
タイで今月初め、虐待に苦しんでいた54頭ものアジアゾウたちが広々とした聖域に放たれた。
象たちはみな地元の興行場で芸を仕込まれ働かされていた。だが、新型コロナの影響で客足が途絶えたのを機に、餌も減らされ鎖につながれたまま、死を待つのみになっていたのだ。
広告
Releasing 54 Elephants From The Chain - ElephantNews
ショーに使われていた54頭の象が広大な敷地に。その過酷な過去とは
上の映像はタイのチェンマイを拠点とするアジアゾウのための非営利団体、エレファントネイチャーパークが今年2月9日に投稿したもの。このほど団体の広大な敷地にやってきた54頭もの象。いまでこそ元気だが、この象たちはごく最近までひどい環境で生きていたのだ。

そんな中、新型コロナウイルスのパンデミックが始まった。
世界を脅かす感染症によるシャットダウンは興行場の象にもショーの中止という形で影響をもたらすようになったのだ。
餌が減り仲間も次々死亡。親子も離ればなれで鎖につながれたまま
だがそれは良い影響とは言い難かった。観客が来なければ象も暇になるが、収入が減る。収入が減れば当然餌代も減らされる。だが経営を維持するにはお金が要る。そのために多くの象が売られていった。
さらに悲惨なことに、売られた仲間のおかげで残りの象が救われることもなかった。
経営が悪化の一途をたどる興行場で、彼らの足の鎖は固定されたまま外されることはなく、その間も多くの象が死亡した。


救出後は家族の再会が最優先。親子もふたたび一緒に!
この団体の創設者で、タイを代表する保護活動家サンデュアン ”レック” チャイロート(Sangduen "Lek" Chailert)さんはこのように語っている。
私たちが救出作業を終えた後、最初にしたことは離ればなれだった家族を再会させることでした。どれだけお腹が減っても苦痛でも逃げることさえできず、ただその場で耐えるしかなかった象たち。だが彼らはようやく聖域で自由な暮らしを手に入れた。


