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うつ病の治療に笑気ガスが有効であるとする研究結果。うつ症状が緩和されることが判明

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(著) (編集)

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 従来の治療ではなかなか治らないうつ病に、「笑気ガス」が効くことが新たなる研究で明らかとなった。

 笑気ガスは「亜酸化窒素」のことで、ヒトが吸入すると陶酔させる作用がある。歯医者の治療の際、患者をリラックスさせ、痛みや外部の刺激を減少する為に使用されることもある。

笑気ガスの成分に抗うつ効果

 笑気ガス(亜酸化窒素)の効果は吸入すると陶酔し、多幸感が得られるほか、麻酔作用もあることから、歯医者などで使用されてきた。”笑気”と命名されたのは、これを吸った患者の顔が弛緩して笑っているように見えたからであるらしい。

 なぜ笑気ガスがうつ病に効果を発揮するのか?それは、気分が沈んだ人を強制的に笑わせてしまうからではない。

 ここ最近、「ケタミン」という解離性麻酔薬に抗うつ効果があることが明らかにされてきた。その効果は脳内の「NMDA受容体」をブロックしてしまうことによって発揮されると考えられているが、これと同じような作用が笑気ガスにもあるらしいのだ。

 初期の実験ではうつ症状を速やかに改善するだけでなく、PTSDやアルコール依存症の治療にも役に立つ可能性が示唆されている。

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photo by Pixabay

少ない量で直ぐに効果を発揮、副作用もなく長く効く

 『Science Translational Medicine』(6月9日付)に掲載された新しい研究では、そうした実験よりももっと少ない量の笑気ガスでうつ病を治療できないか確かめられている。

 米シカゴ大学やワシントン医科大学などのグループは、24名の被験者に笑気ガス25%、笑気ガス50%、あるいは酸素のみのいずれかを1時間吸入(これを3セッション)してもらい、その抗うつ効果を観察した。

 その結果、少ない用量でも被験者の85%に過去の実験と同様の効果があることが明らかになったとのことだ。

 重要なのは、低用量でも十分な抗うつ効果が得られただけでなく、副作用もなかったことだ。

 笑気ガスを吸入すると吐き気を催すことがあるが、今回の実験では50%笑気ガスを吸った被験者の1名が気分の悪さを訴えただけで、ほかに副作用が現れた被験者は1人もいなかったという。それでいて、抗うつ効果はもっと大量に笑気ガスを吸ったときと同じくらい発揮される。

 それともう1つ素晴らしいのは、一度この治療を受ければ、2~4週間は効果が持続することも明らかになっていることだ。

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photo by Pixabay

即効性のある抗うつ薬として期待

 素早く長く効いて、しかも副作用もない。またケタミンに比べると、麻酔作用がすぐに薄れるという利点もある。

 まったく新しいうつ治療薬になる可能性を秘めた笑気ガスだが、もっとも効果的かつ安全な使用法を探るためにまだまだ研究が必要であるとのこと。

 完成すれば、特に自殺願望のある重度のうつに即効性のある治療薬として期待できるそうだ。

Top image:photo by iStock /References:Low doses of “laughing gas” could be fast, effective treatment for severe depression | EurekAlert! Science News / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 57件

コメントを書く

  1. 副作用がないということは逆に依存しそう

    • -5
    1. >>1
      依存性含めての副作用って名前なんですが…

      • 評価
      1. >>8
        一時期欧州で乱用が問題になっていたから1の考えは間違いじゃない。
        中毒で死ぬことは稀らしいけれど判断力の低下やめまいによる間接的な事故死、酸欠による意識消失や死亡まであるとのこと。
        日本でも使用者が後を絶たないから指定薬物認定を受けてる。

        環境問題の視点からだと紫外線で分解されると一酸化窒素になってオゾン層を破壊するらしい。

        魔法のガスかと思ったけれど、そうでもないみたいよ。

        • +5
        1. ※20
          麻酔科の教授によると、高濃度で吸うとお酒でほろ酔いしたような感覚になるらしいです。
          下戸の人がハマる事が多いって言ってました。
          で、どんどんエスカレートして濃度を高くしていって、酸素不足で死亡例もあるそうです。

          • +9
        2. >>20
          うつ病より痴呆症狂犬老人に使ってくれ!穏やかになるのなら!と思ったけど、穏やかになっても問題行動が増えるかもってことかな…

          • +3
      2. >>8
        吸い過ぎると横隔膜が動かなくなるから安全とは言い切れないかも。
        医療脱毛受けてる時に痛みの緩和に使ってもらったんだけど、あまりの痛さに思いっきり吸い込んでたら、横隔膜が弛緩して動かなくなり息を吸えなくなった。医師が見ててすぐ酸素に切り替えてくれたから良かったものの、麻酔事故になるとこだった…。

        ってくらいのリスクはあるかな、と。

        • 評価
  2. ( ´艸`)ククククっ アハハハハハ~ お、おお、おにょれクルーゾー

    • 評価
    1. ※2
      ご存知ない方は、「ピンクパンサー3」をご覧あれ

      • 評価
  3. 実は顔が引きつって笑ったようになるだけで、笑い自体を誘発する効果はないって聞いてたが鬱は緩和できるのか。もしくはこれもプラシーボ効果か?

