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見せしめのための刑罰道具、中世ヨーロッパの「恥の仮面」

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(著) (編集)

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image credit:Fotokon / Adobe Stock/Science Museum Group Collection / CC by SA 4.0
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 お祭りとか仮装用?それとも儀式か何かかな?と思いきや、なんとこれらの仮面は刑罰の一種晒し(さらし)刑に使用された道具だ。

 これらは「恥の仮面」または「恥辱のマスク」などと呼ばれるもの。世界中で古くから行われてきた独創的な処罰の1種で、秩序を乱す人間に無理やり被せて恥をかかせ、懲らしめるために開発された特別な仮面なのだ。

 中世ヨーロッパのころに考案されたユニークな社会的制裁スタイル。グロテスクだったりシュールだったりする恥の仮面のバリエーションを見てみよう。

中世ヨーロッパの罰の一つ。屈辱に満ちた「恥の仮面」

 中世ヨーロッパにおける拷問や罰、屈辱に関する熱意と創意工夫はすさまじかった。

 その一つである「恥の仮面(Shame Masks)」は、うわさ話や暴食、盗み聞き、または虚言で有罪となった人、特に女性を罰するために考案されたという。

 素材は主に冷たく頑丈な金属製で、その当時考えつく限りの屈辱に満ちたデザインが採用されたため形も多様だった。

 現代では博物館などに収蔵されている仮面の一部がこちらだ。

1. 頭上に鈴と口元に金属の歯
 1550年から1800年代のドイツで使われたもの。

 一見スターウォーズのC3POぽいが、よく見ればかぶったら最後、首輪でロックされ動くたびに頭上の鈴が鳴り、話そうとするたびに金属の歯が口を傷つける拷問のようなデザインだ。

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image credit:Science Museum Group Collection / CC by SA 4.0

2. 鳥かごのような鉄のマスク
中世の拷問博物館のアイアンマスク

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image credit:celiafoto / Adobe Stock

3. 豚をイメージ?飾り付きの奇妙な仮面
オーストリアのザルツブルクにある要塞博物館の所蔵品

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image credit: Klaus D. Peter / CC by SA 3.0

4. おどけたようなヒゲ付きバージョン
実は視界も遮られてる中世の屈辱的な仮面

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image credit:celiafoto / Adobe Stock

5. 口を覆う楕円の仮面
ジェイソンマスクっぽい?イギリスのロンドン塔独自の仮面

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image credit:Wellcome Images / CC by SA 4.0

6. 道化師か悪魔?角みたいな装飾つき

眉間にしわを寄せてるような表情が不気味。18世紀のもの

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image credit: Anagoria / CC by SA 3.0

7. 無骨で長い不気味なお面

シンプルさがじわる。中世の拷問博物館の鉄仮面

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image credit:celiafoto / Adobe Stock

8. 口先ストローで食事も息もキツいやつ
着けてるだけで窒息しそうな拷問用マスク

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image credit:Thomas Quine / Flickr

9. 口が穴だけ!長い耳と口ひげマスク
16世紀のスコットランドで使われた鉄のマスク

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image credit:postdlf / CC by SA 3.0

10. アイアンマンに激似
マーベルコミックのヒーロー「アイアンマン」そっくりのマスク

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image credit: celiafoto / Adobe Stock

11. 口がラッパのおじさん風
噂好きの人につけたのかな。ある博物館の収蔵品から

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image credit:Public domain

12. なんちゃって騎士風
ドイツの拷問博物館より。立派なひげと頭上に鈴があるデザイン。17~18世紀のオーストリアのマスク。

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image credit:CC by SA 2.0

13. 長い舌と錠付きのおどけたマスク
大きな錠前が怖い。長い耳と飛び出た鼻、舌を出してるバージョン。中世のポーランドで使われたもの。

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image credit:Fotokon / Adobe Stock

14. 権威に逆らった女性用
大きな鼻に奇妙な形の耳、ねじれた角があるマスク。

 このタイプは権威に異議を唱える女性に被せて公衆の前で辱め、罰するために使われたそうだ。口元も内側に金属が突き出てるような?

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image credit:Wellcome Images / CC by SA 4.0

馬具を模したり痛みを与えるものも

 イギリスなどでは「叱責の手綱(またはくつわ)」とも呼ばれた恥の仮面の基本形は、着用者の頭部を覆うマスクまたは檻を模したタイプで、施錠できる鉄のくつわ(本来は馬の口にあてて動きを操作する乗馬の道具)とセットだった。

 その中には被せられた女性の話を禁じるために、口の中に金属が突き出るようにしたものや、その金属をギザギザにとがらせて話そうとするたびに痛みを与えるものもあった。

 奇異なマスクを無理やり被せて公衆にさらし嘲笑を浴びせる。こうした罰は中世から中世から18 世紀にかけてのヨーロッパの本土ではよく見られ、噂好きな女性だけでなく夫を尻に敷く妻などもマスクの刑に処された。

 現代ではありえない野蛮な伝統だが、その用途や目的はさておきマスクの出来そのものには目を見張るものがある。当時の鍛冶屋の高い技術と想像性に富んだデザインは現代でも充分魅力的だ。

昔からあった恥を罰にする社会的制裁

 隣人や地域社会のひんしゅくを買ったり、権威に反抗した「不道徳な人」を捕まえ、不気味でおかしなマスクの着用を強制して恥をかかせて黙らせたり。その意志をくじくという単純明快な目的のために作られた「恥のマスク」。

 まああれだ。恥を罰にする社会的制裁スタイルは今でも連綿と続いているような?

