
image credit:Good Morning America/Facebook
アメリカ・ジョージア州の国際空港のラウンジで、10年以上ピアノを弾き続けてきた男性に、感動のサプライズが訪れた。男性の演奏に心打たれた乗客の1人が、SNSを介して男性のためにチップを寄付するよう呼びかけたところ、短時間で61000ドル(約670万円)もの寄付が集まった。
見知らぬ人々からの善意の行為に、ピアニストの男性は感涙。チップのほぼ全額を、困っている人を助けるために寄付するそうだ。『Good Morning America』が伝えている。
Atlanta airport pianist gets $60,000+ tip
幼少から音楽と共に生きてきたピアニストの男性
ジョージア州アトランタのハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港で、ピアノを弾き続けて13年になる男性がいる。トニー・“ヴァレンタイン”・カーターさん(66歳)は、毎週月曜から木曜日まで、空港のコンコースAにあるピアノバーで、ピアノ演奏をしている。
カーターさんが奏でる曲は、オリジナルからカバー曲まで様々だ。
もともと、ジャズが大好きなのですが、ポップスやソウルミュージック、クラッシックなど全ての音楽が大好きです。ゴスペルもリクエストされれば、喜んで弾きますよ。このように話すカーターさんと音楽との出会いは、ピアニストだった父親が大きく影響しているという。
6歳の時、父に連れられてレイ・チャールズのコンサートに行きました。その時、ピアノ演奏に衝撃を受け、以降全ての音楽は常に私に感動をもたらす存在となったのです。テネシー州立大学で音楽の学位を取得したカーターさんは、レコード店で勤務したりナイトクラブで演奏したりして、着実にキャリアを積んでいった。
そして、最終的にクルーズ船のピアニストになるも、その11年後には腎臓病を患っていることがわかり、船での演奏を止めざるを得なくなった。
2008年に腎臓病が発覚し、私の腎臓は10%しか機能していないと医師に宣告されました。
船上で演奏することは肉体的に無理があると判断し、クルーズ船での仕事を辞めたのです。でも、縁あって空港でピアノ演奏する機会に恵まれ、今はもう13年です。
毎晩、9時間の透析を余儀なくされていますが、充実した人生を送っていますよ。
そんなカーターさんの演奏に心を打たれたのが、ちょうどフライト待ちをしていたカルロス・ウィッテイカーさん(47歳)だった。
カルロスさんの呼びかけで、多額のチップがカーターさんに集まる
7月21日、カルロスさんはテネシー州ナッシュビルに戻るため、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港でフライト待ちをしていた。モチベーショナルスピーカーとして著書も出版しているカルロスさんは、この日メンフィスでの仕事がキャンセルになり、帰路を変更するためアトランタで1時間半ほど滞在することになったという。
かつて自身もミュージシャンだったというカルロスさんは、フライトを待つ乗客が誰1人として注目していないカーターさんのピアノに耳を傾けるうちに、その演奏に深く心奪われた。
そこで、カーターさんの傍に行って互いの話をしたカルロスさんは、このようなアイデアを思い付いた。
このピアニストに、これまでにないほどの多額のチップを集めてサプライズでプレゼントしたい。早速、カルロスさんは20万人以上のフォロワーを持つ自身のインスタグラムアカウントで、カーターさんのピアノ演奏をシェアし、チップ集めを呼びかけた。
当初、2500ドル(約274000円)を目標金額としていたが、なんと30分以内にはその額は1万ドル(約110万円)に達した。
このことをカーターさんに打ち明けると、最初は驚いた様子を見せていたが、話の途中から見知らぬ人々の善意の行為が現実に起こっていることに感動し、涙ぐんだ。
更に、カルロスさんがナッシュビルに到着する頃には、チップの金額は61000ドル(約670万円)にも上り、それを聞いたカーターさんは「信じられない」と驚きを露わにした。
チップのほぼ全額を寄付することを表明
後のメディア取材で、カーターさんは集まったチップは車のオイル交換代に使う以外は、ほぼ全額を困っている人を助けるために寄付することにしたと話している。四半期ごとに、American Kidney Foundation(米国腎臓基金)に寄付することにしました。見知らぬ人からもらった大きな親切を、再び見知らぬ人のために役立てたいと話すカーターさんの言葉を聞いたカルロスさんは、彼の人となりに感動。「彼は、正真正銘の素晴らしい人間です。彼の才能がもっと発揮される日が来るのを是非見てみたい」と口にしている。
神は、私にこのお金の管理人を任せてくれました。私は、神を失望させるようなことは絶対にしません。
一方、この1件以降頻繁にカルロスさんと連絡を取り合うようになったというカーターさんは、「私たちは、単なる友人同士ではありません。今やカルロスさんとは家族同然です」と奇跡の出会いを喜んでいる。
image credit:Good Morning America/Facebook
written by Scarlet / edited by parumoあわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
何て優しい世界・・・・・・
2. 匿名処理班
いきなり多額のチップをもらって、驚いただろうしラッキーって思ったに違いない。
決して裕福ではなかったはずなのに、しかしそれを寄付すると決断して満足するカーターさん。
幸せって何なんだって思ってしまった。
お金を貰ったことより、自分の演奏にそれだけの価値があると認められて嬉しかったのかな。
3. 匿名処理班
シンプルにどっちもすごいな
こりゃ音楽に胸打たれるし、そういう演奏が出来るわけだ
4. 匿名処理班
だめだ…
いい年したおっちゃんやおばちゃんが泣き崩れる姿を見ると、もらい泣きしそうになる…
5. 匿名処理班
自身も透析してるのに同じ境遇の人に寄付するとか……
人間が出来すぎてて、とても真似できない
こんな人だからこそ発起人はじめ様々な人を演奏で感動させることが出来たのかな
6. 匿名処理班
カルロスも懐が広いな。
カーターのために募ったチップを他所に寄付されても、それを喜び認めることができる。
7. 匿名処理班
金があれば家族になれるのか
8. 匿名処理班
偉いなあ凄いなあ...。
ワタシだったら「神様はホントにいるんだなあ」とか言って、自分の事に使ってしまいそうだ。
9. 匿名処理班
ほぼ全額寄付する必要はないと思う。
ピアニストのために、チップを払ったんだから。
効果的な利他的行動を受け入れよう。
10. 匿名処理班
年老いたら指が動かなくなっちゃうんだから、老後のためにとっておきなよ
と思うのは俺が日本人だからなのだろうか。
11. 匿名処理班
犬のカップルがスパゲティ食べてる横で
ムードに合わせて演奏してくれそう。
12. 匿名処理班
>>2
まあ、独り身だと使う場も無いしアメリカは寄付先に困る事は無い程いっぱいそういう団体はあるし、過去の経験からここに寄付しようと思えるところがあったんじゃない
13.
