メインコンテンツにスキップ

賢いキバタン、ゴミ箱の蓋の開け方が仲間に拡散。ゴミ漁りパーティーが流行中

記事の本文にスキップ

31件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 オウムの仲間、キバタンは賢く愛らしいのでペットとして人気だが、生息地であるオーストラリアの一部地域では数が増えすぎ問題となっている。

 そんなオーストラリアのキバタンの間で、人間のゴミ箱の蓋を開け、中の残飯を食べ漁る行為が流行中だという。蓋の上に重しが置かれていても、器用にひょいとどかしてしまう。

 最初はゴミ箱の蓋を開けられる個体数は限られていたのだが、最近の調査ではほとんどの場所でキバタンがゴミ箱を開ける姿が目撃されている。

 なぜこれほどまでにゴミ箱攻略法が拡散していったのか?キバタンは、先に攻略した仲間の開け方を観察し、真似して覚え、次から次へと広がっていったのだ。

キバタンのゴミ箱漁りが1年で急増

 頭からピンと生えた黄色い冠羽が特徴的なキバタンは、オーストラリアに生息する大型のオウムの仲間で、一般的な体長は50cm、体重は800gくらい。非常に高い知能を持っており、更に生まれつき好奇心旺盛な生き物である。

 ドイツ・マックス・プランク動物行動研究所のバーバラ・クランプ氏らは、シドニー郊外でゴミ箱のフタを開けるキバタンについての情報を収集。

 住人から集められた1400件近い報告を分析したところ、2018年には3か所でしか目撃されていなかったキバタンのゴミ箱漁りが、2019年には41か所にまで広まっていることが明らかになったという。

仲間の行動を見て覚え、真似して習得する文化的適応

 クランプ氏らの考えでは、短期間の間にここまでゴミ箱漁りが広まった原因は、キバタンに仲間の行動を観察して学習し、真似をすることで技能を身につける習性があるからだ。

 実際、シドニーの住民が目撃した9割の事例では、フタを開けるキバタンのそばにはほかのキバタンがいたそうだ。そうした状況は仲間から学習する絶好のチャンスである。

 こうした仲間からの学習を通じて変化した行動は、都会の環境に対する「文化的適応」が起きている印だと考えられるという。

Cockatoo’s getting into our bins

キバタンの文化的多様性

 面白いことに、シドニーで暮らすキバタンの文化は一様ではなく、地域ごとにサブカルチャーまであるそうだ。

 たとえば、シドニー北部のキバタンはフタにつかまりながら、右側を歩き回る傾向がある。一方、街の中心のキバタンは、頭にフタを乗せて跳ね上げる。

 こうした文化の多様性は、おそらくはその技を最初に学んだ相手のやり方の影響を受けることが原因であるという。

 文化というと人間だけの話であるように思うかもしれないが、そんなことはない。1950年代に科学界に登場したとされる「人間以外の種も文化的に多様性があるかもしれない」という説が改めて裏付けられる結果となったようだ。

 キバタンのゴミ漁りがなぜこれだけ拡散してしまったのか?その行動パターンは仲間を通じて社会的な学習をするとされる動物のものと一致している為、仲間の行動から学習しているという推測が成り立つが、非常に知能が高く好奇心旺盛な生き物なので、もしかしたら他にも理由があるかもしれないとのこと。今後も調査が進められていくそうだ。

上にレンガで重しをしてもそれをひょいとどかしてゴミ箱の蓋を開けてしまう

Cockatoo raiding bin

References:Clever cockatoos learn through social interaction | EurekAlert! Science News / written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 31件

コメントを書く

  1. 蓋を開けて即、食べ物があるゴミの捨て方てどうかと思いました!おかあさんにおこられるとおもいます!

