この画像を大きなサイズで見るこれまで地球ではビッグファイブと呼ばれる5回の大量絶滅を経験している。その3回目にあたるデボン紀後期の大量絶滅が起きた原因に関する新たな研究結果が発表された。
約3億7220万年前、デボン紀の海で起きた大量絶滅では、全海洋生物種のうち約80%が絶滅し、海洋生態系が回復するには3600万年を要したとされている。
数年前、その原因は、太陽系の近くの超新星爆発の影響とする説が発表されたが、今回発表された説では、「木の根の進化」が引き金だったという。
ちょうどこの時期、木の根が進化したことで、海が過剰な栄養分であふれかえり、藻類が大量に繁殖した。藻類は海に溶けていた酸素をあっという間に吸いつくし、海の生物を破滅的な大量絶滅に追い込んだというのだ。
海洋生物の80%以上が滅んだデボン紀の大量絶滅
4億1600万~3億5920万年前の「デボン紀」は、さまざまな魚類が進化したことから「魚の時代」と呼ばれている。
その一方、陸上では「アルカエオプテリス」というシダのような葉を茂らせる原裸子植物が誕生し、地球最古の森林が形成された時期でもある。
この画像を大きなサイズで見るしかし3億7400万年前のデボン紀後期になると様子が一変する。この「F-F境界」と呼ばれる時期には、海洋生物の80%以上が絶滅したと推定されている。いわゆる大量絶滅が起きたのだ。
木の登場により、根から海に栄養が大量にもたらされる
一体なぜ、デボン紀の生物は滅んでしまったのか? 『GSA Bulletin』(2022年11月9日付)に掲載された研究では、その原因は海の「富栄養化」であると説明している。
植物プランクトン(藻類)が水面付近で光合成し繁殖するために必要な栄養分が急増したということだ。
それは現在、五大湖やメキシコ湾などで起きている。肥料などによって過剰な栄養が水域に流れ込むと、藻類が爆発的に繁殖する。
すると、そこに溶けていた酸素が使い果たされてしまい、生物が生存できないいわゆる「デッドゾーン」が出現する。
だがデボン紀において、富栄養化を起こしたのは「木の根」だ。
根は、成長するために土から栄養分を吸い上げ、枯れるときにそれを水中へと放出する。それが海から酸素が奪われる結末にいたったのだ。
この画像を大きなサイズで見る「リン濃度の周期」や「風化の痕跡」が手がかり
この仮説の根拠は、既存の証拠と新たに見つかった証拠だ。
米インディアナ大学などの研究チームは、グリーンランドやスコットランド北東沖など、世界の湖底に残された古代の堆積物を分析し、「リンの濃度に周期」があることを発見した。リンは地球上のあらゆる生物に含まれる元素だ。
また、根の成長によって生じる「風化」の痕跡から、「湿潤と乾燥の周期」も特定された。
「風化が大きく進んでいれば、根がたくさん生えており、湿潤なサイクル」にあった、その反対に「風化が少ないほど、根が少なく、乾燥したサイクル」にあったと推測できる。
そして、もっとも重要なのは、リンの濃度が高い時期が、乾燥サイクルと重なっていたことだ。研究チームによれば、この時期に根が枯れて、栄養分が海に放出されていた証拠であるという。
つまり史上最古の木であるアルカエオプテリスが登場したのと同時に、リンの循環が生まれた。
だとするなら、デボン紀の大量絶命の主要な原因は、木の根が進化し、それが腐敗したためであろうというのが、研究チームの結論だ。
この画像を大きなサイズで見る今日の海にもデボン紀と同じ脅威が迫っている
なお、現在地上に生い茂っている樹木は、腐敗した木の影響を相殺するような仕組みを進化させている。
さらに、薄っぺらく土が被さっていただけのデボン紀と違い、現代の土はもっとたくさんの栄養分を蓄えておける。
そのため、今日では植物の根が枯れたとしても、デボン紀のような壊滅的な破壊は起きないという。
しかし今回の研究で明らかになったプロセスは、海の生物が直面する新たな脅威を浮き彫りにしている。
すなわち、肥料や糞尿といった有機廃棄物の汚染によって、海から酸素が奪い去られる恐れがあるということだ
研究チームのガブリエル・フィリペッリ氏は、「古代世界で起きた破壊的な自然現象についての新たな洞察は、今日の人間活動によっても同様なことが起きるという警告かもしれません」と語っている。
References:The evolution of tree roots may have driven mass extinctions / written by hiroching / edited by / parumo
追記(2022/11/14)本文の誤字を訂正して再送します。














この科学者たちは、海岸に接する木々がごくわずかしかないことすら知らないのか?
※1
海岸に接していなくても河川に流れ込めば最終的に物質は海へと到達することすら理解できないのか?
