
image credit:Chris Randall / twitter
ひとけのない山道で、いつの間にやら現れた不気味なものにひたすら追われる恐ろしさ。そのとらえどころのなさといい、とっさに身も凍るような戦慄の出来事だったようだ。先月半ばハイキングをしていた男性がシェアした映像。そこには人の形で歩いているらしき半透明の何かが映っていた。
見通しがきかない深い霧の中、男性を身震いさせた奇妙な幽霊の正体とは?
虹色の光と一緒に追ってくる。山で遭遇した人型の幽霊とは?
まずはこちらの映像を見てほしい。場所は濃い霧が立ち込めている山の斜面。その画面中央付近でぼんやりした灰色の何かが動いているのがわかるだろうか。My first Brocken Spectre. Creepy to see it out the corner of my eye and think it was someone else moving pic.twitter.com/j38PhwGZqE
— Chris Randall (@ultrapeakschris) November 13, 2022
一瞬霧に隠れた物体かと思いきや、よく見ると手足のようなものを動かし歩く幽霊のようだ。

image credit:Chris Randall / twitter
またその奇妙なものは終始何かに保護されてるかのよう。ときどき周りにうっすらと虹色の光の輪というかバリアのようなものまでみえる。

image credit:Chris Randall / twitter
一体何者なんだろう?追跡にしてはずいぶん堂々としたものだが、撮影者の足音が止まると向こうも立ち止まり様子をうかがっているようにも見える。
思わずゾッとした人生初の「ブロッケン現象」
今月半ばハイキング中「不気味な何か」に遭遇。その姿をカメラでとらえたクリス・ランドールさんは以下のようにコメントしている。人生初のブロッケン現象に出くわした。視界の隅で見知らぬ誰かが動いているように思えてゾッとするもうお分かりだろう。ツイートにあるとおり、ランドールさんは生まれて初めて「ブロッケン現象」を目の当たりにしたのだ。
人や飛行機の影に虹色の輪が。霧や雲に現れる大気光学現象
本サイトでも何度か取り上げているこの現象は、霧が多い山の尾根や頂上にいる人、または飛行機などから見られる大気光学現象の一種だ。水滴などを多く含んだ大気で生じる光の散乱により現れるもので、太陽の光を背にした人や飛行機の影が霧や雲に落ち、その影の周辺に虹色の輪が見られるというもの。

