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AIで明らかになったピカソの絵に隠された裸婦画

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(著) (編集)

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 今やAI(人工知能)は芸術部門でも様々な成果を上げている。2018年、AIが描いた絵画が世界的な芸術賞(ルーメン賞)を受賞したり、燃やされたクリムトの絵を復元したりと、その活躍は目覚しい。

 今回行ったのは、AIにより、パブロ・ピカソの絵画「盲人の食事」の下に描かれた絵を再現することだ。

 その絵は、ピカソがキャンバス代を節約するために塗りつぶしたとみられる未公開作品で、裸婦画であることが判明した。

絵の下に隠されていた118年前の絵をAIで再現

 現在「The Lonesome Crouching Nude」と名付けられているその絵画は、パブロ・ピカソの絵画「The Blind Man’s Meal(盲人の食事)」(1903年)の下に隠れていた。

AIにより再現された裸婦画「The Lonesome Crouching Nude」

 「盲人の食事」の絵の下に別の絵が隠されていることが発覚したのは2010年。蛍光X線の画像処理によって裸婦の絵が描かれていたことが明らかになった。

 そこでイギリスのロンドンを拠点とするアートテクノロジー企業Oxia Palusが、AIによる再現に着手。およそ118年間も人目に触れることがなかったピカソ作品の鑑賞を可能にしたのだ。

当時のピカソのタッチをAIが再現。油絵そっくりな仕上がりに

 Oxia Palusが行った作業工程は以下の映像でわかる。最初に映っているのが「盲人の食事」の絵画である。

 盲人の食事に画像処理技術を使い、その絵画のラフスケッチを作成した。

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 その後コンピューターが、当時ピカソが描いていた絵のタッチをもとに残りの部分を再現。さらに完成した画像をキャンバスに3Dプリントした。

 こうしてできあがった「The Lonesome Crouching Nude」は実際の油絵によく似ているという。

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困窮で塗りつぶされ、別な作品のモチーフになった可能性

 さらに研究チームは、この絵とよく似た裸の人物画がピカソの別の作品「La Vie(人生)」(1903年)にあることに気づいた。

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 そこからチームは、その頃のピカソはまだ売れない画家で新しいキャンバスも買えないほど困窮していたため、古い作品を塗りつぶしては別な作品を描いていたのだろうと推測している。

ピカソの死から48年、この絵画が隠されてから118年経ちました。この作品が明らかになったことをピカソ自身が喜んでくれることを願っています。

またこの絵のモデルの女性が歴史から消されずに済んだことやその美しさが21世紀に披露されたことを喜んでくれることを心から願っています。

 「The Lonesome Crouching Nude」は今年10月13日から17日にかけてイーストロンドンのショアディッチで開催するディープAIアートフェアで展示される。

 没後48年経った今でも、知られざる作品で脚光を浴びるパブロ・ピカソ。つねに新たな表現を模索していたピカソもよもや自分のタッチを再現するAIの登場など考えもしなかったにちがいない。

 既にバンクシーに似せた作風で描くAIも登場している。もしかしたらこの先、ピカソに似せた作風でオリジナル絵画を描くAIが登場しちゃうかもしれない。

References:designtaxi / instagramなど /written by D/ edited by parumo

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この記事へのコメント 16件

コメントを書く

  1. >ピカソの死から48年、この絵画が隠されてから118年経ちました。この作品が明らかになったことをピカソ自身が喜んでくれることを願っています。

    いや、逆だろう

    本人が失敗したと思って削除した作品を明らかにされて、ピカソ自身は悲しんでいるよ

    • +2
    1. ※1
      どうだろうね。
      ピカソの青青の時代は貧乏だったから安い青絵具主体になったとどこかで読んだけど、うつ病でもあったわけで、本当は公表というか売りたかったが売れなくて、苦渋の決断で塗りつぶして上塗りで描いたかもですよ。売れっ子でどんどん絵具もカンバスも買えたなら、そのまま我々が鑑賞することができたかもと思うと何とも言えません

      • +3
  2. 油絵は上から塗りつぶすこともできるから
    他の作家さんの作品でもたまに下に違う絵が見つかることもあるけど
    AI技術での再現は実に興味深いね

    >またこの絵のモデルの女性が歴史から消されずに済んだことやその美しさが21世紀に披露されたことを喜んでくれることを心から願っています

    この言い方粋でいいなあ

    • +7
  3. む ひらめいた!一枚でパラパラ漫画が作れるよねこれ!

    • +4
    1. ※4
      こういうインテリジェンス光るボケは好きですよ。

      • +3
  4. 明らかに寄り添っているかのようなもう一人の人物の横顔があるんだが
    AIはその解釈を切り捨てているね
    まあその方が楽と言えば楽だろうが難しかったのだろうね

    • -1
    1. ※5
      >明らかに寄り添っているかのようなもう一人の人物の横顔

      いやそれは蛍光X線解析で上層の絵の人物が同時に写っちゃってるだけでしょう。

      • +5
  5. 黒歴史を暴かれたピカソは墓の下でのたうち回っている事だろう。

    • 評価
  6. AI絵画はヤバすぎて気持ち悪い(褒めてる)。
    やがてAI小説も登場する(すでにしてる)んだろうが、やはり気持ち悪くて胸焼けするのかな?

    • +1
  7. さすが、パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・エーアイ・ピカソだけのことはある

    • 評価
  8. ピカソは嫌がってるだろうって言ってる人おるけど、
    晩年に本人に聞いたとしても、そんなん描いたっけ…??ってなるだけだと思う。

    • +4
  9. 青の時代だね
    ルソーの影響を受け始めた時期の絵かな?

    • +1
  10. ピカソ画風AI作品、バンクシー画風AI作品かぁ。
    音楽、小説、漫画…あの作者が生きていたらって思うことは勿論あるけれどその限りある生の中で生み出したからこそ感動を呼ぶんだと思うな。
    技術が進歩するのは素敵でワクワクすることだけど、あまり野暮なことはしないでおくれよ。

    • +3
  11. AIが創作するのはいいと思うけど、名画の技法を用いて新たに描きおこすとなると、場合によっては既存の作品に影響を与えかねないし、市場価格にも影響が出るのでは?と思ってしまった
    高価だから鑑賞したいわけじゃないんだけど
    小売りで仕事してるけど、たとえ自分ができなくて他人に頼んでいる状況であっても自分が望む以下のレベルに対しては文句を言うし、要望を満たさない相手に対しては敬意を払わなくなるのが人間であることを目の当たりにしているから
    絵に数百万?AIならすぐに再現できるのに?と言い出す評論家とか出てくるようになるのでは?とか、どうでもいいことを考えてしまったわ

    • 評価
  12. これはぜひ山田五郎に解説してもらいたい

    • 評価

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