
世界的に見ると自然災害の頻度は上がっているし、南極の氷もわかりやすく融解してるのだが、毎日を生きるのが精いっぱいだと、そっちにまで気が回らないのはいたしかたのないところだ。
そしてこれも目に見えるレベルの変化ではないのだが、確実に起きていることがある。地球が薄暗くなってきているのだ。
気候変動により海水温の上昇したため、太陽光を反射する明るい雲が減っていることが原因だという。
広告
地球が月を照らす光が0.5%低下
『Geophysical Research Letters』(21年8月29日付)に掲載された研究では、過去数十年にわたり「地球照」(月を照らす地球の反射光)を観測し、その結果を報告している。それによると、20年前に比べて地球の反射率が、1平方メートルあたり0.5ワット(反射率の0.5%)ほど落ちているのだという。しかも、そうした変化のほとんどはここ3年でのものだ。
地球が反射する光の量は、太陽自体の明るさと、地球の反射率によって左右される。
今回の研究では、太陽の周期的な明るさの変化と関係がないことが確認されている。つまり地球上で何かが起きていて、反射率が低下しているということだ。

海面温度が上昇し、明るい雲の減少したことが原因
NASAの衛星観測によって、東太平洋の空で明るく反射率が高い「下層雲」が減少していることが判明している。北米と南米の西海岸沖にあたるその一帯は、「太平洋十年規模振動」(太平洋の海水温・気圧が周期的に変化する現象)が逆転して、海面温度が記録的なまでに上昇した地域でもある。
このことから、海面温度が上昇し、光をたくさん反射してくれる明るい雲が減ったことが、反射率の低下の原因であると推測されている。

photo by Pixabay
地球温暖化に拍車がかかる恐れ
地球の陰りは、温暖化の進行に拍車をかける恐れがある。反射率が下がれば、それだけ多くの太陽エネルギーが大気や海に取り込まれるようになるからだ。反射率が下がって余計に吸収されるようになる太陽エネルギーは、過去20年分の人為的温暖化要因に相当するという。
カリフォルニア大学リバーサイド校の惑星科学者エドワード・シュヴィターマン氏は第三者の立場から、「非常に気になる結果」とコメントする。
じつは温暖化が進めば、雲が増えて、その分反射率が高まり、気温上昇を相殺するだろうとの予測もあったのだという。ところが現実には、それとは逆のことが起きてしまっているからだ。
気候変動を乗り切るため、野生動物たちの体には、既に変化が現れはじめているという。もしかしたら人間の体にも、そろそろ何らかの変化が表れ始めているのかもしれない。
References:Earth's Albedo 1998–2017 as Measured From Earthshine - Goode - 2021 - Geophysical Research Letters - Wiley Online Library / Earth Is Dimming – It’s Due to Climate Change/ written by hiroching / edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
温暖化の原因ってこれじゃないの?
2. 匿名処理班
♰ クライトフヘイヲイウヨリモ ススンデアカリヲツケマショウ
3. 匿名処理班
雲が減るのならむしろ保温効果が大幅に下がって冷える訳だが
4. 匿名処理班
確かに 日中灼熱の砂漠で、夜に水を貯めて出しとけば凍るって有名だよな 放射冷却現象って結構えげつない
5. 匿名処理班
薄暗くなっているって宇宙から見たときの話か
最初よくわからんかった
雲が減ったなら明るくなるじゃんて
6. 匿名処理班
>もしかしたら人間の体にも、そろそろ何らかの変化が表れ始めているのかもしれない。
最近髪の毛がよく抜けるんだがこれって反射率を上げて太陽光の吸収を減らそうという地球の温暖化抑止力の影響か?
7. 匿名処理班
太陽からくる熱を人間が使うエネルギーに変換できれば、地球も冷めるし一石二鳥
8. 匿名処理班
海面温度が上昇したら水蒸気出て雲が増えて太陽光を遮るとかなら納得いくけど明るい雲って表現がよーわからんですな。
9. 匿名処理班
地球照の観測結果だから太陽光を反射する昼側の雲の減少だけ。
夜側では曇ると更に保温される事になる。
10. 匿名処理班
気温の上昇は海水の蒸発を促して雲が増えるって予想だったのにな。
11. 匿名処理班
下の部分読むと、近年の最高気温更新連発は人為的温暖化が主因ではないということになりますね。そして一番重要なのは海水を温めない事で、それをベースに考えれば二酸化炭素のみに焦点を置こうとしている今の温暖化対策はかなりズレている。二酸化炭素を減らそうが、人為的な海水の加熱がある限り結果は変わりませんから。
「北米と南米の西海岸沖にあたるその一帯は、「太平洋十年規模振動」(太平洋の海水温・気圧が周期的に変化する現象)が逆転して、海面温度が記録的なまでに上昇した地域でもある。
このことから、海面温度が上昇し、光をたくさん反射してくれる明るい雲が減ったことが、反射率の低下の原因であると推測されている。
地球温暖化に拍車がかかる恐れ
地球の陰りは、温暖化の進行に拍車をかける恐れがある。反射率が下がれば、それだけ多くの太陽エネルギーが大気や海に取り込まれるようになるからだ。
反射率が下がって余計に吸収されるようになる太陽エネルギーは、過去20年分の人為的温暖化要因に相当するという。」
12. 匿名処理班
>20年前に比べて地球の反射率が、1平方メートルあたり0.5ワット(反射率の0.5%)ほど落ちているのだという。しかも、そうした変化のほとんどはここ3年でのものだ。
不思議なことよ
コロナの影響で世界の生産活動が減り、温室効果ガス排出量は下がっているのに
つまり、人類の生産活動は、地球温暖化には影響していない証明である
CO2なんて人類がどんな規制をしても無駄ってこと
13. 匿名処理班
>>10
海水温が上がれば上昇気流が強まって雲も生まれるけど、その上昇気流は大気の天井にぶつかって下降気流、高気圧になるから、雲の面積以上に高気圧が拡大して晴天部が増えてるのかも。
14. 匿名処理班
※1 温暖化の加速要因、かな。
いったん温暖化が始まると、極地の雪が解けて黒い地面が露出する。それが日光を吸収して温度が上昇、さらに雪が溶けて温度上昇が加速・・・という予想があったけど、雲でも似た様な現象が起きると分かった。
15. 匿名処理班
温暖化が温暖化を加速させる段階で人は何ができるのか
16. 匿名処理班
人類が全体的に鬱っぽいのって太陽光減ったせいなのか?