    • -3
    1. ※3
      >プラシーボ効果か?

      違うと思う。
      筋肉の弛緩とか、麻酔のもつ記憶・学習への阻害作用が
      抑鬱状態に対して何らかの効果を与えているんじゃないだろうか?

      • +6
    1. >>4
      無理やりでも笑うということがリラックスにつながる、っつー記事なんですよ。

      • +2
    2. ※4
      笑う効果はないぞ。リラックスしてふにゃっとする程度だ。親知らず抜くときに患者が笑ってたら歯医者危ないだろ

      • +2
      1. >>38
        いや、ワッハッハとは笑わないけど、幸福感がすごくてなんかニヤニヤはしてしまってたよ
        ちょっとボーッとして でもなんか楽しい感じだった。
        毎週歯の治療の時に使ってた時期があったけど 歯医者大嫌いだったのが 少し楽しみになった

        • +4
    3. ※4
      脳がバグって無理やり抑鬱状態になってる病気が鬱なんで、外部から無理やり笑かして直すってのは脳神経的にも正当性があるぞ。

      • +6
  4. ケタミンのNMDA阻害と抗うつは関係ないはずだけど

    • 評価
    1. ※6
      近年、機序は不明だけど
      ケタミンに抗うつ効果が見られることが判明したらしい。

      で、ケタミンが効くんなら
      じゃあNMDA阻害作用が何らかの影響を及ぼしてるんだろう、
      ということで研究中なんだそうだ。
      (ただ、他のNMDA阻害薬だと抗うつ効果が現れなかったりして
       ケタミンの中の何か別の作用では、という説も。)

      • +7
  5. 厳格な手続きのもと、病院のみにで処方されるのであればいいんじゃない?
    通院も月に1~2度で済むのは良い事だと思うよ。

    • +11
  6. ハッピーだから笑うのか?笑うからハッピーになるのか?って事だよね。

    あっはっはのあっはっはーとくらあ!(^∇^)

    • +4
    1. ※9
      賛成。
      フィートバックがあるから、表情筋とか心肺から笑ってると信号が届くと脳の笑いに関わる部分が反応すると思う。
      あとこれは仮定だが、伝達物質も出るのでは? 腸や腎臓。肝臓から伝達物質は出てるそうだ。
      ならこれに伝達物質も関与してるかも、

      • +7
  7. 鬱ガチからすると月1,2回で鬱状態が改善するならなんでもええわ

    • +13
  8. ワンピースのルフィがこんな時は笑い茸がいいんだよなとか言って食って身体中からキノコ生やしてたよな

    • 評価
  9. で、こういう記事とコメ欄からわかるのが、

    日本人は本当に人種差別から遠い

    てことだよね。海外の薬や薬効なら、日本人には効かないかも、なんて発想して書き込む人がいないもんw
    実際にはとある人種には良く効く薬、てのが存在するけどね。

    • -13
    1. >>14
      日本人で差別意識がある連中なんざヒとかで見る一部の逆張り野郎しかいないだろ普通の人は自分が生きていくのに必死でそんなことしている余裕なんざない

      • -6
      1. >>18
        いやだから海外からすると驚かれるって話でな。女性漫画家の数でも驚かれるくらいで。
        日本だけじゃなく世界中みんな生きるのに必死だろうさw

        • +1
        1. >>52
          海外って女性漫画家少ないの?

          知らなかった( ゜o゜)

          • -1
  10. ぼくのこぶし
    の中にあるよ。
    はい臭気ガス。

    • 評価
  11. 麻酔作用がすぐ薄くなのに、効果の持続が長いと言うのはこはいかに?
    すぐに血中濃度が落ちるだろうから麻酔効果も落ちるのはわかるが、抗うつ効果が長いと言うのは完全に体から抜けてないとも読めるから、手術に耐えなれない麻酔効果が続いていると言うことになるのかな?
    それなら抗うつというか、弱い麻酔下にあって単にぼーっとしてるだけとも読めるのだが…。