・動物たちが人に搾取される様は悲痛にすぎる。生き物たちを救ってくれてありがとう。あなたたちの偉業は本当に素晴らしい。この仕事に関わるみなさんすべてを心から敬愛します!
・この女性は天使だね。あなたが素晴らしい象のためにしたことや今していることすべてに感謝します。
・子どもの象の声にくずおれそうになった。後でレックさんの声と鎖かない象の声が聞けて良かった!
・鎖が外れる音が雄大な象たちの解放の合図だ。これまでの所業を恥じ入る者、悲しみに浸ったのちに安堵する者。いろいろな種類の涙が流れるだろう。
・すごく幸せな気分。赤ちゃんと母親が一緒にいるシーンだけで涙腺が崩壊する。この取り組みはうまくいってるしこれからもっと成長するはず。
・前半は途中でやめたくなるぐらいつらくて悲しい。でも後のほうでほっとしてすごく感動した。鎖が解かれるまでずっとひどい目に遭ってたんだって思うと心が震えた。象だけでなくそこで働くスタッフたちみんなを讃えたくなった。
・足の鎖や調教に使うフック(手鉤)、それから彼らの悲鳴がいつも悲しくて切なくて仕方がなかった。でも象のために一生懸命な人を知って安心した。あなたの努力に感謝を捧げます。
鎖を外せば逃亡のリスクも。集団にまとめるのが最も困難
一方でレックさんは象の鎖を外す際の課題についても述べている。鎖を外すのは象にとっては間違いなく良いことですが、克服しなければならない多くの課題があります。
特に生まれた時から鎖につながれていた象を開放した場合、他の個体より制御がきかず、逃げる機会を与えることになります。その点はおいしい食べ物を与えることで改善できるでしょう。
もっと難しいのは少数を大きな集団にまとめることで、経験や忍耐だけでなく献身的な働きも必要です。すべての前向きな変化はたくさんの小さなステップで生まれるものです。
恐ろしい虐待から象を救い、世界中の人に理解を広げる
レックさんは、幼いころからタイの動物とふれあってきた。病気の人間のみならず病に苦しむ動物も救おうという精神はシャーマンだった祖父から学んだという。そして10代のとき、無理やり丸太運びをさせられている象を実際に目撃し、恐ろしい虐待から象を保護する道を歩み始めた。それ以後、過酷な労働で使役される象を200頭以上も救ってきた。
そんな経験からレックさんが創設した「象の聖域」エレファントネイチャーパークには、54頭と同様に、人に労働を強いられて失明したり片足を失うなど、つらい過去を持つ象たちがのんびり暮らしている。
エレファントネイチャーパークのFacebookより
人の娯楽や労働のためだけに虐げられてきた象。彼女はこの保護活動を通じて、象を搾取し続けるショービジネスの存在や象と人間とのつきあいかたを世界中の人に広めるつもりだ。
References:cheezburger / youtubeなど /written by D/ edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
>レックさんは、幼いころからタイの動物とふれあってきた。病気の人間のみならず病に苦しむ動物も救おうという精神はシャーマンだった祖父から学んだという。
おじいちゃんからの影響だったんだね
2. 匿名処理班
農民にしてみれば畑を荒らす害獣だからな。
3. 匿名処理班
労働力として大事にされてるならともかく、餓死まで放置とは流石にひどすぎるし保護も当然だわなあ
幸せになれそうで良かった
4. 匿名処理班
コロナは、人にとっては困るものでも、
地球や動物にとっては、よいものなのかなぁ。
この件もだけど、
移動が少なくなって、地球がきれいになったとか、
動物園の客が少なくなって、動物の見られるプレッシャーが無くなったとかを聞くと。
5. 匿名処理班
>>2
森林や広々とした草原、それに河川があれば、象はやたらに人間の所にはやって来ない。
野生動物達の生きる環境を奪ったのは人間。
6. 匿名処理班
グララアガア、グララアガア。
7.
8. 匿名処理班
ガリガリに痩せて、牙も取れて、目も真っ赤に充血して、そして赤ちゃん象を母親と引き離すとか……
動物を愛せない者が動物を飼っちゃいけない。
9. 匿名処理班
人間の愚かさ、未熟さ、傲慢さはもうどうしようもねーな
10. 匿名処理班
つらいです サンタマリア
11. 匿名処理班
>>4
動物園がなければその保護もままならんのよ
そして善悪を意識するのは人間だけだから、コロナは普通に迷惑だよ
12. 匿名処理班
猿回しとかも、おさるさんつらくないかなって心配してしまう。
13. 匿名処理班
人間を憎んでもしょうがないと思うのだが、鎖をとられた瞬間側にいた人間にキックを食らわすとかしないんだな
見分けてるのかな?
14. 匿名処理班
良かったねと言いたいけど、運営的にも管理的にもこれから困難が山ほど待ち受けてるんだろうな
優しい人に良いことか起こりますように
15. 匿名処理班
※2
日本と違って大陸は広いからお互い住み分けられるスペースは十分あると思うよ
16. 匿名処理班
よかったねえ
17.
18.
19. 匿名処理班
>>4
お客がいなくなって餓死するって記事なのですが…
20. 匿名処理班
>>13
逆らわないように徹底的に痛めつけてるのかもしれん
21. 匿名処理班
うそだぞうー🐘
22. 匿名処理班
※6※10
やっぱりみんな「オッベルと象」思い出すのね
それでもせめて人間の手で助けてやれてよかった
苦しんできた象さんたちに幸せな日々が訪れますように
23. 匿名処理班
>>13
象はそこまで馬鹿じゃない。鳥とは違う。
24. 匿名処理班
泣いちゃった。。
25. 匿名処理班
ペット捨てる人と同列に語るのはアレだけど、こういう人たちは何で引き受けてくれる人を探さずに見殺しにしようとするんだろう。
26. 匿名処理班
※1
オーバーソウルしてそう
27. 匿名処理班
バンコク市内で像の見世物禁止だったけれど
夜の繁華街で小象が見世物にされていた・・・芸をさせるのではなく
バナナを買って小象にあげると写真を一緒に撮らせてくれるってものだった
28. 匿名処理班
>>5
生存競争と言えばやむなし。
奪ったのは人間だが人間も種の存続のためやったこと。
実に自然なこと。
人間が増えすぎたとかは無しね。
種が種を増やすのは当然のこと。
地域簒奪は動物だってやっていること。
29. 匿名処理班
※2
この記事と君のコメント、共通点「象」しかないじゃん。
この話の焦点は「ショーのため飼われていた象たちが無責任な興行主によって飼育放棄されていたが死の間際に助けられて、団体の所有する広大な土地に解放された」ってことなんだけど。
農家にとって象が害獣になること自体は否定しないけど、この話題には全然関係ない話出す前に読解力身につけようね。
30. 匿名処理班
>>27
グレーゾーンだけど、それぐらいは多目に見られてるんだろう
31. 匿名処理班
胸が痛いなあ
面倒見きれないならせめて今回のような団体を探して引き取ってもらうなりの対応はしてほしいよなあ
※12
飼育員との絆を深めて動物の習性を利用して遊びの一貫と認識してやってるものもあるので
全ての動物興行が必ずしも虐待してるわけではない
32. 匿名処理班
※5
>野生動物達の生きる環境を奪ったのは人間
だったらなぜキミはちっとも反省しないの?(笑)
キミは他人を攻撃したり他人を変えようとばかりしているよね?
ちっぽけで、何の価値もない自分を変えようとはせずに(失笑)