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サメは泳ぎ続けないと死んでしまうから寝ない?いくつかの種は眠る証拠が発見される

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(著) (編集)

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 サメは泳ぎ続けていないと死んでしまうから眠らないという噂を聞いたことがあるだろう。だがこれは真実ではない。500種以上も存在するんだもの、中にはじっとしているサメもいれば、眠ることができるサメだっている。

 その事実はわかっていたのだが、新たな研究により、サメが眠ることを生理学的に裏付ける初の証拠が提示されたという。

じっとしているサメ、実は眠っていた

 私たちは毎晩眠る。イヌやネコだってそうだ。鳥も眠るしタコだって眠る。それなのにサメの眠りについてはほとんど知られていない。

 そこで西オーストラリア大学の生態生理学者マイケル・ケリー氏らは、夜行性の「ニュージーランドナヌカザメ(学名 Cephaloscyllium sabellum)」に眠っている兆候がないかどうか調査することにした。

 体長1mほどのこのサメは「待ち伏せ型」のサメで、停止していても呼吸ができる構造のエラを持っており、体を動かさないで休憩することが知られている。

 しかも、過去の研究では、休憩中のナヌカザメが、より大きな電気ショックでないと反応しなくなることが確かめられていた。

 今回の研究では、休憩中には酸素濃度もまた下がることが判明。このことから、5分以上じっとしている場合はまさに眠っていることが確認された。

 睡眠中は刺激にも鈍くなり、代謝率も低下することもわかったそうだ。

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image credit:Biology Letters (2022). DOI: 10.1098/rsbl.2021.0259

目を開けたまま眠ることも

 ちなみにニュージーランドナヌカザメは、目を開けたまま眠ることもあるのだそう。ところが日中は、目を閉じて寝ることがが多くなる。

 このことから、目をつぶかどうかは、眠るためではなく、光の有無といった外的要因が関係していると考えられるそうだ。

 夜の場合、熟睡しているときでさえ(いくつかの指標から判定)38%が目を開けたままだったという。

 人間の場合、目をつぶって横になっていれば、まあ眠っているだろうと推測できる。一方、ナヌカザメの場合、眠っているかどうかはむしろ姿勢の方が重要であるようだ。

 彼らには体を平らにして眠る習性があるのだ。

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ニュージーランドナヌカザメ image credit:Victorgrigas / WIKI commons

遊泳性のサメも眠る?

 サメには「遊泳性」と「待ち伏せ型」があり、「待ち伏せ型」は、頬筋がポンプとなり、エラに酸素を含んだ水を流し続けられる為、長時間じっとしていられる。

 だがホホジロザメなど「遊泳性」のサメにはこのようなポンプが備わっていない。だから常に泳ぎ続けて、口からエラへと酸素入りの水を流し込んでやらねばならない。この呼吸法は魚類用語で「ラム換水」と呼ばれている。

 では、ラム換水で呼吸する仲間はどうやって眠っているのだろう?

 ある説によると、その秘密は泳ぎのコントロール法にあるのだという。

 1970年代の研究は、アブラツノザメの泳ぎが、脳ではなく脊髄でコントロールされていることを明らかにしている。だとするなら、ホホジロザメなども眠ったまま泳ぎ続けることができるのかもしれない。

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photo by iStock

眠りの進化を解く鍵

 眠りは未だ謎が多い機能だ。しかしサメの眠りについて理解が深まれば、私たちの眠りの進化についても解明されるかもしれない。

 サメは最初期のあごを有する「顎口類の脊椎動物」だ。眠りを必要とする多くの動物にとって、サメは遠い祖先に当たるのだ。

 研究グループは今後、脊椎動物の眠りの秘密を解き明かすために、脳活動の変化といった他の生理学的指標に焦点をあてて眠りを探究する予定であるそうだ。

 この研究は『Biology Letters』(2022年3月9日付)に掲載された。

References:Biologists Just Totally Proved Wrong a Long-Standing Rumor About Sharks / Analysis of draughtsboard sharks’ metabolic rates suggests they sleep / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 15件