>>2
今現在の陸と海の面積比でさえ3:7w
しかも海の体積は約14億立方キロメートルw
当時の数字は知らんが
陸地の栄養素がどれ位の量あれば影響及ぼせるのか
この仮説、説得力ある数字を出してくれないとなw
>>22
海洋の生物量は陸地に近い浅海域に極めて偏って多いことが知られている。
更に、このような古生物学上の数字では、化石の保存の問題でなおのこと情報が浅海域に偏る(絶滅率の推計が実際の海洋全体のそれより浅海域のみのそれに近付く)。
このため、海洋全体の水量と陸地面積の比較は何の意味も無い。
この程度のこともわからないのに研究を否定するとは、身の程を知らないとは恐ろしいものだ(笑)。
>>1
大抵の科学者はあなたより賢く蓋然性を考慮されてますよ
※4
権威主義だな
自分の頭で考えることができない
だからあなたは騙される
※1
甚だ不遜な話であるが失敗してる人を見るとこれは明日の自分だと戒める
そして謙虚になろうと思う
※1
雨によって流れ出す。
「雨の降り方や、川が通ってくる場所によって、川の水に集まってくる栄養分の種類や濃さが変わってくることが知られています。」
> 研究チームのガブリエル・フィリペッリ氏は、「古代世界で起きた破壊的な自然現象についての新たな洞察は、今日の人間活動によっても同様なことが起きるという警告かもしれません」と語っている。
そんな無茶なw
てかこの人は人間による砂漠の緑化も反対するのかな。
※3
現に排水の影響で赤潮が発生したってのは日本でもかつてはよくあって
対策がなされた結果改善されたって歴史があるんだが
※3
※6
確かに排水で赤潮が発生したりしたけど、それも人間の活動圏内という局所的な影響にとどまる。
この記事は全地球規模での富栄養化があったという話で、さすがの環境破壊種である人間でも沿岸部以外にまで影響は及ばさないだろう。
とはいえ、だから問題ないってワケでもないが
それまでは根がなかったということに・・・
一本の棒状態だったんだろうか
そういえばイチョウの木とか真っ直ぐだけど
根もストーンとなってるのかな
※5
それまでは、波打ち際の藻類
→ 湿地のコケ類 → 水辺の数センチ程度のシダとかの草
って感じの地を這うような植物で、
あまり地中で支える「根」という構造が無かったっぽい。
埋まった地下茎で吸った水分を 維管束で地上の枝葉に送る
という専用の機能分化ができていくと、乾燥した土へも進出し
日光の奪い合いの高さ競争で巨大化していったらしい。
陸と海の栄養循環に関しての有名な例として襟裳岬が有名であり、陸の植林を行ったところ海に適切な量の栄養が流れ込むことで漁獲量が向上した。
デボン紀はまだキノコ等菌類が進化途上だったので、枯れた樹木が分解されることなく海に栄養分を供給したものもあれば、腐らず石炭になって現代の人間の生活に貢献することにもなった。
※7
NHKでやってたけどそうだよね
と言うことは根の栄養が海に流れ出すなんてあり得ない
もしこれが正しいので有ればきのこ研究がひっくり返るぞ?
何隻のこの誕生が2億年以上早くなるから
※16
キノコが木材を分解するっていうのは細胞壁成分の「リグニン」分解の話であって、無機塩類はキノコなんかなくても枯れた根からかんたんに溶け出すと思うよ。
地球の海全部が赤潮になったってこと?
そうとうな量だと思うんだけど
>>9
浅海域だけがそこら中酸欠になってたらそこらに棲む海洋生物は滅んでしまう
そして圧倒的多数の海洋生物はその浅海域に生息してる
外洋のみに棲む生き物は絶滅を免れたんじゃね?知らんけども
80%滅んでもどうにかなって今があるって考えたら楽になるね
絶対ねーわ
ありえないレベルで酸素が増えた時代でもあるじゃん
海にはこれまでより大量の酸素が供給されただろ
>>11
水中に取り込める酸素量は有限だぞ
空気中から水に溶け込むのもじれったいくらい遅い
鯉飼ってるけど、夏場とかは少しでも過密にすると酸欠になる
水中では酸素は貴重なのですよ
※11
藻やらが増えると昼間は光合成で酸素が溢れるんだが、夜になると酸素を根こそぎ奪う窒息地獄。土壌が薄いと本当に弱い
一度崩壊するとヘドロ同然、自浄も望めず死体が積もりそこから沼地、湿性林と遷移し最終的に極相(陰性常緑林)となる。こうなると大噴火でもないと崩れない
大量絶滅の原因かはさておき海→湖→湿地→林→極相っていう木の鉄板シナリオが昔からあるのよ。おかげで俺たち地上生物が土の上で暮らせてるんだなぁ…
※23
マリモで有名な阿寒湖も
近くの町が水質浄化に力を入れたら
水面が水草で覆われちゃって
このままじゃマリモが死滅してしまうってなったときに
台風が北海道に上陸して
水面の藻を全部湖岸に寄せてったことあったなあ
中々面白い仮説だったわ
それなら残った20%に木からの栄養を使える掃除屋的なのが居て繁殖しつつ海を回復してったって感じになるのかな
3億年前には私達が見知った植物も動物もいないと考えるともしタイムスリップして3億年前に行ったとしても地球だって分からないかもしれない
※脱字情報
「酸素をあっという吸いつくし、」
そういや、木の根っこじゃないけど、地球の歴史。
とある進化したバクテリアの出現と、そのバクテリアが生産する猛毒のガスによって、当時の地球の大気が致命的に汚染され、当時の地球全生命のほぼ全て99%以上が死滅したらしいね。
生き残ったのは毒ガスに耐性のあったごく一部の生物と、地中奥深くとか汚染された大気に触れない場所で生きていた生命のみだったとか。
数十億年経った今でも、なおその “破滅的大気汚染” は回復してない。酸素はいまだに地球の大気の20%程も含まれたままだ。
そんなこともあるわけだから、木の根っこが進化して大量絶滅することもあるんじゃないかな?
