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気候変動を乗り切るため、野生動物たちの体に変化が現れている

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(著) (編集)

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 気候変動に適応しなければならないのは人間だけではない。それは自然界も同じで、野生動物たちも暑くなった世界に適応しなければならない。

 『Trends in Ecology and Evolution』(21年9月8日付)に掲載された研究によると、このところ動物の体形が変化しているのだという。地球温暖化の影響で、クチバシ・足・耳といった体温を調節するための器官が大きくなっていることがわかったという。

野生動物の体温調節

 耳や足、あるいはクチバシといった器官は体温を調節するのに役立っている。

 人間なら、暑い日には汗をかいて体温を下げる。だが多くの動物は、体から飛び出すようについている付属器官を使って体温を調節している。

 たとえば、ゾウの大きな耳にはたくさんの血管が走っており、これをパタパタとはためかせることで血液を冷やしたり、風に当てて熱を逃がすことができる。

 鳥はクチバシに流れる血流量を調節することで、体温を下げている。

鳥類の体温調節に必要な器官が大きくなっている

 オーストラリア・ディーキン大学をはじめとするグループによれば、地球温暖化による体形の変化は特に鳥類で顕著だという。

 オーストラリアに生息する数種のオウムは、1871年以来、クチバシ(ゾウの耳のように体温調節機能がある)の大きさが平均4~10%大きくなっている。そして、こうした変化には、夏の気温との相関がみとめられる。

 北米のユキヒメドリのクチバシも同様で、こちらは寒い時期に短期的に起きる大きな気温の変化とに相関が見られた。

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くちばしが体よりも熱いことを示すキングオウムの赤外線写真 / image credit:Alexandra McQueen

哺乳類の体も変化

 こうした変化は鳥だけでなく、哺乳類でも確認されている。

 たとえば、ヨーロッパやアフリカ北西部に分布するモリアカネズミはしっぽが長くなり、北米でもっとも一般的なトガリネズミの仲間はしっぽと脚が大きくなっている。いずれも体温調節に必要な器官だ。

 また、アフリカゾウの耳が大きくなっていることも確認された。いずれも体温調節に必要な器官だ。

Shape-shifting: changing animal morphologies as a response to climatic warming

気候変動に適応する為、動物たちの体に急激な変化が起きている

 鳥類学者のサラ・ライディング氏は、気候変動は人間だけの問題ではなく、「動物もこうした変化に適応しなければならないことを今こそ認識すべきです」と述べる。

 彼女によると、そうした変化はこれまでの進化の歴史で経験されてきたものよりも、はるかに短いタイムスケールで起きているのだという。そしてもちろん適応できる種も、そうでない種もいる。

 付属器官の大きさの変化は10%未満で、私たちの目にすぐに留まるようなことはないようだ。

 それでも「耳のような目立つ付属器官は大きなると予測されていますので、そう遠くない将来、実在のダンボが誕生するかもしれませんね」とライディング氏は語っている。

References:Animals “Shapeshifting” in Response to Warming Climate / Animals Are Changing Shape to Cope With Rising Temperatures | Science | Smithsonian Magazine / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 39件

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  1. 自分も進化じゃないけど汗の質が変わった感じはする、汗がサラッとして乾きやすくなって気化熱でスーッとする感じになったような気がする。

    • 評価
  2. そう言えば、最近髪が薄く成って来たかなぁ(;^_^A

    • +12
      1. ※17
        子孫を残せないから
        当人の”退行”止まり。

        • 評価
        1. >>35
          ジェフ・ペゾス「ほぉ~ん?(威圧)」

          • 評価
    1. ※2
      知ってます?
      髪には直射日光を遮る役目もあるって

      • +2
  3. 進化論では温暖化に対応した遺伝子を持った子孫が増えてきている。
    これを自然淘汰と言うが、人間がもたらした気候が自然と言えるのだろうか。
    本来あるべき気候に戻さないと、それに対応できない種類は絶滅に陥る事にもなる。

    • -6
    1. ※4
      なんで人間だけが自然の外に居ると思ってるの?
      人間が特別な存在だとでも?6600万年前まで恐竜に怯えてた小さな哺乳類がちょっと大きくなっただけだろ

      • 評価
    2. >>4
      そもそも「人間がもたらした」というのが正解なのかどうか

      • +1
      1. ※25
        それに関しては、人類の影響で温暖化が急速に進行されていることは、
        疑いようのない事実だと、殆どの学者が認めている、
        そして食い止める術がほとんど無いことも・・・

        • 評価
  4. 動物は自分の体を対応させてるのに自分らは外部装置に簡単に頼って
    快適さを手に入れていいのかって気分になる。

    • +2
  5. 夏も冬もエアコンに頼り切ってる人は、人類の進化から置いて行かれるのかな@@

    • +1
  6. これは淘汰と言えるのだろうか
    象なんかは世代交代のサイクル長いだろうし、耳の大きさがそこまで生存を左右するのかどうか
    エピジェネティクスな変化と考えたほうがしっくりくる

    • 評価
    1. ※8
      江川投手はずっとマウンドで暑いから耳がデカくなったんよ。

      • -3
    2. >>8
      エピジェネティクスもあるかもだけど、やはり淘汰もあるんじゃないかな
      猛暑は何年も続いているから、初期の頃に熱中症で死ぬやつは死んだはず
      そろそろ生き残りの子供が成熟しててもおかしくないような

      • 評価
  7. 昔から耳が大きかったが平均体温はほかの人よりも低いし
    夏の高温でもクーラーは不要だった

    • 評価
  8. 最近、若者の身長が低くなってるってどっかで見たけど、関係あるかな?

