が、エフリン(Eph受容体であるタンパク質)とその受容体をコード化しているのがわかったことだ。

 このタンパク質は、神経システムの発達に重要な役割を果たしていて、新しく形成された神経繊維を目標に導くのに役に立っている。

 研究者たちは、この発見が、固有受容感覚に関する将来の研究のための新たな出発点となり、いつか脊髄損傷患者を助けられることを期待している。

「自分たちの第六感をより理解することができれば、脊髄や骨格損傷などを効果的に治せる新たな治療法を開発することが可能になるでしょう」

この研究は、『Nature Communications』に掲載された。

References:Molecular identity of proprioceptor subtypes innervating different muscle groups in mice | Nature Communications / We’re Finally Starting To Understand The Sixth Sense – Proprioception | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. トップオブトップのスポーツ選手は皆この感覚が分かりそうだね

    • +6
  2. 運動神経悪い芸人は、この感覚がない人なのかな。

    • +5
  3. ニュータイプの架空的概念から、現実にへか・・

    • +1
  4. アレ?第六感の認識にズレを感じる様な…
    説明読むと神経系の仕事だと思ってた部分を固有受容覚とやらがやってたみたいな話に思えるんだが

    • +4
  5. その時にいつでも鳴らせるようにフレクサトーンを携帯しておくわ

    • 評価
  6. 感覚ではなく神経の伝達システム

    これを、「視覚」、「聴覚」、「触覚」、「味覚」、「嗅覚」の五感と同列に並べるには非常に無理がある

    • -2
  7. セブンセンシズはどこら辺になるのかねぇ
    たぶんキン肉のどっからへんだと思うんだけれど

    • +1
  8. これはいわゆる第六感とは違うもののような気がする。
    運動の慣れ、習熟みたいなもの?、小脳の領域?、タコが各足に脳的なものを持ってるのと似た話なのかな?。?ばかりだが。

    • +6
  9. 「第六感」の定義がこの科学者さんと我々がイメージするものとで違ってると思う
    この科学者さんは、肉体をコントロールする為に働いている無意識の調整機能のことを我々が普段感知できる『「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」』の五感』以外のプラスアルファの感覚ということで「第六感」と名付けている
    一方、我々が「第六感」と聞いて思い浮かべるのは「虫の知らせ」に代表されるような未来や事象について「何かが起こることを知る、理解する」感覚。「ひらめき」というような類いのものだから、対外的事象や時間などといった概念も含むものなので、この記事の話とは扱う対象が全く別の話。
    なのにそれぞれ「第六感」と言う言葉で言い表しちゃってる勘違いが起こるんだね

    • +11

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

人類

人類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。