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地球の水は地球が誕生する前から太陽系に存在していたことが隕石の分析で明らかに

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(著) (編集)

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 地球の生命がどのように誕生したのか、これは今も大きな謎に包まれている。1つだけ確かなのは、この地球に豊富にある水がなければ、生命は生まれなかったということだ。

 地球は生命が宿ることで知られる唯一の惑星だが、地表に液体の水が存在することで知られる唯一の惑星でもある。では、こうした水は一体どこからやってきたのか?

 『Nature Astronomy』(2022年2月3日付)に掲載された研究では、太陽系誕生時にまでさかのぼる古い隕石を分析して、そこに含まれる水素同位体の比率が地球の水と一致することを明らかにしている。

 この事実は、地球上に存在する水の起源は、まだ地球が生まれる以前の太陽系に流入した、星間空間に存在している物質であることを示唆している。

隕石が教えてくれる太陽系の情報

 隕石はタイムカプセルのようなもので、太陽系が誕生した頃の様子を今に伝える貴重な情報が保存されている。

 太陽をはじめとする恒星は、宇宙にただようガスや塵の雲が重力で凝集することで誕生する。

 このとき、その周囲にはガスや塵の雲が平らな円盤のように集まり(原始惑星系円盤)、産声をあげた星に流れ込み、その成長をうながす。

 星の成長はやがて終わるが、周囲の進化は終わらない。残った雲から今度は惑星・小惑星・彗星といった天体が作り出される。地球もまたそうした惑星の1つだ。

 そうして作られた岩石の中には、地球よりも古いものがあり、時折隕石となって地上に落下してくる。ほとんどの場合、星の形成プロセスで発生する熱や圧力によって、原始の痕跡はかき消されてしまっている。

 だが、中には当時の様子を今に伝える痕跡が残されているものもあり、そこから太古の太陽系の様子をうかがい知ることができる。

 1962年にカザフスタンで発見された「エフレモフカ隕石」もそうした隕石の1つだ。これが形成されたのは45億7000万年前。45億4000万年前に誕生した地球よりも古い隕石である。

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photo by iStock

隕石から太陽系の水の状態を推測

 フランス国立自然史博物館の地球科学者ジェローム・アレオン氏らは、新たに考案した解析法でエフレモフカ隕石に含まれる「水素同位体の比率」や「鉱物」を調べ、誕生まもない太陽系の水の状態について推測している。

 「同位体」とは、原子核を構成する「陽子の数は同じ」だが、「中性子の数が違う」ものだ。

 たとえば、普通の「水素(軽水素)」の原子核を構成する陽子は1個で、中性子はない。しかしその同位体である「重水素」なら陽子1個と中性子1個、「三重水素」なら陽子1個と中性子2個で構成されている。

 水素は水を構成する元素の1つなので、隕石に含まれる水素同位体の比率から、それが触れていた水について知ることができる。

 たとえば地球の水の場合、軽水素の割合が大きい。ところが火星の水は重水素の割合が大きく、このことから何らかの原因により軽水素が失くなってしまったと推測できる。

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image credit:NASA/Reid Wiseman

地球の水の起源は太陽系に流れ込んだ星間物質

 エフレモフカ隕石の分析からは、まだ微惑星(いわば惑星のタネ)すら形成されていない太陽系最初の20万年間において、2種類のガスが大量に存在しただろうことが明らかになっている。

 1つは、やがて凝集して太陽系内の物質を作ることになる「太陽ガス」だ。

 もう1つは、「水を豊富に含むガス」である。そして、この水の起源はおそらく、膨大な量の「星間物質」だ。これはガスや塵が崩壊して太陽が誕生するとき、内太陽系へと大量に流れ込んできたと考えられている。

 興味深いことに、その水の水素同位体比率は、地球の水のそれと非常によく似ていた。この事実は、今地球上にある水は、地球がまだ原始惑星系円盤のガスや塵でしかなかった頃からすでに存在していただろうことを示唆している。

 私たちが普段何気なく飲んでいる水には、そんな悠久の歴史があるようだ。太陽系黎明期までさかのぼる長い時間を想像すれば、ただの水道水にも壮大なロマンが隠されていることに気づくだろう。

References:Earth’s Water Was in The Solar System Before Earth Itself, Meteorite Reveals / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 22件

コメントを書く

  1. 彗星や火星や小惑星にも水の痕跡と氷があるんだから
    地球じゃなくて太陽系が水の恒星だって薄々感じてはいたよ
    太陽系の周りには水がいっぱいあったんでしょ
    地球が珍しいんじゃなくて、太陽系の水がレアって可能性大

    • +3
  2. 今の太陽よりずっと重くエネルギーがあるが短命だった先代の恒星とその惑星、それが吹き飛んでできた塵の残りということだろう。
    大部分は集まって今の太陽系になっている。

