
仮にそれが本当に起きれば、地球が臨界点に達したことを示す出来事で、世界中に最悪の影響をもたらすことになる。
ドイツ、ポツダム気候影響研究所のニクラス・ボアズ氏は、「絶対に起こしてはならないこと」とGuardian誌でコメントしている。
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大西洋の海流が崩壊の危機
崩壊が懸念されるのは、「大西洋子午面循環」や「大西洋南北熱塩循環」と呼ばれる海流だ。『Nature Climate Change』(8月5日付)に掲載された研究では、過去10万年分の氷床コアなどのデータから、大西洋子午面循環には2つの状態があったことが明らかになっている——「速く力強い流れ」と「遅く弱々しい流れ」だ。
そしてデータからは、気温が上昇することで、10〜50年というごく短期間のうちにこのスイッチが突然切り替わり、弱い流れに変化してしまう可能性が判明したという。
Ocean circulation plays an important role in absorbing carbon from the atmosphere
氷の融解による真水の流入が原因
大西洋子午面循環を生み出しているのは、大西洋に沈み込む密度の高い海水だ。しかしグリーンランドの氷が解けて真水が流れ込めば、塩分が薄まって密度が下がる。すると海水が沈み込む力が弱くなり、海流の循環も弱くなる。過去150年分の温度と塩分濃度のデータからは、実際に温暖化が海流パターンを変えてしまうばかりか、不安定になることが突き止められたという。
じつは海流が過去1600年でもっとも弱い水準だったことはすでに明らかにされていた。しかし今回の分析では、こうした傾向が行き着くところまで進んでしまっている可能性が判明している。

時期は不明だが、影響は甚大
海流の流れはとても複雑なもので、しかも今後、温暖化がどのように進むのかも不確かなところがある。そのため、実際に海流が止まる時期をはっきり予測することはできないという。10年、20年以内に起こる可能性もあるし、数世紀先かもしれない。しかし起きてしまえば、その影響は甚大なものとなる。インド、南アメリカ、西アフリカでは雨の降水パターンが大きく変化して、数十億人が食べている作物の生産に影響がでる。
ヨーロッパでは台風が増加し、気温が下がる。北アメリカ東部は海面上昇の影響を受け、アマゾンの熱帯雨林や南極の氷床すら危険にさらすかもしれない。

photo by Pixabay
私たちにできることは温室効果ガスの抑制だけ
具体的にどの時点で海流が崩壊してしまうのかはっきり予測できない以上、私たちにできる対策は、ただ温室効果ガスの排出を抑えることだけであるようだ。これについて、ボアズ氏は次のように述べている。大西洋子午面循環が崩壊する二酸化炭素レベルは不明です。ですから、できることといえば、できるだけ温室効果ガスの排出を抑えることだけです。
とてつもなく影響が大きいこの出来事が起きる可能性は、大気に二酸化炭素が1グラム放出されるごとに高まっています

photo by Pixabay
地球の臨界点が迫っている
地球の臨界点、すなわち気候が後戻りできないほどに、大きくかつ急激に変化してしまうポイントに達してしまうことを懸念する科学者は増えている。たとえば、海面の水位に与える影響が大きいことから「終末の氷河」とも呼ばれている南極のスウェイツ氷河は、予想以上のスピードで融解が進んでいる。
8月9日、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によって、『第6次評価報告書』が公表された。同報告書では、温暖化の原因が人間活動であることは「疑いの余地ない」と述べられている。
References:New Signs Indicate a Major Ocean Current Is on The Edge of Collapse Right Now / written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
それでも人間は止まらないし、止まる気なんてもとよりない
2. 匿名処理班
地球全体に熱と栄養を運ぶ大動脈のような海流だから、これが止まると地球上の生物全体が致命的な状況になる。昔からこの海流が止まる恐れは言われてきていたが、こんなにも早く来るとはね。
ほんとにこの文明このままではまずいよ。今世紀保つかどうかわからなくなってきた。
3. 匿名処理班
ヨーロッパの気温が下がって雪や氷に覆われる。太陽光を反射して地球の気温が下がる。
はい、「いわゆる氷河期」の到来ですな。
4. 匿名処理班
中世温暖期、というのがありましてね。
5. 匿名処理班
大西洋還流がすでに崩壊してるって記事
某海外翻訳ブログで、6年位前か、もっと前?
見た事がある
その辺りから世界的異常気象、洪水や山火事や異常にデカいヒョウやハリケーンが、年々増えたような気がする
そして自分は311前に、標高が低い海岸寄りの川沿いから、やや標高が高い内陸台地に移住済み
どんな情報によって、どこに住むことを選択するか
もう誰のせいにもできない
個々の自己責任だ
6. 匿名処理班
主よ、復讐を誓う我を赦したまえ
7. 匿名処理班
二酸化炭素以外の要素を無視するのは何故ですか?
