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初期人類の有名な化石「リトルフット」は新種である可能性が浮上

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(著) (編集)

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image credit:Science and more/youtube
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 古人類学で非常に有名な化石に、「リトルフット」という愛称で呼ばれるほぼ完全な形の骸骨がある。

 ある研究グループの発表によれば、これまで知られていなかった新しい初期人類の種である可能性が高いという。アウストラロピテクスの新種だというのだ。

アウストラロピテクスの新種か?

 リトルフットの化石が発見されたのは20年以上も前であるが、長い時間をかけた綿密な調査結果がついに発表された。

 まだ専門家の査読を受けていないが、古人類学者ロナルド・クラーク氏らによる4本の一連の研究論文は、リトルフットがアウストラロピテクスの新種であると主張している。

 それらによれば、化石には、人のように歩いたことを示す最も古い痕跡と思われるものがあるという――樹上から地上への移動が始まった重要な一歩である。

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image credit:Science and more/youtube

これまでの想定よりも100万年も古い最初期の人類

 アウストラロピテクスは、400万から200万年前に存在したとされるすでに絶滅した初期の人類だ(たとえばアウストラロピテクス・アファレンシスに属する「ルーシー」が有名)。

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image credit:Cicero Moraes/wikipedia

 南アフリカの「人類のゆりかご」として知られる地で発見されたリトルフットは、これまで発見されたアウストラロピテクスとしてはもっとも完全な化石で、骨格の90パーセントが残っている。

 だが、発見者のクラーク氏は、これがアウストラロピテクス・アファレンシスではなく、別個の種であると発見当時から確信していたという。

 その後の調査からは、その確信のとおり、リトルフットはこれまで考えられていたよりも100万年は古い、376万年前という、これまでで最古のアウストラロピテクスであることが明らかになった。

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image credit: bioRxiv

アウストラロピテクス・アファレンシスとは異なる特徴

 それは130センチと当時からすると驚くほど背が高かった。

 またA・アファレンシスとは違い、顔が平べったい。しかも歯が大きく、上顎の犬歯と切歯との間に大きな隙間がある。

 こうした特徴は、雑食であったと考えられるA・アファレンシスと異なり、リトルフットが主に草食であったことを示唆している。

 さらに手足も特徴的で、たとえばリトルフットの股関節はA・アファレンシスと大きく違っている。

 こうした分析結果から、クラーク氏らは、リトルフットがA・アファレンシスではなく、初期アウストラロピテクスとパラントロプス(アウストラロピテクス属の子孫で、100万年前に初期ホモ属と同時期に存在した人類)との間のどこかに位置する中間の種であると論じている。

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image credit:Science and more/youtube

木登りから二足歩行への過渡期

 リトルフットの特徴から、彼女らが木登りから二足歩行へ移行するさいの重要な過渡期にあったと推察できる。足が腕よりも長く、2本足でかなりの距離を歩くことができたらしいからだ。

 しかし、リトルフットにはチンパンジーのような特徴もある。

 たとえば、解剖学的な知見からは、二本足で歩きながら物を運ぶことは苦手だった可能性が窺える。これはチンパンジーでも同様だ。

 また二本足で歩けたが、木登りも上手であった。このことはリトルフットが森林と草原が混在する環境で生きていたことを示している。

 こうした事実とその年代をあわせて考えると、リトルフットは現代人のような二足歩行をはじめたばかりの最初期のアウストラロピテクスである可能性が窺える。

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image credit:Science and more/youtube

アウストラロピテクス・プロメテウスの復活?

クラーク氏らは、リトルフットの新しい学名を考案するよりも、かつて使用されていたが、1948年にA・アフリカヌスにまとめられて以降使われなくなった「アウストラロピテクス・プロメテウス」という学名で呼びたいと考えている。

 最後にもう一度繰り返すが、今回の論文はまだ査読を受けておらず、その正しさについて学会のお墨付きがあるわけではない。

 すでに反論を唱える学者もおり、今後その評価がどうなるかはまだ不確定だ。

 クラーク氏らは現在もリトルフットの研究を続けており、近いうちに新しい論文を発表する予定だそうだ。

 今は今後の進展を楽しみに待つしかない。

 一連の論文は『bioRxiv』(1234)に掲載された。

References:Exclusive: Controversial skeleton may be a new species of early human | New Scientist/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 15件

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  1. bioRxivは無料の査読前の論文掲載サイトだからなぁ。
    その後、どういう扱いになったのか?てな所がきになる

    • +3
  2. こういう人たちの研究は無条件で応援したくなるな。科学的な考え方ではないけど。

    • +2
  3. ここだけの話、古生物で新種かどうかなんてかなり主観的な問題…

    • -2
    1. ※5
      この種にとっては高目って事なんじゃないの?
      現生人類との比較ではなくね

      • +2
  4. >>それは130センチと驚くほど背が高く、現在の人類よりも数センチより低いだけだ。

    この一文で、ああ、これはフェイクだなと思った
    現在の人類ってさ身長130センチ台だっけ?

    • -19
    1. ※6
      本記事だと、
      reveal that Little Foot was an elderly female, about 130 centimetres in height.
      「リトルフットは高齢の女性で身長約130センチであることが明らかにされた」かな。
      ちなみに今現在(12/12/09:30頃)はここの記事もそれに準じた表記になってる。

      英論文→英記事→この翻訳記事となるから、どこかの過程にミスが混入することはある。
      なんか内容がヘンだなと思ったら、元記事の要約か翻訳ミスの可能性を考えて、原文を確認しにいくといいよ。

      • +16
  5. これがビッグフットに進化すると思うと胸が熱くなるな !

    • +3
  6. 強引に些細な違いを強調して新種だと自分の手柄にしようとする
    学者もいるからね。ちなみに人類考古学ではそういうのおスプリッターて言われてる

    • 評価
  7. 現生人類が17万年遡れることのが驚いたわ。
    んで最後の氷河期でほぼ一種に限られてしまった、ホモ・サピエンスはここからまた亜種として切り替わって行きそうだなぁ、70億も居るわけだし、もうそろ、分化が始まってもおかしくない。
    生物学的な違いと言うよりは人類特有の「価値観」でもうどうしようもない隔たりが出来ているけれども。

    • 評価
  8. アレっ!
    現生人類の発生時期が、いつの間にかものすごい遡ってる。

    それだけあれば、宇宙に2回や3回行っててもおかしくないな。

    • -2
  9. こういう仮説が補強されたり覆されたり、ほぼ確定と言えるようになるまで、この先何年かかるんだろうか・・・?

    • +1

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