17.
18. 匿名処理班
もう多方面から連鎖してんのな
予想はもう超えてるのかな
だとしたら本当にあっという間に干上がりそうだが
19. 匿名処理班
ネガティブフィードバックが働くだろうと期待してたらポジティブフィードバックが働いてたでござるの巻
ここまで来たからには人間自身がネガティブフィードバックを担う他あるまい
手始めに建物の屋根を白く塗るか
20. 匿名処理班
>>16
コロナでしょ、2年も引きこもってる訳だし
海外なんか強制だし
21. 匿名処理班
ニワトリが先か卵が先か?の話だな。
それはさておいても、今日ノーベル物理学賞で日系アメリカ人の真鍋淑郎先生が『地球の気候を物理的にモデル化し、変動を定量化して地球温暖化を確実に予測』選ばれたけど、その過程で二酸化炭素濃度の上昇が大気や海洋に及ぼす影響を研究しているわけで、これを否定してるようにも見えるわな。
米8
宇宙から見た雲の状態の話で、反射率が低ければ光学的に黒くなるし、それにともって光と共に熱も雲に吸収する。
その逆に反射をすれば白く見える≒明るいからということじゃないの?
22. 匿名処理班
もう10月だってのに30度だの言ってるもんな
数年前は9月の半ばで何度はどうのこうの言ってたのに明らかに異常
誰か周辺の熱を吸収する物質とか発明せんかな
貯めこんだ熱を放出する時は放出時間によって
温度を調整出来てエネルギーを再利用できれば
尚良し
23. 匿名処理班
※15
基本的に人如きが全生活での火の使用・電気の使用・生産止めようと
地球規模ってのがホントなら焼け石に水だよ。
人間の力なんて地球の前では微々たるもんだ。
だから盛大に二酸化炭素吐き出せって訳じゃないけどさ
24. 匿名処理班
20年前のカメラと現代のカメラの性能差だったら草生える
25. 匿名処理班
※3
逆に地球表面から反射した光(赤外線)に対して雲の減少がどう働くのか。雲が減るなら地球に戻ってくる光も減少して雲の温室効果も減少する可能性はあるのか、とか調べてほしいね。温室効果ってのは地球表面からの赤外線(熱)を閉じ込める効果のことだからね。
雲が減って夜の放射冷却が強くなるとかあるかもしれないし。そうなると、昼間遮るものがなく太陽の熱で暑くて、夜は放射冷却で寒いって、砂漠みたいな感じになるのかな?
26. 匿名処理班
こだまでしょうか。
「おんだんか」って聞くと
「なんでやねん」と答えたくなる。
27.
28. 匿名処理班
※15
全人類で地球を団扇で扇いであげましょう
29. 匿名処理班
>>12
不思議なことよ
コロナの影響で世界の生産活動が減り、温室効果ガス排出量は下がっているのに
コップに水を溜めてギリギリ溢れそうな所で注いでる水量を少なくしても…結果的に溢れるまでの時間は長くなっても最終的に溢れますがな…たかがコロナで多少下がっても…時間の問題の所まできてるのでは?と言う事も考えられますよね 実際は分かりませんが
つまり、人類の生産活動は、地球温暖化には影響していない証明である
なので、全く証明にはならないと思います…
今後はもっと夏は暑く…台風も増えたり、豪雨も増加する…のは予想出来そうだけど…ね…
近年で毎年、日本国内で水害など多発してるけど
気候変動の危機感があまり無いよね…
30. 匿名処理班
雲が減少=明るく=薄暗くは無くって、ならないの?
31. 匿名処理班
※12 考え違いしてるよ。生産活動が減っても、CO2の増加速度が鈍るだけで減少はしない。
植物によるCO2の吸収量は、植物が死んだり燃えたり食べられたりして発生するCO2と同量。それ以外の石炭・石油をから発生したCO2は、産業革命以降ほとんど丸々が大気中に溜まり続けてる。石炭・石油の消費がほぼゼロになってようやく増加が止まる。
32.
33. 匿名処理班
地球が光を反射しないという事は光を吸収しているという理屈はわかるよ
イコール温暖化現象と言えなくもない
ヴィーナスの環境を見れば温暖化現象の恐ろしさは語るに及ばない
しかし現状危機感は誰も感じていない
34. 匿名処理班
※7
熱は最もエネルギー効率が悪い
すべてのエネルギーは最終的に熱に変換されて利用できなくなっていく
これを熱力学第二法則、エントロピーの増大という
35. 匿名処理班
>>3
水蒸気は増えてる。
水蒸気の温室効果は二酸化炭素なんかよりはるかに高い。
その辺が脱炭素派とは意見が食い違う。
36. 匿名処理班
宇宙から見た時の地球が暗くなってるって事か
最初混乱したぞ
37. 匿名処理班
全球凍結とかの時代は雲が多かったんでしょ
ま、人類にとって、寒冷化は即飢餓を意味するけど温暖化なら致命的ではあるまい
38.