※18
毒も量次第では薬になるって感じで、その破滅的な大気汚染を生き延びた生物は使えるエネルギーが増えて飛躍的に進歩できたけど、そういう見方も出来るのは面白いな。
>>18
そのバクテリアはシアノバクテリアと言って、猛毒のガスは、酸素って名前のガスなんだけどなw
まるでDHMOの話みたいだな
DHMOとは、水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。温室効果を引き起こす。重篤なやけどの原因となり得る。地形の侵食を引き起こす。多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。その危険性に反して、DHMOは頻繁に用いられている。工業用の溶媒、冷媒として用いられる。原子力発電所で用いられる。発泡スチロールの製造に用いられる。防火剤として用いられる。各種の残酷な動物実験に用いられる。防虫剤の散布に用いられる。洗浄した後も産物はDHMOによる汚染状態のままである。各種のジャンクフードや、その他の食品に添加されている。
ああ、怖ろしい
※30
普通に酸素は毒だよ、その分エネルギー効率は良いけど。
我々人間が呼吸できてるのだって酸素濃度がちょうどいいからであって、もし仮に100%酸素なら普通に死ぬよ
なるほど。そして溶存酸素が減った海洋から魚が陸上進出して、石炭紀の森の中で大いに繁栄し、一部は肺を獲得した後に海へ戻って鰾を得た。そう考えると完全に筋が通るね。
>>枯れるときにそれを水中へと放出する。
根の栄養がどうやって水中に出るの?
バクテリアがまだ進化していないんじゃ無かったの??だから石炭が生まれたんじゃなかったの?
詳しく無いから分からないんだけど、自動的に溶け出す物なの?
>>24
論文の方を読むといいんじゃないかな
関連記事で過去記事として
>>デボン紀後期に起きた大量絶滅は超新星爆発の影響によるものとする研究結果が報告される
というのが出てるのがいかにも科学者の夢が広がる話ですね。
多くても駄目、少なくても駄目なのは海も同じというわけか
なんだ、きのせいだったのか、、
大量絶滅って悲しい事だけど、それがあったから今の生態系が作られたわけで一概に善悪は語れないよな。
現在生息してる水中生物の何倍もでかくて強いヤツらが今も居たらと思うと木の根と藻と白アリに感謝しないとな!
なぜ光合成する藻類が増えて酸素が過剰ではなく逆に不足するのか教えてもらえませんか。藻類自身が呼吸に酸素を使うにしても二酸化炭素を固定することで体を作っている以上トータルでは生産する酸素量の方が多いと思うのですが。死んだ藻類の分解に消費される酸素の方が多いとしたら、光合成する生物の中で死んだ後まで含めて酸素の収支をプラスにしてくれるものってあるのでしょうか。
※38
酸素は水に溶けにくいから。光合成生物が放出した酸素の多くは空気中に逃げるし、夜になれば光合成が止まり、わずかに水中に溶けた酸素の奪い合いに藻類も加わる。そうすると、溶存酸素はさらに少なくなり、多くの動物が窒息する。収支がプラス=溶存酸素が高濃度で安定というわけではないってこと。
そもそも水中の生物というのは、溶存酸素量の多い水面近くにほとんどが生息していて、貧酸素環境で生きられる種はごくわずか。だから、現代でも赤潮や青潮が発生すると魚が大量死する。
※39
詳しいご説明ありがとうございます。だとすると海に汚物をぶちまければ
藻類の光合成+夜間低酸素で動物死滅による二酸化炭素排出量減少
のダブル効果で一時的には温暖化に歯止めがかけられるんではと妄想してしまいました。もちろん生態系は滅茶苦茶に破壊するし漁業は壊滅でしょうが。