    夜ちゃんと寝ない、まともな食事取らないとか、複合要因なのかもだけど。

    • +2
  9. 人間も放熱効果の向上のため
    金玉がでかくなっている可能性もあるな

    ぜひ調査してほしい

    • +2
    1. >>12
      服で覆うからでかくても小さくても無関係では?

      • 評価
  10. 『俺の付属機関も…』て書くやつがいるに+3。

    • +4
  11. 気候変化の速度が未だ対応間に合うレベルなのか
    今後スピードアップしてからが本当の自然淘汰の始まりなんだろうな

    • +2
  12. 環境への適応を成功させた個体が多くの子孫を残したということは、それだけ淘汰された個体も多々いたであろうことを意味し、しかしそれが結果的に進化へとつながっていく。
    環境への適応を進化ではなく文明に頼っている我々の未来はどうなっていくのでしょう。。

    • 評価
  13. これってグラフの類が載ってないからよく分からないのだけど、例えば

    オーストラリアに生息する数種のオウムは、1871年以来、クチバシ(ゾウの耳のように体温調節機能がある)の大きさが平均4~10%大きくなっている。

    とあるけど、それは1871年から一貫して大きくなっているのであれば、それより以前に大きさが変わってない時期もしくは小さくなっている時期がないとオウムの進化の方向性なのか気候変動の影響なのか判別ができないし、人間の手が入ってない原生林や離島のデータでないと、人の淘汰圧の影響や森林破壊や都市化による局地的な気温上昇の影響なのかが判別できない。また体全体のサイズはどうなってるのか。都市部のネズミが巨大化しているのは有名な話。

    • +1
  14. イヤホンしてるとめっちゃ暑く感じるけど人間の耳もそれなりに放熱機能あるんだろうか
    耳の穴塞いでるだけなんだけどなあ

    • 評価
  15. 鳥「あの時代の大きさに戻ろっかな…」

    • 評価
  16. 進化って表現は早すぎじゃないか?

    象の寿命を60年だとして、ここ30年で生息数は半分になってる
    その中で、耳の大きい象が目立つなら
    暑さに対応できない象は死んでるってことですよね?
    進化って言うより、絶滅しかけてるってことだと思うんです
    今も減ってるわけですから

    • +1
    1. ※24
      鳥とかネズミは自然界じゃライフスパン短いから淘汰もわかるけど、なるほどゾウはそういうことか

      • 評価
      1. >>28
        いやオウムってめちゃくちゃライフスパン長いぞ
        ネズミと一緒にしていい生き物じゃない

        • +1
  17. どうせならエラと水掻きが生えて、海中で生きて行ける進化がしたい。

    でも水温も上がってるんだよなあ…

    • 評価
  18. 結局、動植物は白亜紀のような温暖な世界に立ち戻っても姿形を変えて逞しくやっていくだけらしい
    だから温暖化防止は動物を守るためだとかもっともらしく言う人は、その人だけ頑張ってればいいのさ。動植物は頼んじゃいない

    • -1
  19. 人の生産活動が温暖化を加速させたのは学術論文諸々が謳うように間違いないとは思うけど
    その加速度に人以外の自然的な要因をちゃんと研究した結果は出てこない
    昨今の自然回復を謳って投資を煽るビジネスモデルを見てると裏を勘繰りたくなる

    • 評価
  20. ここ数年、関東のセミは強烈な暑さの昼には鳴かず夜に鳴いてる、これも進化なのかも

    • 評価
    1. >>31
      セミは元々ある程度以上の高温になると生存を優先して鳴かずにじっとしている。なので真夏の猛暑の時は鳴かない。夜に鳴いているのは気温が下がるのと食料源の街路樹が街灯や都市化で明るいため。夜目は利かないから鳴いたところで交尾もできず、暗闇では鳴かない。

      • +1
  21. なら人間も手足の大きさを比較しないとダメだな。

    火に手をかざして暖まるように、人間も手が体温調節器官の役割を持っている。だから事故などで手を無くした人は体温調節がちょっと大変なんだ。

    • 評価
  22. 地上に生物が進出してから最高の気温と言うわけでもないんだから
    元々もっていた機能が働いてるにすぎないのではと
    そうでもないと種として生き残ってこれないでしょ

    • 評価
  23. 厳冬期の鳥ちゃんを見て、素足で寒くねーのかなと勝手に心配していたので、足ホカホカの画像で安心しました

    • 評価
  24. 汗かかずに体温調節できるように進化したいな

    • +1

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