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カフェインの代謝物質に子供の近視進行を遅らせる効果を確認

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(著) (編集)

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 コーヒーなどに含まれるカフェインがもたらす健康効果は続々と報告されているが、目にも良いとする研究結果が新たに報告された。

 カフェインを飲むと体内で作られる代謝物質(代謝産物)が、子供の目を近視から守ってくれることが判明したそうだ。

 すでにデンマークでは行われている治療法で、カフェイン代謝物質をサプリメントとして飲むことで、子供の近視の悪化が予防されると期待されている。

 この研究は『British Journal of Ophthalmology』(2022年8月22日付)に掲載された。

近視の原因

 近視の発症は「遺伝的要因」と「環境要因」の両方が関与すると考えられているが、その原因は、眼球の奥行きが長くなりすぎて(眼軸延長率の増加)、ピントが網膜の手前であってしまうことだ。

 よくあるケースでは、6~7歳で始まり、16~20歳まで進行する。

 近視はただ近くのものが見えにくいだけの症状ではない。黄斑変性症、緑内障、白内障、網膜剥離といった、さまざまな目の病気になるリスクも高まる。子供の親としては気になる症状だ。

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photo by iStock

カフェインの代謝産物に眼軸延長率を低下させる効果

 そこで期待されるのがコーヒーなどに含まれるカフェインだ。

 これを飲むと、体の中で分解されて「7-メチルキサンチン(7-MX)」という代謝産物ができる。

 じつは予備研究では、このカフェイン代謝産物が、目の過度な伸びを防いでくれるらしいことが示唆されていた。

 デンマークでは、すでに2009年から子供の近視治療に7-MXが使われている。にもかかわらず、これまでその長期的な効果を調べた研究がなかった。これが今回の研究が行われた背景だ。

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photo by Pixabay

新たな研究で効果を確認

 今回の研究では、2000年6月から2021年1月にかけてデンマークの眼科で近視治療を受けた子供711人(女子356人、男子355人)の医療記録がレビューされた。

 7-MXの服用を始めた時点の平均年齢は11歳(7~15歳)。9割の子供たちが、毎日平均470mgを服用しており、平均3年半にわたってその効果が追跡された。

 その結果、7-MXを服用すると、眼軸長の伸びが緩やかになり、近視の悪化が抑えられることがわかったそうだ。

 例えば、度数が-2.53Dの7歳の子供は、 何も治療しなければ、その後の6年で平均-3.49D近視が進むという。この度数は、レンズの視力矯正力を表している。

 -3.49Dの変化は、適切な視力にするためにそれだけ度が強いレンズが必要になったということだ(一応の目安として、視力0.2の近眼の人が-2.5Dのメガネをかければ、視力1.0くらいになる)。

 だが7-MXを毎日1000mg服用していれば、6年間の近視の悪化が-2.65Dに抑えられたという。

 また11歳児なら、何も治療しなければ、6年で-2.27D進行するが、7-MXを服用すれば-1.43Dに抑えられる。

 しかも研究対象となった子供たちの中に、副作用が出た子は1人もいなかったという。

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photo by iStock

新しい子供の近視治療として期待

 こうした結果は、過去の研究結果がそのまま再現されたものだ。

 ただし遺伝的要因や近くを見続けた時間など、近視に関係するさまざまな要素を考慮していないため、因果関係までが証明されたわけではない。

 しかし、きちんとした実験によってこの点が確認されれば、カフェインの代謝産物である7-MXは子供の目を守る近視治療薬になると期待されるそうだ。

 これはあくまでもカフェインを分解した時にできる「7-MX」の効果であって、カフェインを直接大量に摂取すればよいという話ではないので誤解のないよう注意して欲しい。

References:Caffeine Metabolite May Slow Progression of Nearsightedness in Children / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 20件

コメントを書く

  1. ips細胞研究が進み飲み薬で近視が治る時代が来てほしいぜ

    • +4
  2. 個人的には近視は過度の糖分摂取が原因だと思ってる。それによって急性の糖尿病の症状が現れ、血管新生に異常が起きるものの、子供は回復力があるから気付けないというのが近視に限らず現代病の根本ではないかなと。

    ただし脳の発達には糖分が必要で、現代病は人類が脳を発達させるほど生まれた副産物なのだろうと思う。幼少期の糖分コントロールは重要な問題になると思う。

    • -9
    1. ※2
      なんでも糖質のせいにするのは辞めませんか?

