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宇宙から落下したスペースデブリが人や物に衝突する確率ってどれくらい?

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(著)

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 地球の周回軌道には、各国が打ち上げた人工衛星やロケットが数多く存在している。その中には役目を終え、不要な人工物体となった「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」もまた大量に存在する。

 スペースデブリは年々増加の一途をたどっており、地球に落下するケースも増えてきた。つい最近でも、制御不能なまま大気圏に再突入した中国の「長征5号B」やオーストラリアで発見されたスペースX Crew-1のパーツなどのニュースが話題となった。

 実際のところ、地球に落下したスペースデブリの危険性はどの程度のものなのだろう?人や物に当たり、被害を出す確率はどれくらいあるのか?

 この重大かつ興味深い疑問について、オーストラリア、サザン・クイーンズランド大学の航空宇宙エンジニア、ファビアン・ザンダー氏が解説してっくれた。

スペースデブリが人に命中する確率は?

 スペースデブリとは、寿命が尽きた人工衛星や役目を終えて投棄されたロケットの部品など、いわば宇宙のゴミである。

 スペースX社のロケットのように、きちんと制御しながら軌道から外され、地球の大気圏に再突入して燃え尽きるよう設計されたものもあるが、その部品が地上で見つかったことからもわかるように、いつも計画通りにいくわけではない。

 では、スペースデブリはどのくらい危険なのだろう?

 クイーンズランド大学の航空宇宙エンジニア、ファビアン・ザンダー氏ザンダー氏によると、これまでにスペースデブリに当たった人は1人だけだという。

 1997年、米オクラホマ州在住のロッティ・ウィリアムズさんは、宇宙から落下してきた破片が命中した。

 それは手のひらほどの大きさで、米国のロケット「デルタII」の部品だと考えられている。幸いにも大事にいたらず、ウィリアムズはそれを家に持ち帰り、当局に通報した。

le Temoignage de Lottie Williams

スペースデブリが人に当たる確率は落下1万回ごとに1回程度

 スペースデブリが人に当たる確率については諸説あるが、だいたい落下1万回ごとに1回程度であるという。

 これが特定の人(たとえば、あなた)に当たる確率になると、1兆回ごとに1回まで下がる。その意味で、ウィリアムズの事件は本当に”大当たり”だったのだ。

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 ザンダー氏は、こうした危険性を推定するうえで重要なとある要因を解説している。

 次の図を見てほしい。これは、大気圏に再突入した長征5号Bが、最後の24時間にたどった経路と再突入地点(赤点)を表したものだ。

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 ここから、その経路の20%が陸の上空だったことがわかる。

 陸地のうち、人間が住んでいる地域はおおよそ20%だ。よって、長征5号Bが人が住んでいる場所の上空で再突入する確率は、4%と見積もられる。

 これはかなり高い数字に思えるかもしれない。だが、人が住んでいる場所で実際に人が占めている面積がどのくらいか考えると、「人身事故」が起きる確率はかなり低いと推定される。

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photo by iStock

スペースデブリが物に当たる確率は?

 一方、「物損事故」の発生確率はもっと高い。長征機5号Bの再突入のケースでは、1%程度になると、ザンダー氏は説明する。

 もちろん、こうした危険性は、宇宙にたくさんのロケットが打ち上げられ、大気圏に再突入するスペースデブリが増えるほど大きくなる。

 そして実際、世界中の企業や宇宙機関が今後ますます多くのロケットを打ち上げようとしている。

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photo by Unsplash

スペースデブリの落下地点は予測不能

 では、このような危険から私たちはどのようにして身を守ればいいのだろうか?

 その際、一番大切なのは、デブリの落下を予測することだろう。だが残念なことに、制御不能に陥った物体の再突入地点を予測することは、かなり難しいようだ。

 ザンダー氏によれば、デブリの再突入の予測時間には、一般に残りの軌道時間の10~20%程度の誤差があるという。

 つまり、ある物体が10時間後に地球の大気圏に再突入すると予測される場合、実際の再突入時刻には1時間程度のズレが生じる。

 もしもその物体が60~90分で地球を1周しているとしたら、落下予測地点は地球全体ということになる。

 その予測精度を上げるには、まだまだ多くの研究が必要になる。それでもなお、再突入地点の予測範囲を1000km未満にできる可能性は低いのだそうだ。

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photo by iStock

 スペースデブリが落下して命中する確率は今のところは低いが、どんどん上がっていくわけで、早いこと正確な落下地点の予測技術を確立して欲しいものだ。

 他にも空からは、隕石落下の危険性もあるわけだしね。

References:Space debris is coming down more frequently. What are the chances it could hit someone or damage property? / written by parumo

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この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. えっ!?今からでも入れるスペースデブリ保険があるんですか!?

    • +6
  2. スペースデブリにぶつかったって証明されてない人があと3人くらいいそう

    • +3
  3. なんかこう、動きを制御出来るすごい電磁石みたいなのを打ち上げてデブリを集めて、一定の量になったら人のいないところへ落とすみたいなことは出来ないのかな…
    そもそも磁石につかない素材?
    ともあれ確率がゼロじゃないともしかしたら…と思ってしまう。
    このままどんどん打ち上げたら、デブリを作っちゃう人達だって自分とか家族に命中する確率が上がるわけだから、後始末も考えて欲しい。
    クワバラクワバラ。

    • +1
  4. 当たったら一等、当たった人を目撃したら前後賞、町内の人が当たったら組違い賞で賠償金払ってほしいわ。

    • +2
  5. どちらかと言えば、落ちてこないせいでケスラー・シンドロームになる方が問題かな。

    • +3
  6. 一番の問題は、宇宙ゴミを一番排出した米国がなんの責任も取らないのに他国を非難すること
    さらにアメリカは宇宙で衛星をミサイル破壊するという暴挙を行い
    宇宙で核爆発まで行っておきながら、後進国がやったら非難するというダブスタ
    責任をとれ

    • +2
  7. それくらいの確率なら別にいいんじゃね
    勿論努力は必要だけど車禁止にしないんだから事故リスクなんて確率の多寡以外で論じたらただの感情論でしかない

    • 評価
  8. 確率上、宇宙塵はかなりあたってる
    きがつかないだけで

    • 評価
  9. いや確率高いな。当たる前に月に基地ができたらデブリ屋に転職しよう。

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