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神聖ローマ皇帝カール5世の秘密の暗号をついに解読。暗殺に怯えていた

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(著) (編集)

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image credit:public domain/wikimedia
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 スペイン国王でもある、神聖ローマ帝国皇帝「カール5世」の秘密の暗号が、ほぼ500年の月日を経て、ようやく解読された。

 この謎めいた暗号は、暗号解読ソフトでは解読できないほど複雑なものだったが、暗号学者と歴史家の研究チームが6か月の作業を経てメッセージを解読。

 当時最高の権力者は、フランスが彼の暗殺を企てていることに怯えていたことが明らかとなったという。

16世紀最大の権力者が綴った秘密の暗号で記された手紙

 はハプスブルク家第3代神聖ローマ帝国皇帝であり、スペイン国王でもあった「カール5世(1500年2月24日 – 1558年9月21日)」は、16世紀最高の権力者の一人だ。

 40年にわたるその治世の間、西ヨーロッパとアメリカ大陸の大部分を支配する巨大帝国を統べた。

 だが決して平穏な時代ではなかった。スペインに対抗しようとする宿敵、フランスの国王「フランソワ1世(1494年9月12日 – 1547年3月31日)」との間で戦いが繰り広げられた激動の時代だったのだ。

 1547年のある日、カール5世がフランス大使ジャン・ド・サン=モーリスに宛てて手紙を出した。その手紙はやがて忘れ去られ、フランス北部ナンシーにあるスタニスラス図書館で眠り続けた。

 フランスの暗号学者セシル・ピエロ氏が、この手紙の噂を聞きつけたのは2019年のこと。それから2年の捜索を経てようやくカール5世の署名入りの手紙に巡り会えたときのことを、「神秘的であると同時に、まったく不可解だった」と彼女は語っている。

 そう、それは暗号で書かれていたのだ。

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ようやく発見されたカール5世の暗号で記された手紙 / image credit:Ville de Nancy

複雑な暗号の解読にようやく成功

 2021年12月、ピエロ氏は、10ページに及ぶ文書をコンピュータープログラム言語「Python」を使って分析にかけた。しかし最初の結果では、このソフトウェアが暗号を解読するには、宇宙の年齢以上の期間が必要であることが示唆された。

 そこでピエロ氏は、歴史家のカミーユ・デサンクロ氏の協力を得て、ジャン・ド・サン=モーリスに宛てた他の書簡を入手することに成功。その中の1通に、余白に書き込まれた暗号の大まかなヒントがあった。

 数か月にわたる地道な骨の折れる作業の末、今年6月、ピエロ氏は手紙のとある一節を読み解くことに成功。これが突破口となる。

 カール5世が120種ほどの記号を使っていることを突き止めた。

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チャールズ 5 世が秘密のメッセージを伝えるために使用した暗号 / image credit:Bibliotheque Stanislas de Nancy

 手紙は子音の後の母音をそうした記号に置き換えて暗号化したもので、ピエロ氏によると、おそらくアラビア語がヒントになったのだろうという。

 また、暗号解読を阻止するために、無意味な記号を”おとり”に使うといったトリックも仕掛けられていた。

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暗号には解読を阻止する”おとり”も使用されている / image credit:Ville de Nancy

カール5世はフランソワ1世による暗殺を恐れていた

 デザンクロ氏によると、この手紙は、1547年当時、3年前に和平を結んだはずのカール5世とフランソワ1世との関係が「やや悪化していることを裏付けるもの」であるそうだ。

 和平にも関わらず、両者の関係は緊迫しており、互いを弱体化させるために様々な企てがなされいてた。

 それを裏付けるかのように、手紙はフランスによるカール5世の暗殺計画の噂について触れていた。

 デザンクロ氏によると、暗殺計画は「あまり知られていなかった」が、皇帝の「恐怖」を浮き彫りにしているとのことだ。

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1547 年にカール5 世が送った暗号で記された手紙 / image credit:Bibliotheque Stanislas de Nancy

 ピエロ氏とデザンクロ氏は今後、カール5世とフランス大使との間で交わされたほかの手紙を調べ、カール5世が思い描いたヨーロッパ戦略の全体像を解明する予定であるそうだ。

References:Emperor Charles V’s secret code cracked after five centuries / Holy Roman Emperor’s Secret Code Broken After 500 Years, Revealing Assassination Fears | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 11件

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  1. こういう暗号を手紙に使うのなら書いた本人だけでなく読ませる相手が簡単に暗号解読できるような手順書があるはずだよな。
    あったとしても極度に面倒な変換が必要なのだとしたら相当めんどくさい手間を読み手に強要することになる。
    秘密の軍の指令とか宝のありかとかならその価値あるだろうけど、フランスに殺されそうで怖いんです、みたいな愚痴だったら読まされた人もがっかりすると思うんだが。

    • -15
    1. ※1
      暗号変換の専門職員がいたんだよ。
      本人同士のやりとりは普通の手紙と変わらん。

      • +5
      1. ※8
        当時の最高権力者なんだから全部自分でやるわけないし、
        国家元首から外交官への親書なんだから普通に公文書だしね

        • +2
    2. >>1
      いや流石に愚痴で終わってないでしょ
      何故か暗号の具体的な訳文が書かれてないからよくわからんけど、フランス大使宛ならフランス国内で暗殺計画について探ってこいって指令なんじゃないか?
      「フランスが俺を暗殺する計画の噂があるんだけど、それは本当なのかかどうか、本当ならいつどこでどんな奴が決行する予定なのか探ってこい。俺が今殺されたら神聖ローマとスペインは大変なことになる! 少しでも何か分かったら早急に逐次情報を送れ。いいか? 祖国の為にもくれぐれも、くれぐれもちゃんと調べろよ。」
      みたいな感じとか

      • 評価
  2. そこは、最近の若者は、、、
    と来て欲しかった

    • 評価
  3. カール5世は
    弟や愛妻とか身内との関係が良かったのは救い

    • +5
  4. あんまり複雑なのにすると、解読方法教えられてても読む側が大変だし、何年かしたら自分自身が読み方忘れそう…w

    • -2
  5. アラビア語がヒントになったのはレコンキスタで国を起こしたスペインならではって感じだね

    • 評価

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