14. 匿名処理班
>神は、私にこのお金の管理人を任せてくれました。私は、神を失望させるようなことは絶対にしません。
私ならラッキー!と思って1割動物の保護施設に寄付・9割自分
病気なら10割自分のものだわ
人間としての出来が違う
15. 匿名処理班
本当にピアノを弾くことが好きでピアノを弾いて生きてるから、他の人からの善意を喜んで受けた上で他の人へも善意を送ったんだろうな
足るを知る、っていうのは、こういうことなんだろうな
16.
17. 匿名処理班
>>5
たぶん人じゃなくて団体だと思う
18. 匿名処理班
毎晩9時間の透析ってメチャメチャ大変だな・・・
入院した時、点滴したまま寝るだけでも結構しんどかったのに
今後もピアノを演奏し続けられたらいいね!
19. 匿名処理班
ここで全額寄付出来るのが凄いね
キリスト教的な互助思想ってだけでなく、寄付先の団体に以前助けてもらった経験もあるのかもね
20. 匿名処理班
足るを知る人だったんだな。
賢人だ。
21. 匿名処理班
記事がよくわからない
仕事で給料もらってピアノを弾いていたのか?
それとも、チップのみで生活していたのか?
意味合いが大分違うよね
日本人の感覚なら、給料もらっていたなら寄付は受け取らないのが普通だろ
逆に、チップのみで生活していたなら寄付は受け取ってもいいでしょ
22. 匿名処理班
ワタシ アメリカ ノ コノブンカ スキ
23.
24. 匿名処理班
こういう文化がエンターテイメントを支えているのだとすると
なかなか大きな隔たりを感じるね
25. 匿名処理班
オイル交換の分だけお金を使うところが微笑ましいw
近々しないなーと考えてたんだろうけど。
26. 匿名処理班
※20
そして『足らざるを知る』(腎臓)すらも知っていての行動だったんだね
もし彼がただの人間だと言うなら僕はきっと虫けらだろう
27. 匿名処理班
>>17
人って言葉を使っただけだと思う
行き先が団体でもさらにその先は人のはずだし
28. 匿名処理班
海外の話なのに「日本人の感覚」とは
29. 匿名処理班
>>6
チップを贈ろうと思ったことが本当に善意だったって分かるよね。
30. 匿名処理班
>>27
いやいや寄付先を個人にするといろいろ面倒なんだよアメリカは
31. 匿名処理班
誰だって終末までの生活が保証されるなら、余分な稼ぎはそれを必要とする人に与えたくなるもの。
北欧とかはそういうシステムがあるが、日本にはそれがないから、みんな将来の生活不安で貯蓄しまくるから、お金が必要とするところに回らないんだよ。
32. 匿名処理班
>>21
仕事でやってるんだろ
アメリカだとチップも収入の一部で生活費だから受け取るんじゃない
33. 匿名処理班
>>14
君は俺か?
34. 匿名処理班
>>27
なぜ慈善団体を作ると思ってるのかな
35. 匿名処理班
アメリカのこうゆうとこ大好き
36. 匿名処理班
神が私にこのお金の管理人を任せてくれたってすごくいい考え方。
37. 匿名処理班
※21
えっと、ジョージア州の国際空港はアメリカで、彼はアメリカ人なんだけど。
ついでに向こうはチップをもらう事前提になっている分、基本給が低いっていう労働環境。(彼のお給料が低いかどうかは知らないけど)
給料もらっていればチップは固辞するってのが頭から間違ってるし、チップとは違う寄付だとしても彼に贈られたものなら彼が受け取るのは当たり前。
っていうか、日本の話じゃないのに日本の感覚で云々って、記事がどうこうではなく自分の感覚を疑った方が良いのでは・・・