8. 匿名処理班
自然壊す → 地球環境激変 → 人口激減 → 自然戻る
もっとも自然が戻るには相当長い年月が必要だろうけども
世界的に人口抑制策を取らないならそうなっても仕方ない
9. 匿名処理班
>>6
誰への復讐?
食品もエネルギーも完全自給自足してる人以外は、皆がこの現状に参加してるんだよ
この現状は、悪意はなくても、
人類みんな共犯みたいなもの
10. 匿名処理班
塩分濃度を無視しても、月は年3.8cm遠ざかってるから潮汐力も弱まる一方だ
11. 匿名処理班
温暖化がほんとに温室効果ガスによるものなのか
12. 匿名処理班
なんか・・・もう臨界点を超えるのは避けられない、というようにも読み取れるんだが
大震災も経験したし、大津波もあったし、放射能汚染も身に降り掛かったし、ヒグマにも出くわしたし、、現在進行形でパンデミックが起きてるし、なんかもう自分が生きてる間に小惑星衝突とかカルデラ噴火とか、この臨界点突破とかも経験するかもなと思うようになった。
そう思いつつも、やることといえば、花や木を育てたり、犬を毎日可愛がったりして地味にコツコツ生きるだけなんだけどね。
13. 匿名処理班
CO2の排出量グラフとか見てると、中国が突出していて中国をどうにかしない限り、いくら自分たちが頑張ってもどうにもならないように思ってしまう。
14. 匿名処理班
ドイツ発だとちょっと割り引いて聞かないとね。
あの人たち、環境保護教の信者だし。
15. 匿名処理班
デイ・アフター・トゥモローは熱塩循環が停止した話なんだよね。熱塩循環が停止し氷河期が来る。まあ映画だし誇張してるからあそこまでひどい事にはならないと思う、多分…
16. 匿名処理班
※3
それなら溶けたグリーンランドもまた凍ってくれそうなんだが
17. 匿名処理班
これは厳しいねえ・・・
植物が吸収してくれるCO2のキャパは、植物由来のCO2で埋まっちゃう。
だからそのサイクル外の、石油・石炭由来のCO2って産業革命以来100年以上の分がほとんど大気中に蓄積されている。排出量をほぼ0にするまで増え続ける一方なんだよね。自動車がブレーキをかけても制動距離を進んじゃうみたいになもので。
原子力にも太陽光発電にも欠点はあるけど、手段を選んでる余裕は無いのかも知れない。
18. 匿名処理班
一切化石燃料使ってない縄文時代の方が暑かった定期
それでも二酸化炭素が問題だと言うならインド6.9%、アメリカ14.7%、中国28.4%
の上位三国をなんとかしないといけない
なお二酸化炭素を本当に減らそうとするなら海に肥料ばらまけば植物プランクトンが増えて減らしてくれる
けどそんな事しなくても十分大気は循環してるから中国人が酸欠で死ぬって事もない
19. 匿名処理班
ヤバイ。予測が外れることを祈りたい。
この熱の大規模ベルトコンベアが止まると、まず暑いところはより暑く、寒いところはより寒くなる。食糧生産がヤベーことになるといわれている。そして、その先は、何が起きるのか、全然わからないのだ。
20. 匿名処理班
>>7
本当にそうで、熱循環の停止なら先ずは海洋の温暖化に注目すべきで、それに直接影響しているものの1つが温排水で、それは原子力・火力発電に都市部にと大量に出されていて、これを無視しているのは不合理。断言するが二酸化炭素だけ見ていても温暖化は止まらない。
21. ほんまに
>>12
聖書の言う「終わりの日のしるし」ってやつやね。
新しい地質年代に「アントロポセン」ちゅう名前付けて環境破壊の責任は人間にあるから人間がなんとかせなあかんゆうてはる人多いけど。
物理法則,地球の循環システム,そして道徳律を定めた設計者(GOD)を無視して“善悪”を自分らで決めたかて,そらうまいこと行かへんわな。
「神の導きが必要であることを自覚している人たちは幸福」ってほんまにそやなと思います。
不合理なことあっても心穏やかでいられる論理と知識が有ればなんも怖いことおへん。
22. 匿名処理班
>>18
海にリンや窒素の豊富に含んだ肥料が流れ込んだら、植物プランクトンが増える。
が、増えすぎると腐って赤潮になる。
→魚が酸欠で死んでいく。
逆に死の海になるだけ。無意味。
23. 匿名処理班
>>22
多すぎたらね
適量なら植物プランクトンが増え二酸化炭素が大量に消費される
しかし、そんな事しなくても元より酸素の生成と二酸化炭素の放出は現在の海で8割が行われており
人間の経済活動は1%に満たない
ならなぜ二酸化炭素濃度が変わるのかと言えば気温が上がれば海から放出され
気温が下がればまた海に吸収されているだけ
24. 匿名処理班
※21
君のいうそれは信仰であって知識ではない。
智慧ではあるかも知れんがね。
そこを混同したら話通じない人になるから気いつけや。
あとこれは善悪の問題やのうて利害の問題や。人間一個の問題や。
神様の導きとやらを期待するなんてのは、虫の良すぎる話やな。
25. 匿名処理班
燃え尽きた惑星」♪?