image credit:Chris Randall / twitter
この現象を表す呼び名はいくつかあるが、欧米においては英名のBrocken spectre(ブロッケンスペクター)が初めて記されたのは18世紀のころだそう。ドイツの科学者ヨハン・シルベルスラグが、母国のブロッケン山(標高1,141m)で見られた亡霊らしき現象について論文に残したのが由来とされている。
海外では妖怪。日本では御来迎と呼ばれることも
霧深くて見通しのきかない時に限って、実体のない人みたいなもやもやがいつのまにやらついてくるんだものそりゃ固まるだろう。神秘的に映るこの現象は、霧が多い所で遭遇した人々を長年魅了しており、海外などではその影を妖怪になぞらえる人もいるそう。
また日本では後光や御来迎(ごらいごう)などと呼ばれるみたいだが、確かにありがたい感じに見えなくもない。
目撃場所にもよるし、どう受け止めるかにもよるけれどぼんやりした見た目といい人の形を模した神様や人知を超えた何かだと直感するのも無理はない。
というか簡単に情報をググれる今なら、素人の私たちでも「ああやっぱりね!」なんて言えたりするわけだが、大昔とか高山登っていきなりこれに遭遇したら度肝と腰と尻子玉がいっぺんにすっぽ抜けるぐらいの驚愕事案だったんじゃなかろうか。
ロマンはロマンであってほしいものだが、たとえ未見の人でもそれが現象だと判断できるのは、解明しようとがんばった先人のおかげよね、なんて思う今日このごろ。伝説の巨人や謎めいたヒトガタあたりもいつ正体が暴かれるかとハラハラしてるかもしれないな。
References:futurism / wikipedia / twitterなど /written by D/ edited by parumo
追記:(2022/11/27)本文を一部訂正して再送します。
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
普通に街でも曇りの日にこの現象なくない?
学生の時住んでたマンションの部屋のベランダの柵に、天気悪いとよく人影っぽいのが座ってるから怖くなって先輩に言ったら、ブロッケン現象だと教えられたよ。正体知ってからは怖くなくなった。ちなみに先輩はワンゲルの人だった。
2. 匿名処理班
意外と身近に起きる可能性のある事象。
3. 匿名処理班
自分の影で草
4. 匿名処理班
こんな現象があるのか
じゃあ元から信じてないけど
幽霊なんて居ないて証明されてんじゃん
幽霊の正体て完全にこれだろ
要は蜃気楼だろ
5. 匿名処理班
映像で見たのは初めてかも
6. 匿名処理班
山の心細さの中でこういうのは見たくないなあ
7. 匿名処理班
目ぇ悪い人は
何もかもがこんな見え方らしい
8. 匿名処理班
ただの影やな
9. 匿名処理班
※1
いやそれはただの事故物件じゃね?
10. 匿名処理班
ブロッケン現象は、スキー場で何回か体験した事があるね
山の悪天候で発生するブロッケン現象は、先行者がいると勘違いして遭難する原因でもある
11. 匿名処理班
ブロッケンさんの幽霊やぞ
12. 匿名処理班
ブロッケン現象かなと思ったらブロッケン現象だった
13. 匿名処理班
犬氏や猫氏の前に鏡を置くような感じね。まれにそれが自分だと理解できることもある。
14. 匿名処理班
※10
幽霊よりずっとこえーーーー😨
15. 匿名処理班
人が映ると怖がる謎の法則があるけど
「別にそこに人がいてもいいじゃん」
という考え方って駄目なんですかね。
16. 匿名処理班
カオナシかと思った
17. 匿名処理班
※10
靄の出た山道で、漫然と先行車のシルエットに追走してたら
危うくカーブの崖に突っ込むところだった、
みたいな怪談も、もしかしたらコレか…?
18. 匿名処理班
山怪の正体見たり
19. 匿名処理班
クマーじゃなくて何より
20. 匿名処理班
分かっててもこんな影間近で遭遇したら怖いなあ。
21. 匿名処理班
※19
うん、クマーのほうが断然怖い。
22. 匿名処理班
ブロッケン現象だと思ったらブロッケン現象だったか。
珍しいけど別に恐れる様な事でもないよ。
23. 匿名処理班
>>1
街中でも霧が出るならブロッケン現象見られるかもね。山ではわりとしょっちゅう遭遇します。当たり前ですが手を振り返してくれるので楽しい。
24. 匿名処理班
手塚治虫のブッダでもあったな
ブッダが奇蹟を起こしたかのように振舞うのにサーリプッタが利用してた
25. 匿名処理班
あー、ラーメンマンに殺された超人の幽霊だったのかー(棒)
26. 匿名処理班
子どもの頃に何かでブロッケンの妖怪って読んだことあるけど、初めて映像で見た。
ガスが薄いと透けてて実体がないのがわかるのに動きが生き物そのもので(人間の影だから当然だけど)、これは確かに原理を知らなければめちゃくちゃ怖い。
27. 匿名処理班
ブロッケンJr.かと思ったらブロッケン現象だったでござる
28. 匿名処理班
御来迎は「ごらいこう」ではなく「ごらいごう」と読むんだよ。意味としてはブロッケン現象を宗教寄りに解釈したものなので合っているけど。
29. 匿名処理班
※17
そんな事あるんだ。怖いな
案外オートクルーズにしてたら死んでたかもな
30. 匿名処理班
理屈を知っても実際見たら怖いだろうなこれ
31. 匿名処理班
さすがにブロッケン現象があるからといって幽霊なんていないと言っちゃうのは草はえますよ