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子犬は生まれつき人間とコミュニケーションできる能力を持っている(米研究)

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(著)

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 新たに発表された研究によると、子犬は生まれた時からすでに、人間とコミュニケーションする能力を持っているという。何の学習や訓練をすることなく人間と意思の疎通がとれるというのだ。

 人間と犬の歴史はとても古い。諸説あるが3万年にはすでに家畜化されていたという説もあるくらいだから、犬は人と共にうまくやれるよう適応進化していったのだろう。その能力の約40%が遺伝的なものであるという。

子犬は生まれつき人と接する能力を持っている

 アメリカ・アリゾナ大学人類学部アリゾナ犬認知センター所属の博士研究員で、動物心理学者のエミリー・ブレイさんは、6月3日に学術誌『Current Biology』で、「犬は生まれながらにして人間とボディランゲージを介して社会的なコミュニケーションをとれる能力を持っており、その能力の約40%は先天的なものであり、人間との多くの経験を経る前に現れる」と指摘した。

 つまり、幼い子犬に知られている人への親しみやすさは、部分的に生まれつき備わった能力であるという。

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生後8週目の子犬375匹を使って実験

 ブレイさんと同僚は、アメリカの介助犬組織『Canine Companions』で10年にわたり犬と一緒に働いてきた。

 今回、同組織にアクセスし、チームは生後8週目のゴールデン・レトリバーとラブラドールの子犬375匹を使って実験。人間との相互作用に対する応答性と、協力する意欲を測定するため、様々なタスクを完了するよう求めた。

 その結果、ボディランゲージを介して対話する子犬の能力の、少なくとも40%は先天的なものであり、残りは個々の人間との関係に影響されることが判明した。

 生後2か月の子犬は、人が物を指差していることを既に認識し、話しかけられるとその人の顔をじっと見つめた。

 また、カップの下に隠した食べ物を指差して実験したところ、子犬の約70%がそれを見つけることができたという。

 最初から成功率が高かったこの実験で、子犬は学んで仕事を覚えていくよりも、その能力が遺伝的に備わっていることをチームは発見した。

 しかし、2つのカップのうちの1つに食べ物を隠し、人間が犬に指差すなどのコミュニケーションを取らなかった実験では、カップの下の食べ物を見つけた犬の確率は低かった。

 更に、子犬に赤ちゃん声で話しかけると、平均6秒以上、犬はその人に視線を注ぎ続けた。別の実験では、子犬が餌の入った箱を開けられなかった時、人の顔を1秒ほど見ただけで、特に助けを求めようとしないこともわかった。

 こうした複数の実験から、生後8週目の子犬は幼い子供を同じように生まれつきよく理解する能力があり、話しかける人に反応する一方で、人に助けを求めるのに必要な社会的スキルはまだ発達していないということが明らかになった。

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今後の介助犬の訓練と犬の歴史の追跡に役立つ可能性

 ブレイさんは、この研究結果を発表した時、このように述べている。

子犬の4割が遺伝的に人間とのコミュニケーション能力を持っているというのは、人間の知能の遺伝率の推定値とほぼ同じであり、非常に高い数値です。

子犬は、生まれながらにして人間の視線に反応し、人間から与えられた情報をうまく利用する能力を備えています。

今回の発見は、将来の介助犬の訓練の改善に役立つだけでなく、犬の進化と家畜化を追跡する上でも、有益な情報となる可能性があります。

つまり、人と対話する傾向がある動物は、犬の祖先として知られるオオカミから来ているからです。

オオカミから犬という家畜化の過程において、遺伝的に備わったこれらの社会的スキルが、犬には明確に現れているのです。

人間との経験が豊富になる前に、非常に若い年齢でその能力を示しているわけですから、犬が飼い主の意図をコミュニケーション内から読み取ることができれば、より調和のとれた関係を犬と人が築き上げることができるでしょう。

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 今回の研究発表を含め、子犬が人間の赤ちゃんと同じように反応し、コミュニケーションする意欲を共有しているという証拠は過去の研究からも示唆されている。

 しかし、この行動の背後にある遺伝的影響においては、まだ全てがはっきりとは明らかになっていないため、今後もブレイさんチームは研究を続けていくと話している。

Top image:photo by Pixabay /References:New Scientist / written by Scarlet / edited by parum

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この記事へのコメント 19件

コメントを書く

  1. 子犬「はーい、この中に、人間と意思の疎通ができない人間がいまーす」

    • +2
  2. 生まれつきコミュ力はあっても、社会性は育つ上で学んでいくんだな。人と一緒

    • +10
  3. 犬は人間をよく理解してる
    人間のほうが犬のことをよくわかってないんだきっと

    • +17
  4. 可愛い仔犬が他所の庭に一匹でいるのを見て、
    「あれぇ?ひとりでちゅかあ?ちゅまんないでちゅねえ。
    オジチャンが遊んであげまちょうかあ~?」
    などと話しかけてしまい、
    ハッ!と我に返り恥ずかしくなった去年の夏の昼下がり…

    • +11
    1. ※4
      安心しろ
      木陰で親猫公認に放置されてた子猫でも同じことやって
      近くに来る散歩に来た人らを巻き込みえらいことになった
      折れに比べたらまだかわいいもんだ

      • +6
  5. >カップの下に隠した食べ物を指差して実験
    臭いでバレバレなんじゃないのかしら

    • -4
    1. ※7
      指を差さない等コミュニケーションを取らなかった場合は発見率が落ちてる旨が書いてあるんだから匂い云々は考慮に入れてなお有意な差異がある、と言う話でしょ

      • +4
  6. 犬が人間に対して無償の愛をくれるからねぇ~
    だからこそ教育とそして生活のディレクションは人間がよく考えてあげないと
    犬が必死に人間とコミュニケーションをとろうとしてくれているのだし

    • 評価
  7. 仔犬が生まれつきヒトとコミュニケーションを取れる点には納得だけど
    犬が大昔に家畜化された為なのかは大きな疑問がある
    この実験の”話しかけられるとその人の顔をじっと見る”や”赤ちゃん声で話しかける”なんて
    仔オオカミや仔ライオンでやっても反応する可能性は高いと思う
    仔犬だけでなくイヌ並に高度な知能を持つ野生動物でも実験しないと証明にならないと思う

    • -2
    1. ※10
      牛や羊も「指さし」を理解できるらしいって研究結果もあるしね。
      逆にサルの仲間はゴリラやチンパンジーレベルであっても指さしを理解できなくて、伸ばした指そのものに注意を向けてしまうらしい。

      • +3
      1. ※18
        へえ! だとすると(生まれつき)指差しを理解するかは知能の高さとはまた違うんだね。
        その違いが人間と長く接して獲得した遺伝によるものなのか、そうじゃないのか気になる。

        • 評価
  8. 他の家畜は農耕ができるようになってからだけど、犬(狼)だけは狩猟採取時代からのパートナーだからな。ヒトも犬に影響されて変わった可能性もある。

    • +2
    1. ※13
      それもゴールデンとラブの子犬。再現実験する時には呼んでください。駆けつけます。

      • 評価
  9. 疑問系で話しかけるとじっと目を見てきたり首をかしげるもんなぁ
    あーかわいいかわいい

    • +4
  10. 犬は人間を好きだから
    狼から犬になったんだよ

    • +1
  11. 「生後8週目のゴールデン・レトリバーとラブラドールの子犬375匹を使って実験」ってとこでもうはわぁぁぁぁぁぁってなる

    • +4
  12. オオカミの子供と比較して理解の程度がどう違うか調べてみて欲しい

    • 評価

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