
秘境のようなこの場所は、世界で唯一のオットセイ保育所としても有名で、天敵に狙われがちな小さな子たちも、のびのびと遊んだり交流したりできるのだ。
Ohau Waterfall Walk and Seal Pups(2015/04/25)
世界で唯一のオットセイの聖地。ニュージーランドのオハウ滝
ニュージーランドオットセイ(Arctocephalus forsteri)の聖域ともいわれるオハウ滝は、ニュージーランドの南島、カイコウラ海岸に位置する。この滝は世界で唯一オットセイの保育園を兼ねていることでも知られ、若い個体が捕食者におびえることなく遊んだり交流したりできる。
滝の落差は約15メートルあり、岩肌を滑り落ちるように水が落ちていく。
その眺め自体はそう珍しいものではないが、愛らしいオットセイの子どもが自然と集まる風景はここでしか見られない。

image credit:Bernard Spragg/Wikimedia Commons
水も浅く、泳ぎ慣れない子どもにちょうど良い深さ。そのため1年のうち1〜3か月ほどは、幼い個体数十匹が集まる休憩所になる。また集まるのは子どもだけではない。少し年上の若い個体もこの周辺で遊んだり、交流したりする。
そうすることで生きていくのに必要な行動を学んだり、社会的なスキルを身に付ける。その様子は訪れた人々にとって忘れられない光景になる。

3,000頭ものオットセイが生息。保育所にも社交場にもなる滝
そんなオハウ滝の周辺には約3,000頭ものニュージーランドオットセイが生息している。子どもはたいてい11月に生まれ、翌年の4月にはオハウ滝につながる小川を泳ぐ姿も見られるという。
6月から8月の滝に行けば、泳ぎに慣れてきた子どもたちがお互いを追いかけたり、棒をくわえて遊んだり、濡れた岩の上で涼んでいるところが見られる。
彼らは数日おきに海岸に戻り、母親のお乳を飲んでエネルギーを補給しては同世代の群れで遊ぶ。
Seal pups in Ohau Waterfall
一方、岩場に集まるのはかつての子どもたちだ。年頃になったオットセイは再びオハウ滝に集まって、異性と交流したり年相応のマナーを学んだりする。
所有者の厚意で開放されてきた滝。残念ながら現在は地震で閉鎖
また興味深いことにこの観光スポットは私有地にある。つまり立ち入り禁止でもおかしくない場所にあるのだが、この滝の貴重さを承知している所有者が世界中の人と見事な眺めを共有するために開放してきたのだ。
だが残念なことに2016年を境にこのオットセイの保育園は激変してしまった。
その年の11月にニュージーランドの南部で発生したマグニチュード7.8の地震がこの滝に深刻な被害をもたらしたため、今は訪問禁止の危険な場所になっているそうだ。
滝への道も閉鎖になっている現在、ニュージーランドオットセイがどうしているかも不明だが彼らが新たな憩いの場を見つけていることを願わずにいられない。
References:odditycentralなど /written by D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
彼女「夫婦別姓にできひんの?」
カレ「無理だよ、夫姓だもん。」
2. 匿名処理班
淡水で大丈夫か?とちょっと思いました。
バイカル湖には唯一の淡水産アザラシがいますが、オットセイで淡水産とかいるのかな。
海から近いのでしょうね。
地震でも彼らが楽しく過ごしていることを願います。
3. 匿名処理班
なんの!みんなワシの側室じゃ
4. 匿名処理班
前にNHKで放映していた場所だねいい番組だったけどまさか地震でそんなことになっていたとは
人は行けなくてもオットセイの子供たちが遊べていれば良いのだけど
しかし私有地とは
5. 匿名処理班
※2
真水で寄生虫が死ぬから逆に良いかもよ