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新たな初期人類か?370万年前の人型の足跡がアフリカで発見される

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(著) (編集)

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 タンザニア北部ラエトリで、火山灰の上にくっきりと保存された足跡の化石が見つかった。およそ370万年前のものとされているが、発見から45年たってもなお、驚きの事実が次々と出てきている。

 この足跡化石を分析し直したところ、この地域の初期の人類について、これまで知られていなかったことがいろいろわかった。

 その結果は『Nature』誌に発表されたが、この結論については、注意しなくてはならない点がいくつかある。

ラエトリで続々と発見された謎の足跡の化石

 古生物の発掘地としてよく知られているラエトリには、こうした遺跡がたくさんあり、それぞれアルファベットで表記されている。

 イギリスの古人類学者メアリー・リーキー氏らが、ラエトリのメイン遺跡であるG遺跡で見つけた足跡化石のことを初めて報告したのは、1978年のことだった。

 2016年、タンザニアの考古学者フィデリス・マサオのチームが、ラエトリG遺跡に近いS遺跡で、別の足跡を見つけた。

 G遺跡とS遺跡から発見された足跡は、最初の人類と言われる「ルーシー」と同じアウストラロピテクス・アファレンシスのものとされている。

クマの足跡とみられていたA遺跡の足跡、新たな初期人類の可能性

 リーキー氏の有名な発見の2年前の1976年に、A遺跡でも5つの足跡が見つかっていたことはあまり知られていない。重要なのは、これらの遺跡は皆、同じ火山灰の表面につけられていたため、すべて同じ時期のものであるということだ。

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A遺跡の足跡 / image credit: Austin C. Hill and Catherine Miller

 しかし、A遺跡の5つの足跡は影が薄れてしまい、忘れ去られてしまった。A遺跡の足跡は、形状がはっきりせず、人間のものかどうか断定することが難しかったうえに、数も少なかった(G遺跡からは、30以上の足跡が発見されている)。

 1987年、アメリカの古人類学者ラッセル・タトル氏は、A遺跡の足跡は後ろ脚で直立歩行する若いクマ、あるいはG遺跡とは違う人種のものではないかと言い出した。

 そして、G遺跡のものと比較して、足跡にさまざまな形状があるのは、足跡の主が歩いた灰の層の性質が変化したせいではないかとも指摘した。

 この足跡は誰のものなのかを突き止めるために、国際研究チームが編成され、2019年にA遺跡を発掘し直した。その結果は『Nature』誌の新たな論文にまとめられている。

 写真や3Dスキャンなどのさまざまな手法を駆使して、A遺跡の足跡を詳しく調べた。クマやチンパンジー、人間の足跡の幅や長さと比較して、G遺跡やS遺跡のものとも比べた。

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A遺跡で見つかった足跡 / image credit:Stephen Gaughan and James Adams

 まれに直立歩行をすることもある現代のクマが歩き回る動画をつぶさに観察して、クマ説も検討してみた。

 だがA遺跡の足跡はクマのものではないことがわかった。更に、G遺跡やS遺跡のものとも違うという結論に達した。

 特に注目すべきは、A遺跡の足跡は、足を交差させて歩くような軌跡を描いていることだった。まるで飲酒テストのときに、まっすぐなラインに沿って歩いたように見える。

 こうしたことを踏まえ、研究者たちは、A遺跡の足跡は、G遺跡やS遺跡とは違う人種がつけたものと推測している。要するに、370万年前に、ラエトリの地に違う2種類の人類がいたというのだ。

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左はA遺跡の足跡、右はG遺跡の足跡 / image credit:Jeremy DeSilva (left image); Eli Burakian/Dartmouth (right image)

新たな初期人類と断定するには証拠が足りない

 この時期の広範な進化的背景からすると、この主張はありえる説だ。この時代のアフリカには、複数の類人がいて、アウストラロピテクスの中にも、足のさまざまな解剖学的多様性を見ることができる。

 とはいえ、いくつかの不鮮明な足跡から、第二の人類を特定するのは、少々飛躍しすぎと言わざるをえない。

 足跡のバリエーションがここではカギになる。ビーチなど砂地を歩くことを想像してみて欲しい。ひとりの人間がつけた足跡でも、一歩目と二歩目は違う。これは、人間の足取りの自然な変化であり、歩いている地面の特徴によっても微妙に違ってくる。

 最新の論文では、足跡の長さなど、たったひとつの側面だけで、変化の質を断定してしまう前に、最低でも10~20の足跡が必要だとしている。

 また、足跡の3次元形状を適切に数量化するには、250以上の足跡のサンプルが必要だと言う意見もある。

 足で地面を踏みしめ、その結果できた足跡は、これまで考えられていた以上に変化に富んでいて、同じ人種でも個体差があって、かなり独特な歩き方をしている可能性があるという説もある。

 論文の著者が、個人の違いだけではなく、種全体の中の多様性についても推論していることはむしろ驚くべきことだ。

 彼らの結論をより確かなものにするには、最新の「全足」法を用いて、A遺跡の保存状態のいい足跡と、S遺跡、G遺跡の足跡を統計的に比較することだ。

 これら足跡が本当に新たな初期の人類のものであるかを判断するには、確かにさらに多くの証拠が必要だろう。

References:A new species of early human? Why we should be cautious about new fossil footprint findings / written by konohazuku / edited by parumo

References: :A new species of early human? Why we should be cautious about new fossil footprint findings

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この記事へのコメント 7件

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  1. どこからが現生人類と同種とするかというのは、現在の説だとちょっときついんじゃないかと私は思ってしまいます。類人猿など現在生き残ってる種との共通祖先ではなく、それの現存子孫が現生人類のみの種は人類とみなしてるという定義になってるようですが、当時のご先祖様の生きてる姿と、今の類人猿を比べ、どちらによりちかいかと問うたら答えを躊躇う人も多いのではないかと思うのです。
    たまたま現生人類のみが生き残ったのであって、それの直系の先祖であるというだけで、器質面を比べないのは、おかしいのでは?

    • -7
    1. ※1
      アウストラロピテクスは現生人類と「同種」どころか「同属」ですらないのです。
      分類体系や、種の概念といったものをもう少しお調べになることをおすすめします。

      • +4
  2. 370万年前って…

    何年前?(´ω`)
    ってくらい昔だけど、最古の類人猿が2500万年前だからまだまだなんだよなあ。

    • +3
  3. 技術や手法の発達による新発見はままあること。キリンや昆虫などのミッシングリンクもそのうち発見されるでしょうね

    • 評価
  4. 昨夜、鶏肉を焼いて食って
    これも恐竜だったんだよな
    って思っていた。

    • +3
    1. >>5
      もうすぐクリスマスだね。聖夜にはチキンだの、欧米では七面鳥だの、恐竜の丸焼きを食べてお祝いする私達……

      クリスマス・ダイナソー

      • +2
    2. ※5
      恐竜の定義→鳥とトリケラトプスの直近の共通祖先とそのすべての子孫
      ですので、鳥は恐竜そのものってことになる。

      なので本当にあなたが食べてるのは「恐竜」です。

      • +2

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