
親身になり、愛情込めて接することで、その相手との間には信頼関係が芽生え、そして強い絆が生まれる。
それは人間同士だけではなく、相手が動物だって同じことだ。変な邪推がない分、よりピュアな関係を築けるのかもしれない。
タイのエレファント・ネイチャー・パークという保護施設で暮らすゾウのファーマイは、愛情をこめてお世話をしてくれるレク・チャリアートさんとの間に強い絆を結んでいる。
その絆の強いことといったら!
川に入ったレクさんが心配で心配すぎて、万が一にも溺れたりしないよう、全力で守ろうとするほどなのである。
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Elephant acts protective over her favourite person
大好きだからそばにいたいの、ギュっとしたいの
アジアゾウの寿命は48年くらいだ。まだ若年である9歳のファーマイは、施設の創設者でもあるレクさんのことが大好きで、いつも側にいて欲しがっている。
その日も、泥の中で遊びながらレクさんの様子を伺っていた。レクさんの手が空いたと見るや、ハグをしにやってきた。
レクさんもハグそのものは大歓迎だったことだろう。しかし、問題がひとつ。泥遊びをしていたファーマイの鼻は泥で覆われていたのである。

image credit: YouTube
泥だらけになったので川で汚れを落とそうとしたところ...
頭から顔から泥だらけにされてしまったレクさんは、泥を落とそうと川に向かった。すると、ファーマイもついて来たのである。
ファーマイは水浴びをしたいわけではなかった。川が危険であることを本能的に知っていたファーマイは、レクさんのことが心配でたまらなかったのである。
「ファーマイは鼻で私に触れ続け、私が安全であることを確かめていました」とレクさん。「もっとも、ファーマイが触れば触れるほどに、私の泥汚れはひどくなってしまったわけですが」

image credit: YouTube
川にいる間は全力で守るからね!とにかく心配なファーマイ
ファーマイは、川の中に膝をつくいたレクさんの背を守るように前足を上げ、川から上がるときには寄り添って一緒に上がってきた。岸に上がると、川から離れるよう、レクさんを促している。

image credit: YouTube
「時々、ファーマイはどう考えているのだろうと思います。まるで母親であるかのように、常に私を気にかけ、守ろうとしてくれるのです」

image credit: YouTube
ゾウはやさしくしてくれた人間に全力で愛情を示す
大好きな人間を守ろうとするのはファーマイに限った話ではない。レクさんの夫のダリックさんは、川で泳いでいたところ、溺れたと勘違いしたゾウに「助け」られたことがある。
また、ファーマイとレクさんの間の絆がカメラに収められるのもこれが初めてではない。「かくれんぼ」をして遊んでいる動画もある。
Elephant play hide and seek with her favourite person
さらに、レクさんがファーマイに子守唄を歌って寝かしつけていたこともあるのだ。その様子は以前にカラパイアでもご紹介している。
タイのゾウの置かれている現状は厳しいものだった
上記の記事を書いた時点では詳細が分からなかったのだが、実は、ファーマイは初めてこの施設で生まれたゾウなのだ。
ファーマイの母親のマエブアトンは、2005年に保護され、この施設にやってきた。共に保護されたトンジャーンという子ゾウは、ファーマイの姉にあたる。
ファーマイとトンジャーン
マエブアトンは観光業者の元で働かされていた。観光客を背に乗せ、2時間の山歩きをこなしていたのである。一日に、なんと8回も。
だが、このような状態は決して珍しいことではないそうだ。東南アジアの国々では、何千頭ものゾウが観光業のために使われているのである。ゾウが過労死するケースもあるそうだ。
小さかった頃のファーマイとマエブアトン。
現在のファーマイはマエブアトンとほぼ変わらない体格に育っている。
観光業者の方も死活問題だろうし、保護されたゾウはこの動画のような姿を見せてくれたり、無理なく訪問客と触れ合ってくれたりもする。それでも、「保護施設」を必要とするような状況そのものが、できるだけ早く無くなってほしいものである。
もし、今すぐゾウたちのために何かしてあげたくてたまらないという人がいたら、ここから寄付ができる。エレファント・ネイチャー・パークのゾウを選んでスポンサーになることもできるよ。
via: The Dodo / Elephant Nature Park / Facebook など / translated by K.Y.K. / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
足の間にレクさんがいるときは踏まないように足を広げて歩いているし、体格差とその影響も理解しているように見える。ほんと賢い。
俺は引きこもりヲタで行動力が無いのでせめて寄付させてもらおう。少なくて申し訳ないけど。
2. 匿名処理班
動物とここまで仲良く慣れるなんて素敵だな
観光客にゾウの現状を知らせて、料金を適正に上げれば良いのに
動物が過労死なんて可愛そうすぎる
3. 匿名処理班
いつかの動画の人とご夫婦だったのかw
それにしても象は仲間のお墓参りをしたりとかも聞くし愛情深いって聞いてはいたけど、これもいい動画だね
象さんかわいい
4. 匿名処理班
ゾウさんすら過労死するんか...
5. 匿名処理班
あの象に助けられた(?)男の人の奥さんかw
縁があるんだろなぁー
6.
7. 匿名処理班
そ〜よ かぁ〜さんも 過保護なの〜♪
8. 匿名処理班
ゾウさんが人間さんにとる態度で
人間さんが日頃このゾウさんをどう扱ってるのかがそのまま透けて見えるw
大切にされてるんだなあ
9. 匿名処理班
ご夫婦そろって象が好きで、象たちも夫婦のことが大好きって良い環境じゃないか
10. 匿名処理班
あなたは体が小さいんだから心配だわ、って感じ。
11. 匿名処理班
象『おや[一文字不明]、川へはいっちゃいけないったら。』
12. 匿名処理班
何キロも先にある水場の匂いを嗅ぎとる能力を持つ象の鼻からしたら、すぐ側にいる人間の居場所くらい難なく突き止められるでしょうけど、一緒になって隠れんぼを楽しんでるよね。
心優しい、愛情深い生き物である象さんが苦しめられ無い世界になりますように。
13. 匿名処理班
象って優しいくて好き
14. 匿名処理班
お母さんゾウが子供ゾウさんに接する時と同じだね
可愛い!
15. 匿名処理班
交尾しようとしてるんじゃなくて?
16. 匿名処理班
なんやからの方がよかったなあとか何とか
家族愛の強い動物だよねえ
像にまつわる動画って愛を感じさせるものばかりだ
17. 匿名処理班
多様な生き物と共存できて笑い合えるなんて素敵過ぎるよ
18. 匿名処理班
「ダーメ!あなたは鼻が短くて水中で息できないでしょ?!
シャワーなら鼻で水かけてあげるから。」
ゾウがいない地球なんて、考えられないよ!
19. 匿名処理班
見てて全く踏まれる危険が無さそうな脚の動き…凄い賢いんだねゾウさん!
20. 匿名処理班
賢いし愛情深いんだなあ。
21.
22. 匿名処理班
象さんみたいに大きな優しい心をもてたらなあ
23. 匿名処理班
感動して大泣きした
24.