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  1. ネムリブカとか有名だし、ヒドラが寝てる」って報告から「全ての生物は寝る」んだって聞いたけど…
    寝落ちするのがわかったってことかな?
    アザラシも海底に螺旋に落ちながら寝るとバイオロギングで発見されたしね。

    • +1
    1. >>2
      実際に生理的状態から眠っていることを確認したということで、
      実証に意味がある。
      ヒドラが眠ることから系統的に多くの動物が眠ると予測されるとしても、
      何らかの理由で「眠らない」能力を獲得した動物がいないとは言い切れない。
      その点で、この研究は
      「サメも『眠らない』能力は獲得していない蓋然性が高い」
      ことを示している。

      • +4
  2. 眠らない動物なんていないだろ。
    サメは眠りながら泳げるってだけだろ。

    • 評価
    1. >>3
      この研究の対象のサメは
      泳がずに眠っているってのがわかったって記事だよ

      • +4
    2. ※3
      生物は眠らないほうが普通らしいよ、進化の過程で睡眠を獲得したらしい。
      個人的な想像だけれど、AIで言う所の教師なし学習の過程を睡眠中に行っていて、記録済みデータを使って最適になるまで試行していて、最適化中の内容が意識に上がってしまったのが夢なんじゃないかなぁなどと想像している。
      試行内容を憶えていると実際にあった事と脳内シミュレーションがごっちゃになるので、起きる直前に記憶を消すシステムが脳に備わっていて、うまく機能していない時に夢を憶えているんだろうな、とか。
      で、教師なし学習(睡眠)を獲得した結果が睡眠+高い生存率なのでは?と

      • -4
  3. ダイビングするけど、潮流の速い海底でじっとして寝てるよ。
    イルカは左右の脳を交互に休ませることが出来るから、右目を閉じている時は左脳は寝てるらしいよ。

    • +1
  4. 記事内の画像がもちもちしてそうでかわいい

    • +1
  5. 反射で泳ぎ動作を制御することで「寝惚けて動き回る」を実現するサメ、停止していても呼吸を維持できるサメ、眠っている間は省エネモードのさながら「冬眠」状態のサメ。

    一般的なイメージでは括れないなあ。

    • +1
  6. つい先日、飛びながら寝る渡り鳥の話があったね
    飛行中よりは難易度低そうではある

    • +1
  7. よくよく考えると一日の内に数時間は眠らなきゃいけないって、生き物として致命的だよな。

    • 評価
    1. ※10
      それで生き物はこんだけ繁栄してるんだから
      ぜんぜん致命的じゃないよ

      • 評価
  8. ヒドラの話で言えば睡眠が脳ではなく細胞によるものであるなら、一つの生命体の中で二組の細胞グループにわかれて交代で働いて実質的にずっと起きていられる生物とかいないのかな

    • +1
  9. まあ「眠らない人」もいるのだから、種として眠らないモノもいるのだろう(見つかってないだけか、かつて居たか知らないけど)。

    余談だが「ナヌカザメ」は七日鮫であり「七日経っても腐らない」の意味。
    鮫の仲間は身体にアンモニアを含み腐敗しにくいそうだが、この鮫は良く見かけるのか食べると旨いのか、身近かな鮫であったようだ。

    • 評価
  10. サメの場合ネムリブカみたいに昔から眠る事が知られてる種はいるしなぁ
    一部のサメ含む泳がないと窒息する回遊魚の類も、夜は海流の流れに乗って流されながら眠ってるって記事もあったし、泳がないと窒息する事は眠らない事を意味しないと分かってきた
    植物ですらどうやら睡眠するらしい事がわかってきたし、いよいよもって眠らない生き物なんてバクテリアとかカビとか単細胞生物くらいしかいないんでなかろうか

    • -1

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