    • +4
  3. 核融合的な影響を受けてない限り、水素同位体の比率なんか宇宙の中心からの距離で概ね決まるんちゃうの。

    • 評価
    1. >>5
      水素の総量での割合じゃなくて、水が生成されたときの話だよ
      他にも勘違いしてる人いるけど

      • +1
  4. 今飲んでる水は宇宙から来て地球を潤し、かつてそれを飲んだ恐竜の体液だったかもしれないし、氷河期に積もった雪だったかもしれない。長い長い水の旅だね。

    • +6
  5. 地球上に存在する全ての物質に同じ事が言えるのでは…と薄っすら思ってしまった

    • +6
    1. ※7
      その通りです。
      我々含む太陽系全てがおそらくは50億年くらい前の別な超新星爆発なりあらゆる元素が、あるいは水含む一部分子が出来た状態からのリサイクル星系です。
      特に水分子は宇宙的に見ても特に珍しい物じゃありません、数世代を経た宇宙空間になら「ありふれた」と言っていい酸素と水素ですから。
      超新星爆発では大凡現段階で名前の決まってるような元素まで一度に合成され散って行きます、つまりウランも何も全部そろっているからこそ「地球型惑星」は出来上がるのです。

      • +3
  6. 太陽系は星間ガスやチリが集まって出来たとか説明してるけど
    恒星やガス惑星ならそれもわかるが岩石型惑星がガスやチリからできるか?
    恒星系の成り立ちについての理論がガバガバすぎるだろ。。。

    • -4
    1. >>9
      君はそもそもガス惑星の成り立ちやどうしてガス惑星と呼ばれているのかその性質について理解していないからそんなアホなことを言ってしまうんだと思うよ

      • -2
      1. ※16
        偉そうに上から目線ですか。。。
        そしたら貴方がどれだけ理解しているのかご高説を賜りたいものですなぁw

        • -2
      2. ※16
        アホなんて言葉は使ってはいけない。

        コメントを書き込む前にこちらを一読ください

        ってあるだろ?仲良くしようぜ。

        • 評価
        1. ※20
          聞き齧った知識でマウント取りたい人には何を言っても無駄だと思うよ。科学なんてのはどこまで行っても現時点での推論でしかないんだけど、自分が得た知識が絶対正しいって思い込んじゃってるから、そこから少しでも外れた事を言う人を間違いと決めつけちゃって許せないだよ。
          可哀想だからそっとしておいてやろう。

          • 評価
  7. >地球の水は地球が誕生する前から太陽系に存在して

    当たり前だろ

    • 評価
    1. ※10
      当たり前とは限らない
      水素と酸素が別個にやってきて、地球に来てから水となった可能性だってあったのだから
      他の惑星にも氷あるじゃんって思うかもだけど、それらの惑星の氷とは水素の同位体比率が異なっていた
      指紋が違うから別人、みたいな感じね。だから地球の水の由来は詳しくはわかっていなかった
      でも今回、地球より古い隕石から同じ比率の水の痕跡を見つけた
      これにより地球が出来てから水ができたのではなく、地球が生まれる前より元から水として存在していたものが地球に来た可能性が高いということが分かったという話
      そうなってくると、生命の由来だって可能性が広がってくるから、この違いが分かったのは大きいんじゃないかな

      • +4
  8. 「地球は超新星爆発13個分の物質の名残(歴史)で出来ている」と何かのSF小説で読んだ事があるが、あながち間違いではないのかも知れないと思った。

    • +3
  9. 何かネット記事で読んだことがあるんだけど
    ハビタブルゾーンに惑星があっても
    生命の生まれる可能性は低いんだそうだ
    それは何故か?構成物質に違いがあるから
    例えば鉄の成分が80%とかの惑星もあるわけで
    地球とかはその点では水もありリンもあり炭素もある
    惑星位置だけでなく構成物も考慮に入れないと
    ダメなんだそうだ

    • 評価
    1. >>13
      ハビタブルゾーンは地球型生命誕生に必要な条件の一つであって、それだけでは不十分ですよ元々

      • +2
    2. >>13
      特に地球の生まれた領域の元素比率が特別な証拠はないから、何回かの超新星爆発の後のガス雲から生まれた星系は基本的に様々な元素が存在する事になるし、その比率も基本的に似たような物になる。
      鉄だけの惑星は、その重力で引き寄せられた他の物質が剥ぎ取られる必要があるから、岩石惑星のマグマの核として存在するよりは珍しいものになる

      • +1
  10. はやぶさⅡの持ち帰った資料から、これが証明できるそうだ。
    水分子もあるしイオンとして分離して岩の中にもある。
    あとタールもあるので石油は元々小惑星に含まれていたことも(生物由来でなくてもいい)。

    • 評価

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