………トワイライトゾーン?
26. 匿名処理班
>>1
でも近代以降の酷い公害はある程度抑制できたやん。
部屋だって使ってるうちにどんどん汚くなるけど、きちんと掃除すれば維持できる。コントロールすることは大事。
27. 匿名処理班
暑い→氷が溶ける→海の水温や塩分濃度に変化→一部の海の流れに影響=雨の降る地域や台風などにも変化 冬の気候にも影響 海面上昇 と言う事なのかな
もうかなりの氷がって溶けてる訳だよね…
ほとんどのあ部質って完全に消滅はしないよね?
必ず何かに変換されるよね
それが地球の大気などに貯まったのが満杯になりつつあるのかもなぁ
28. 匿名処理班
※27
気温が上がり氷が溶けて海面上昇→雲が増えて雨量も増加→砂漠が減り気温下がる→氷が増えてまた海面下がる
のループにならないのかな?物質的には循環して減ってはいないんだろうから
29. 匿名処理班
まあ途上国で貧困がはびこってようがチョロっと寄付とかして満足するだけで本音じゃ「俺は嫌な思いしてないから知らんがな」って感じだったしね
自分らは散々環境に悪い事して発展してきた中で途上国も同じこと始めたら「ちきうがヤバイからやめろ!」とか言われても知らんわって感じだろうね
他人がひどい目にあっても「俺は嫌な思いしてないから関係ない」って知らんぷりしてたら最終的に自分がひどい目に合った時にみんな「俺は嫌な思いしてないから関係ない」ってなる童話の世界
30. 匿名処理班
※26
そらちきう汚して発展()してきた先進国が流石にコレやべぇって反省できたからでしょ
恩恵受けられずに環境悪化のデメリットだけ受けてきた途上国からしたら「お前らがさんざん汚して美味い汁吸ってきた結果やんけ」「俺らが同じこと始めたらやめろとか通るわけ無いやろ!」ってなるのは目に見えとるわ
もう終わりだよこの星
31. 匿名処理班
宿主ごと死ぬウイルスみたいなもんやな人間
32. 匿名処理班
なくならないとそのありがたみに気づかないんだよねえ人間って。
33. 匿名処理班
氷河期に入ったらリセットされるんでしょ(ハナホジ)
34. 匿名処理班
何万年も氷に閉ざされる
マンモスのいない現代で
人類は生き延びれるのだろうか
35. 匿名処理班
※23
海洋に鉄散布する実験とか行われていますね。
沿岸部では ※22 のいう通りでしょうけど、大部分の海洋は砂漠同様に貧栄養状態なわけで、うまく沖合に流せるような仕組みがあるといいですね。
※18
マイナスがいっぱいついてるけど、上位参加国で半分ですからねぇ。多いほうから対応するってのがセオリーだから貴方の意見に賛成ですわ。
縄文海進を知っている身としては、二酸化炭素だけが理由なのか懐疑的なんです。水蒸気の温室効果をどこも言わないの怪しいといぶかしんでます。
今回の記事はカオスの話でもあり、ある閾値を超えると急に変化するという要素も予測を難しくしているんですね。面白い記事でした。
36. 匿名処理班
要約すると手遅れって事じゃね?
37. 匿名処理班
このコメ欄破滅願望持ち多すぎでしょ
38. 匿名処理班
二酸化炭素(CO2)を光の力で燃料に再生!「CO2光燃料化」反応経路を初めて解明
ttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000460.000015177.html
こういうのもあるので排出抑制だけに偏るのもどうかなと思う
39. 匿名処理班
石油利権は既得権益を諦めて、核融合発電に賛成・推進してくれ…
40.
