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小さなチワワが勇敢で大胆な理由はコヨーテの血筋を引き継いでいるからなのかもしれない

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左)コヨーテ、右)チワワ Image by unsplash
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 小さな体で大きな瞳を持つ愛くるしいチワワだが、その性格は大胆で強気なところもある。防衛本能も強く、番犬気質を発揮しよく吠える子も多い。

 もしかしたらその気質はコヨーテと関係があるのかもしれない。

 アメリカの研究チームがゲノム解析を行ったところ、チワワのDNAに野生のコヨーテと共通する部分が含まれていることが判明した。

 専門家は、チワワの性格は内に秘めたコヨーテの血が一因かもしれないと指摘している。

 この研究成果は『Nature Communications』誌(2026年7月25日付)に掲載された。

参考文献:

チワワのDNAに野生のコヨーテと共通する部分を発見

 アメリカのスタンフォード大学などの研究チームは、「Gnomix」と「Gnofix」と名付けた新しいソフトウェアを開発し、犬のゲノム(遺伝情報)を解析した。

 このソフトウェアは、動物のDNAの各部分がどの祖先から受け継がれたものかを特定する「局所祖先推論(LAI)」と呼ばれる技術を使っている。

解析の結果、世界で最も小さな犬であるチワワのゲノムに、野生のコヨーテ(Canis latrans)と共通するDNA領域が複数含まれていることが明らかになった。

 コヨーテは北アメリカ大陸に生息する野生のイヌ科動物だ。オオカミよりは小さいものの、人に慣れず、縄張り意識が強いことで知られている。

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コヨーテ Image by pixabayVeronika_Andrews

コロンブス到達以前のアメリカ大陸で起きた交雑

 今日のアメリカ大陸にいる犬の多くは、15世紀以降にヨーロッパから持ち込まれた犬種の子孫である。

 しかしメキシコ原産のチワワと、同じくメキシコ原産で被毛の薄いメキシカン・ヘアレス・ドッグ(ショロイツクインツレ:Xoloitzcuintl)は、ヨーロッパ人が到着する前からアメリカ大陸で暮らしていた固有の犬のDNAをわずかに受け継いでいる。

 2020年に発表された古代の犬のゲノム研究によると、固有の犬に由来するDNAは、チワワのゲノムの約4%、ショロの約3%を占めるという。

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メキシカン・ヘアレスドッグ Image by Istock / : nickpo

 コヨーテのDNAがいつチワワの血統に入ったのかは明確になっていない。

 しかし、アメリカ大陸の古代の飼い犬の遺骨からはコヨーテの祖先の証拠が見つかっている。

 研究チームも論文の中で、コロンブス到達以前のアメリカ大陸の文化が犬とコヨーテを交配させていた証拠があると述べている。

 野生のコヨーテとオオカミは自然に交雑することがわかっており、犬もほかのイヌ科の動物と子を残すことができる。

 チワワの祖先とコヨーテの交雑が、当時の人間による意図的なものだったのか、偶然の産物だったのかはわかっていない。

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チワワ Image by pixabay / workerin

小さな体に宿る、野生のコヨーテの性質

 コヨーテのDNAを受け継いでいるにもかかわらず、チワワがこれほど小さな体をしているのには理由がある。

 遺伝子解析により、ほぼすべての小型犬種が、細胞の成長を促すホルモン、インスリン様成長因子1(IGF1)遺伝子に変異を持っていることがわかっている。

 犬の家畜化の非常に初期の段階から、人間はこの変異を持つ小さな個体を好んで繁殖させてきた。

 こうした人為的選択が重ねられた結果、チワワは現在のミニチュアサイズになったと考えられている。

 チワワはただ小さくて大人しいだけの愛玩犬ではない。大胆で敏捷、そして独立心が強く誇り高い性格を持っている。

 チワワは飼い主に深い愛情を注ぐ忠実な犬で、警戒心が強く、見知らぬ人や自分より大きな相手にも吠えて立ち向かう。

 アメリカンケネルクラブ(AKC)も、チワワを「勇敢で大型犬のような性質」を持つ犬種と紹介している。

 その一方で、チワワには神経質で臆病な面もある。

 チワワのどの性質がコヨーテから受け継がれたのかは、まだわかっていないがほんのりコヨーテの面影が残っているような個体もいそうだ。

 研究に参加していない動物学者のジャクリーン・ボイド氏は、チワワの「小さくても力強い」という評判は、野生のコヨーテの血を引いていることで部分的に説明がつくかもしれないと述べている。

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Image by unsplash / Danil Shostak

犬の進化の歴史と多様性を理解する手がかりに

 所説あるが、犬は1万5000年以上前から、アメリカ大陸では1万2000年以上前から、人間によって家畜化された動物だと言われている。

 世界に7億から10億頭いるとされる犬たちは、過酷な環境を生き抜くための自然選択と、人間が望む特徴を掛け合わせる人為的選択の両方を受けてきた。

 その結果、小柄なチワワと堂々としたグレート・デーンのように、体格差が40倍にもなる極端な多様性が生まれた。

 犬と調和して暮らすためには、それぞれの犬種が持つ遺伝的な背景や、身体的・心理的な特性を正しく理解することが不可欠である。

 犬の祖先はオオカミだが、チワワの強気な態度を見たとき、「小さな体に潜むコヨーテ」の姿を思い浮かべるようになるかもしれない。

References: DOI.s41467-026-75391-0

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