      • +1
    2. ※2
      なかなか興味深い仮説ですね。残念なのは私は検証するすべを持たないことですわ。高血糖は血管を傷つけるという話からも仮説には有利そうだしあるかもなーとは思いました。

      ※5
      成長中の子供は眼球の前後長も成長するわけで、成長が止まった大人には効果がないだろうということだと思います。何らかの方法で大人の眼球の前後長を短くできるなら近視も改善できるだろうと考えられます。今はそういう方法がないので、眼鏡以外はレーシックのような眼球のレンズを加工する方向くらいしかないんですね。近視で老眼なわたくしは眼鏡をつけたり外したりで済ませています💛

      • 評価
      1. >>11
        強度近視で網膜が薄くなっていると、糖尿病の高血糖で失明することがあるってだけ。まぁ、合併症だな

        • +1
  3. 実用化が期待される結果だけど
    毎日服用するとなると、どれくらいのコスト
    になるのか気になる。

    • +1
  4. カフェインって身体に悪影響ばかりありそうだと勝手に思っていたけどこれは意外だ
    良いもんだね コーヒー買ってくる

    • -2
    1. ※8
      早まっちゃダメ。
      これはカフェインの代謝物質である7-MXを1000mg摂取という話であって、カフェインを1000mg摂取ではないよ。
      カフェインを毎日1000mgも摂取するのは現状、いろいろ悪い影響があると予測されます。詳しくは農林水産省HPの「カフェインの過剰摂取について」を見てね。

      • +4
  5. 既に低濃度アトロピン点眼薬が近視抑制に高い効果を発揮しているよ。小学生の近視は、保険適用にして国で使用を積極的に推奨すべき。
    強度近視によって将来、緑内障、網膜剥離、加齢黄斑変性などで失明する人間がどれだけ多いか。

    • +3
  6. VRで視力回復という話がある。検証解明こそされていないけど、アメリカでは病院で視力矯正VRツールが採用されていたり、一般向けに販売もされていたりするんだとか。
    自分はコンタクトレンズに年間数万円を毎年払っているけど、VRゴーグルは一回買えばいいからねえ。自分でも試してみたいけどパッと治るならともかく、徐々に治っていくとなるとその間度数が合わないコンタクトや眼鏡をすることになるからなかなか手が出ない。
    まあでも低下予防に7MX、回復にVRと組み合わせて近視に悩まなくていい時代がきてほしいな。

    • 評価
    1. >>13
      眼軸が前後に伸びてしまう軸性近視で、VRやらなんやらでピント調節機能をリフレッシュさせることは、なんの解決にもならないよ。気休め程度

      • 評価
    1. >>14
      レーシックやった時「一緒に治しちゃいましょ」の一言で治ったよ
      だからまあ手術すれば治るわ

      • 評価
  7. サプリという発想に問題があると言いたい
    コーヒーや紅茶や緑茶で良いじゃない

    • -4
    1. ※18
      算数ができる人ならそんなことは言わない

      • 評価
    2. ※18
      特に若年層でカフェインを過剰に摂取する弊害も指摘されているので、カフェインそのものを摂取せずにその代謝物質である7-MXをサプリメントで摂取することには合理性があるね

      • 評価
  8. 重要なのはきちんと医師による処方を受ける事で
    親が自分の独断でコーヒー飲ませてたらいいでしょw的な感じにならないことですね。
    どんな物質にも接種していい容量がありますので。

    • +4
  9. うちの両親が子供だからコーヒー禁止などと言わなければ

    • 評価

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