 ただ欧米の人がコロナでもあまりマスクをしたがらなかったのはこの罰を連想するから?それともこんな罰にするほど昔から顔を覆うものに嫌悪感があったから?なんて思うのはわたしだけかな。

References:ancient など /written by D/ edited by parumo

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この記事へのコメント 32件

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  1. 日本の場合も入れ墨が罪人への罰でしたね
    ちなみに入れ墨と彫り物は全くの別物です

    • +8
    1. 自分が装着している姿を想像したら、わりと恥ずかしくてワロタw これはできる>>1

      • 評価
  2. ナウシカの漫画版に出てくる蟲使い達のお面か。

    • +1
  3. 主に女性に使われた?
    生意気な女には恥をかかせてやろうと考えで作られたなんて感じ悪いね

    • +18
    1. >>5
      肉体的な拷問されるよりマシだろ
      おそらく男にはそっちをしてたんだろうしな

      • -4
      1. 人間って古今東西、他者を苦しめたり傷付けたり嫌がらせしたりするのにものすごく頭使って工夫してるよな…

        >>10
        男なら普通にすることでも女がやるのは生意気だからダメという主旨で使われたことが多いみたいなので、一概に比べることはできないよ

        • +17
  4. 案外現代だとこれのほうがいいかもね
    性犯罪者とか前科者が見た目で分かるように

    • -1
  5. 現代じゃバカ発見器と言われるtwはじめ、SNSで自分の恥を世界に発信できるから仮面なんていらないな。

    googleマップのタイムラインで怪しげなお店のロケーションを公開してしまった俺が言うんだから間違いないorz

    • +4
  6. 病的にカッコつけたがる現代人には最適な罰やね。

    • +2
  7. マスクは吐く息を抑える道具なので…熱もなんもないのに「わたしめの吐く息はばい菌でございます」ポーズは屈辱的と受け取る文化もあるでしょうね。
    お医者さんがマスクしてるのはそうすると本人が強くなれるという医学的根拠からではなく、相対するか弱い患者さんやその傷口を慮ってのことなので。

    • -7
    1. >>11
      マスクしてる方が楽。春は花粉症だし。秋冬は吸う息が冷たくないし風邪予防にもなる。
      顔にも自信ないし。マスクしてたほうが若く見られる。
      鼻の穴に虫が入るのも防げる。
      いい世の中になった。コロナ終わっても真夏にマスクするつもり。
      今コロナで6日間熱出てるけどね。

      • +3
  8. ムカつく奴に恥をかかせるためにこれだけの細工をする情熱がすげーよな
    もう逆に愛だろそれ

    • +7
  9. 寒い地域だと金属が顔に張り付いて恥辱どころじゃ済まない本物の拷問具になるらしいぞ鉄仮面は

    • +7
  10. 顔隠れる奴はあんまり恥ずかしくないのでは?

    • +1
    1. ※18
      俺も一瞬思ったけどよく考えると当時の社会は現代人的感覚の「赤の他人」ってのは生活圏内にほとんどいなくて
      都市の住民ですら周りは知り合いばっかりなんで多少顔が隠れても「この妙な仮面を被されてるのはどこの誰で何やらかしてこうなってる」ってのは割と知れちゃうし
      引っ越しして新天地で再出発ってのも難しいんで罪人扱いを免れるのは容易ではなさそう

      • +7
  11. テッセヴー テッセヴー
    おしゃべり女の舌を抜け~

    • +4
  12. この系統の装着物は長期の装着により鋭利な部分からの傷など感染症で命に及ぶケースもあったというのが震えますね。そうなってもいたしかたなしという地域社会に漂う意志もあったのだろうか。

    家の決まりに反した女性への罰として家長が公共の長に装着の沙汰を求める、別派の教義を説いた女性には舌を圧迫する装置付きのマスクなどなどあったようだと聞くと、当時の法の拠り所や有力者構成のしくみなど今に繋がりながらも今より重さ方向性違うでしょうし真顔になってしまう。
    罪とされる部位を強調し周囲に知らしめるためのパーツがつくってことは罰が決定してからのオーダーメイドになるんですかね。

    • +5
  13. 最近見たディープハウスって映画でこれが出てたわ。
    結構一般的に流布していたのかな。解説見るに近代まで続いてるし

    • +1
  14. マスクのデザインはたしかにプッと吹いちゃうくらい楽しいんだが
    女性をいわば虐げるためのものだと思うとちょっとモヤモヤする

    • +1
  15. こんなもの被らなくても僕の顔は屈辱的で恥ずかしいんだが…

    • +1
  16. 女性への弾圧だと思うと笑えないな…
    そして、どうやって飯を食うんだ?というくらい口が小さいデザインが多いけど、どれくらいの期間強制されてたんだろ

    • +2
  17. ベルセルクのグリフィスの仮面を思い出した

    • 評価

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