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「世界一孤独な象」と呼ばれていたアジアゾウ、35年後ようやく仲間のいる保護区へと輸送される(パキスタン)

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世界一孤独な象、ようやく仲間のいる保護区へ image credit: youtube
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 1歳の頃から実に35年にわたり、パキスタンの動物園で鎖に繋がれた状態で劣悪な環境下で飼育されていたアジアゾウのカバーン(オス 36歳)が、このほど余生を過ごすためにカンボジアの保護区へと輸送された。

 「世界一孤独な象」と言われてきたカバーンの救出・保護を巡っては、長年多くの野生生物保護団体が尽力しており、今回ようやくそれが叶うこととなった。

パキスタンの動物園で35年飼育されてきたカバーン

 アジアゾウのカバーンは、1歳の時にスリランカからパキスタンの首都イスラマバードにある動物園に、贈呈品として送られ、以降35年間同園で飼育されてきた。

 しかし、動物園の環境は劣悪だった。カバーンは、水の堀に囲まれた小さな囲いの中で鎖に繋がれて飼われており、2012年に伴侶のサヘリを失ってからは、心身ともに悪化の一途を辿って行った。

 園では、毎日250kgのサトウキビを与えられるのみで肥満化し、絶え間なく頭を左右に振り続けるなど、精神的に不安定な一面も見せるようになったカバーンは、「世界一孤独なゾウ」として報じられ、世界中で知られるところとなった。

 すると、カバーンを園から救出・保護しようとする動物団体らが立ち上がり、米国シンガーのシェールも含めて、カバーンの自由を求める活動が展開された。

 そしてついに、イスラマバード高裁は、今年5月に飼育に適した環境を持たない動物園に対し、カバーンを含む全ての動物を保護区に移動させる措置命令を下し、8月には園を閉鎖するよう命じた。

Cher greets ‘world’s loneliest elephant’ arriving in Cambodia to live with others in sanctuary

カバーン、保護区のカンボジアへ輸送

 世界的な福祉団体Four Paws Internationalは、2016年以降カバーンの救出に尽力して来た団体のひとつだ。

 劣悪な環境の中で飼育されてきたことから、足の指と爪を損傷し感染症を起こしてしまったり、病気になったりしたカバーンの治療を続けて来た同団体のアミール・ハリール獣医師は、カバーンの足の治療はカンボジアへ行っても続けなければならないことを口にしながらも、「保護区には3頭のメスのアジアゾウが待っているので、もしかしたらカバーンは新しい伴侶を見つけられるかもしれない」と、カバーンの余生に大きな期待を寄せた。

 肥満だったカバーンは、この3か月間ではリール獣医師らの治療を受けながら450kgの減量にも成功。

 11月29日、いよいよカンボジアへ向けての輸送作業が行われた。

 巨大なゾウをメタルのコンテナに収容し輸送する作業は、決して容易ではない。精神的に不安定になったり、輸送を拒否する仕草を見せたりした場合は、救済団体のボランティアたちが懸命にカバーンを落ち着かせるよう試みなければならない。

 最悪の場合、カンボジアへ出発するのに数か月かかってしまうことが懸念されたが、どうやらカバーンはスムーズに輸送作業に協力してくれたようだ。

“World”s loneliest elephant” Kaavan to find company in Cambodia

広い保護区で余生を送るカバーン

 無事にカンボジアに到着したカバーンの様子は、多くの動画でシェアされた。

 保護区内で、タイヤで遊んだり鎖なしに歩くカバーンは、ちょっぴり幸せそうだ。

Cambodia: Kaavan, world’s loneliest elephant meets new friend. First handshake in Sanctuary.

 カバーンの保護区への輸送が無事成功したことに救済団体のボランティアたちは大きな安堵と喜びを口にしている。

 なお、かつて500ほどの動物たちが飼育されていたパキスタンの動物園では、8月までにはわずか30のみに減少していたが、それらのほとんどはFour Paws Internationalのスタッフらによって既に各保護区へと移されており、残りの動物においても海外の保護区など引き取り先が決まっているということだ。

Day 2 in Cambodia: Kaavan meets the girls at breakfast

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 14件

コメントを書く

  1. ネコ型ロボ「そういえばゾウも育ててたなアイツ」

    • 評価
  2. 1歳から動物園だろ?
    保護区とは言え生きていけるんか?

    • +4
  3. 人間で言うたら思春期ごろから社会から隔離されてた子が、成人して随分経ってからシェアハウス(グループホーム?)に住むことになった感じか。
    ゾウ語は喋れるのだろうか?

    • +4
  4. そりゃあゾウたちには気の毒なことだったかもしれないが、ド貧困で毎日テロのインドとの紛争国の人たちをみてどう思ったんだろう。動物園関係者の職を根こそぎ奪って全く娯楽の無い街からさらに動物園を消して。それをほったらかしにするのでは、やってることは同じだよ。

    • -20
    1. >>4
      テロ等の脅威と無縁な状態で経済活動に参加できるってだけで、日本はガチで恵まれてんだなって思うわ
      象が来た当時はここまで酷く扱うつもりなんてなかったと思いたい……
      弱きものに対して愛を持って接するという機会が持てない生活って哀しいよ

      • +6
      1. ※7
        そうだね
        35年も飼育したという実績も凄いとは思うかな
        ギリギリの環境ではあったろうけどね
        上から素人のシンガーがどうのこうのはマイナスの評価としてその名を刻もうと思う

        • 評価
    2. ※4
      >ド貧困で毎日テロのインドとの紛争国の人たち

      象には全く関係ないこと。何故象が人間の娯楽の犠牲にならなければならないのか。

      • +8
    3. ※4
      動物を飼育し続ける能力がないと当地の裁判所に判断されたあたりは読み飛ばしたのかな
      ブラック企業にも従業員がいて顧客がいることをどう考えてるのって言ってるのと同じだよ

      • +4
  5. 「孤独に歩め。悪をなさず、求めるところは少なく。林の中の象のように」とはいかんか

    • +1
    1. >>5
      その文句は「もしこの人と一緒にいたい!と思える人と出会えたなら、どんな危険を冒しても添い遂げなさい。もしそんな人と出会えなかったら・・」の後に続くよ。

      • +1
      1. >>11
        最初の部分だけだったら好きな言葉だったのに、いっきに自分には無関係な言葉に変わったわ

        • 評価
    1. ※6
      「かわいそうなゾ」
      「『ウ』言えや!」

      • 評価
  6. 35年か…長かったね
    コレからは楽しく幸せに過ごしていけると良いね

    • +1

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