41. 匿名処理班
そもそも温暖化はこの海流の変化が原因です。
深層海流の蛇行は250年で一周すると言われていますが、今はその変動期になります。
根本原因は二酸化炭素じゃないです。
42. 匿名処理班
人間その他の生き物にとっては確かに大きな変動なんだろうけど、
裏を返せば生き物が生まれたのが奇跡みたいなもんで、生き物はめちゃくちゃ弱くて、常に薄氷の上で生きてるようなものなんですわ。
地球主観ね(笑)
それとそんなに人間の活動が大きく影響してるんなら(私は否定的だが)現実的にはもうどうにもならんね。
土用丑の日にウナギ食ってる場合じゃないし、
スマホ弄ってる裏で今もディーゼルがんがん焚いて食べ物やら何やら狂ったように運んでますがな。
43. 匿名処理班
海流より直接地上で行われてる事の方がよっぽど影響でかそうなんですが。
とにかく自分ら出来るのはあれこれ屁理屈述べて他人毎にするのではなくて
過剰な贅沢を抑制する事だけでしょ。
44. 匿名処理班
このネタだけでパニック映画が5本くらいアメリカで作られそうw
45. 匿名処理班
前回大西洋の海洋深層水の循環が止まったのは氷河期末期で
北米五大湖あたりを厚く覆っていた巨大氷河湖が決壊し
冷たい真水が破局的な洪水起こしながら大西洋に一気になだれ込んで
比重の重い海水にフタをして熱対流を止めた結果だが
今それに通じる自然災害あったか?
46. 匿名処理班
地球って高速回転していて海底は凸凹だよね?
海流が変化するならまだしも、止まるって事がありうるの?
47. 匿名処理班
>>7
昔気温上がり始めた頃にタイキの成分をしらべたところ二酸化炭素だけが増えていたからで、それ以外の理由はありません
温室効果ガスは逆説的についた名前であって全ての物質は熱を保持する効果を持っているのは当たり前の知識ですよね。
48. 匿名処理班
「海流が乱れて世界中で異常気象」って、昔のポケモンの映画にあったな。
もう20年前か
49. 匿名処理班
※30
じゃあ早くこの星から出ていけば?
「もう終わりだよこの〇」
これを言う人間にろくな奴はいない
50. 匿名処理班
※47
因果関係が逆で気温が上がると二酸化炭素濃度が上がるだけ
南極や砂漠のような二酸化炭素の放出や吸収するものがない場所では必ずしも一致しない
しかもそう主張するIPCCはデータの捏造をしており根拠が消滅している
なお温暖化物質の9割は水蒸気で二酸化炭素は僅かでしかなく増えたところで大差はない
では一番の要因は何かと言えば太陽でちょっと当たる角度が変われば冬と夏くらいの差が出るレベル
その活動も黒点の観測で計れるわけでこれは地球の気温と比例している
51. 匿名処理班
水蒸気は、温暖化をブーストする働きがある。
温室効果ガスによって僅かに気温が上がると、飽和水蒸気量が上がり、多くの水が大気中に存在できるようになり、より温室効果が高まるという仕組み。
そのため依然として、二酸化炭素の削減は行わなければならない。(勿論、家畜の排出するメタンガス等他にも温室効果ガスは存在するが、半減期が短かったり等、主要な影響を及ぼしている物質ではない。最も影響が大きく、問題視されているのが二酸化炭素)
また、太陽周期の関係から地球は温暖期の最中であり、人類がいなかったとしても温暖化は自然と起こるものだが、その温度上昇分が異常であり、対策を取らなければ人類の成長は鈍化するか、止まる。最悪の場合、戦争を誘発させて滅亡もありうる。
縄文時代は確かに今より熱かったが、人間の数は今より格段に少なかった。
人間が対応できないスピードで環境が変われば、限られた、安全に人が住める土地、水、食料をめぐった争いが起きる。
生死をかけた血みどろの争いを多くの人は望まないと思う。
それに、四季が曖昧になり、冬が殆どなく、ほぼ一年中40℃の猛暑が続き、大型の台風が頻繁に襲撃して建物を破壊して、農作物を吹き飛ばし、川の氾濫は当たり前、海沿いの平地は沈没して、整備されてない凹凸の激しい山地に移住を余儀なくされる、そんなきつい暮らしを強いられるのも酷だと思う。
生きていくことは可能かもしれないが、文明的な生活は一部の上流階級、支配者層しか得ることができず、中流階級や貧困層の人々は...
52. 匿名処理班
こうやって危機感を煽って予算を獲得するのが仕事。
53. 匿名処理班
研究者でも無い人間があたかも研究者のごとく喋り
あたかも神のごとく理を説く
研究者でも未だに結論が出ていないというのに
まぁ研究というモノを未経験の者に理解せよというのも無理か
それよりも危機を煽って歓心を得る方が快楽だもんな