    • 評価
    1. ※2
      オーストラリアは専用ゴミ袋じゃなくて、ゴミ収集車のアームが伸びて自動でゴミ箱の中身を車に回収しているようです
      中に袋をかけると、引っかかったりして回収車が困るんだと思いますよ

      • +9
      1. ※8
        なんで日本のカラス対策のポリバケツみたいに
        カチッとロックが噛む蓋じゃなくて、
        持ち上げればそのまま開く蓋なんだろう?と思ったら、
        そういう事か…。

        • +1
  2. 開閉を困難にしたら、今度は回収業者が困るし
    本当にお手上げ状態だね

    • +5
  3. キバタンってこんなに力強いんだ、すげー

    • +8
  4. キバタン可愛いなあ
    でも現地の方は大変でしょうね
    日本で言うカラスみたいな存在なのかな

    • +7
    1. ※9
      カラスよりマシなのは草食性なので肉や魚のゴミを散らかさないことくらいでしょうか

      • +7
  5. 兵庫のゆるキャラがどうしてこんな事を…

    • 評価
  6. 自分で押しのけて落としたレンガの音にびびって羽バタつかせるキバたんマジ萌える

    • +3
  7. 動画を見た限りではひっくり返したり食べ散らかさないならいいかな
    日本みたいにビニールに入れてそのままゴミ出しする訳じゃないならね

    • +2
  8. でかいインコやオウムはホント頭いいよなあ
    長生きだから学習機会も多いだろうし

    • +6
  9. キバタンがゴミ箱の蓋をバタンと開ける

    • 評価
  10. インコ好きワイにはほのぼの動画にしか見えん…

    • +3
  11. 日本の黄色いゴミ袋みたいに、カラスには見えないからと採用されたけど
    最初は誤魔化せていたけれど、今は見えない=食べ物となってしまって
    連中、ゴミの日は知っているのな、今日はここ、明日はどこどこ、日替わり定食になっているよ
    鳥類の頭の良い奴は、本当に厄介だ

    • +7
    1. ※17
      見えないって言っても保護色みたいに存在が見えなくなるんじゃなくてゴミ袋の中身が透過せずに見えなくなるだけなんだっけ?
      そりゃ中身が見えない=ご飯入りだ!ってカラスならそのうち気付いちゃうわな

      • +2
      1. ※23
        カラスは嗅覚に頼らずほぼ視覚のみで食べ物を探すので(中に入っている)食べ物が見えないというのは効果的だと考えられていたんですがね
        カラスからしてみれば散らかすとか関係なく定期的に食べ物が置かれる場所でご飯食べてるだけというね
        さしずめ曜日固定で出店する食べ物屋の屋台みたいな感覚かも

        • 評価
  12. 大金かけてゴミ箱や回収車に対策施すより
    ゴミ箱に施錠して、人力での回収に戻そうって感じに
    時代に逆行した未来が待ってそう

    • +1
    1. ※18
      ゴミ回収車が近づいたら自動で解除するようにするんじゃない?
      スマートロックみたいな

      • +6
  13. 日本で数十万で売られてると知ったら現地の人驚くだろな。

    • 評価
  14. 鳥と思うから対策がイマイチうまくいかない。5歳児程度の知能があるんだから、飛べるしくちばしを持ってる人間の子供が腹を空かして食べ物を漁ると想定した方がいい。生半可な対策じゃ防げない。

    • +4
  15. これだけ賢いなら、逆に案外きちんと言い聞かせれば分かってくれるかもしれない

    • +8
  16. むこうのキバタンもこっちのカラスも、対策すればするほど、知能玩具みたいに楽しくなっちゃうのかもね

    • +6
  17. 烏もレンガくらいの重石平気で退けられるよ
    段ボール箱に穴開けて中身引っ張り出したりとか出来るよ
    こっち見てカアカア勝利宣言したりもするよ…

    • +3
  18. 食パン食べてる様子が、ジャンクフード買い食いしてる人みたい
    賢いな、カラスとタメ張れる手強さ

    • +2
  19. 食べ散らかさずにきれいに食べる方法も学習してくれ

    • +1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動画

動画についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。