    • -1
    1. ※19
      例えば、怪我の後、患部そものもは治っていても
      疼痛がいつまでも持続するという病気があったりする。
      そういう人は、脳の中の痛みを感じる部分が
      ずっと回路が繋がり続けてる状態になっているらしい。
      その治療として、いったん鎮痛剤をしばらく投与して
      不必要に働き続けてる痛みの回路を切ると、
      鎮痛剤の効果が終わった後も 痛みが無い正常な状態に戻るそうな。

      鬱病も、何か辛いこと(例えば家族との死別とか)があった直後に
      酷く落ち込むのは正常な反応だけど、脳の回路の異常でその後も
      回復せず常に何やってても長期的に抑鬱状態が持続してしまうと、
      病的な精神状態ということになる。

      そうした脳の不適切な結合を是正する治療として、
      脳に電流を流して、回路の異常をリセットする方法などもある。
      (鬱病への電気けいれん療法。)
      この記事の、NMDA受容体をブロックというのも、
      鬱患者の脳への、記憶・学習の是正作用が何かあるのかも知れない。

      • +10
  12. 笑う門には福来るはガスでできるという研究結果なのかな
    鬱状態が改善するだけで福が来るほどじゃないのかもしれないけど

    • 評価
    1. >>21
      鬱病患者にとったら改善するのは福が来るどころの話じゃないよ
      人生を取り戻したり希望が持てるようになるんだからそれ以上だ

      • +1
  13. 小1くらいの時いつも行ってる歯医者に一人で行って笑気麻酔使われたんだけど未だにあれは何だったのかとたまに思い出して怖くなる
    普通は親に確認取ったりしないのかな?痛くない麻酔だよとしか言われず吸わされたんだよな

    • +1
  14. 鬱は死ぬほど苦しむんだから、楽になるなら使ってあげて

    • +8
  15. 検証数少なすぎない?
    それを更に3グループに分けて、その1グループから副作用が “たった1人出ただけ” って事なら十分多い気がする。読み違いだったらごめんち

    • +1
    1. ※32
      笑気ガス多量・少量・ゼロの3グループに分けて、
      少量でも効果があることが確認された上
      副作用は「多量」だった場合でも1人しかいない
      ⇒「少量」で用いれば、十分な効果で副作用も無い

      という理屈かと思うが。

      検証人数に関しては、おいおい追証や
      臨床試験を重ねたりが必要なのかも知れないけど。

      • +1
      1. >>49
        32です。ご丁寧に有難うございます。
        おっしゃる通り、多量のグループで1人の発症なのであれば、それより少量の2グループには副作用もっと少ないって理屈なのは理解できました。
        ただやっぱりこれもおっしゃるお通り、検証数としては少なすぎるので今後の検証母数に期待ですね!
        通常の統計って数千の母数が必要なのに、体調性別年齢人種等を鑑みずに8人に試験して1人の副作用だとすると、「ハチ公前でアンケートとりました♪」より精度低いやんけって震えてました。

        • +2
  16. 笑気ガス使われたことあるけど、一瞬で頭の中がバラ色になって、生きてて良かったぁ!幸せ!!って気持ちになったよ。まさに多幸感。
    アルコールよりも強烈だった。

    • +5
  17. 歯医者の先生が、昔他の先生が昼休み時間に吸ってたって言ってたな。癖になってたらしい。

    • +1
  18. 「ワライタケでも効果はありますか?」って書こうとしたら、過去記事にシロシビン(ワライタケにも含有する成分)について書かれてるものがありました。🍄

    • +1
  19. ガスを吸ってこの苦しさがマシになるなら試したいね

    • +5
  20. ヘラヘラ笑ってるやつ見るとムカつくんでけどワイうつ病なんかな

    • 評価
  21. じゃあペンギンの群れの中に突っ込めばいいのか?
    フンから発生するみたいだし。

    • +2
    1. >>44
      自分もおんだんかペンギンの糞が笑気ガスになってペンギン研究者がラリってお馬鹿になった過去記事を思い出して、それ思いついたわwww

      • 評価
  22. 記事に笑わせることは関係ないって思いっきり書いてある上に具体的な成分名と効能まで解説してくれてるのにコメ欄で笑わせることが有効だと主張してる人がいるのはなんなんだ
    百歩譲って「この記事とは関係ないけど笑うこと自体も鬱に効くという研究がある」ぐらいしかコメント出来んだろう

    • +2
  23. 目の手術の時に吸ったけど顔面がとろける様な心地良い感覚だった。泣きそうな笑いそうな何とも言えない多幸感。夢の中でおしっこしてる時の気持ち良さが1番近いかも。止めるとすぐ正常な感覚に戻るけどクセにはなりそう

    • +4
  24. あまりにも歯医者が怖いので笑気ガス使ってくれるところ探して行ったんだけどあまり効果感じられなかったな

    • +1

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