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自分の脳内を見ることで、うつ病や不安神経症などの精神疾患を緩和することができるとする治療法

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(著) (編集)

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 ダンスの腕前を上達させるには、自分の踊る姿を鏡に映して動作を確認することが大切だ。それと同じ理屈なのだろうか? 自分の脳内を覗き込むことで、自力で精神活動を調整するという治療法があるらしい。

 脳の深淵を覗く時、深淵はこちら側のうつ病や不安神経症などの精神疾患を改善する手助けをしてくれるというわけだ。

 この治療法を「ニューロフィードバック」と呼ばれている。

 fMRIで自分の脳活動をリアルタイムで見ながら、意識的に問題のある領域の働きをメンテナンスするのだそうだ。最近発表された分析結果によれば、精神疾患や認知機能の改善に「非常に有望」であるそうだ。

自分の脳を見て調節することで精神疾患が緩和される

 アメリカ・ロチェスター大学の心理学者グループが行ったのは、ニューロフィードバックを扱った研究17本、計410人の参加者データの分析だ。

 ニューロフィードバックは2つのセッションで成り立っている。1つは、fMRIで脳活動を確認しながら、特定領域の調整を試みる訓練セッション。もう1つは、fMRIに頼らず脳活動を調整できるようにする移行セッションだ。

 これらの効果をさまざまな方法で分析してみたところ、不安神経症・うつ病といった一般的な精神疾患の改善に有望であるらしいことが判明したとのこと。

 恐怖・不安・喪失感といった嫌悪状況への反応については、よりはっきりした効果が確認されたそうだ。

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ただしまだ完全なコントロール方法は確立されていない

 ただし現時点において、特定の脳領域を意識的にコントロールするという試みが症状や認知の改善につながるという証拠は、それほどはっきりとしたものではない。分析によって改善が認められたのは、患者の6割でしかないのだ。

 分析対象となったのは、公表された研究だけである。中には効果が確認されず、結局発表されなかった研究もあるだろうことも考えると、ニューロフィードバックの実際の効果は6割を下回っている可能性もある。

 とはいえ、意識的に脳の活動を調整できる可能性には興味をそそられる。もし本当にこの治療法が有効なものならば、意思の力で特定の脳領域を鍛え上げるなんて応用もできるのではないだろうか?

 薬に頼らない治療法があればそれに越したことはない。今後の研究成果に期待したいところだ。

 この研究は『Neuroscience and Biobehavioral Reviews』(20年12月25日付)に掲載された。

References:sciencedaily/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 20件

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  1. 昔、どういう理屈か判らないのですが
    (多分発汗量を皮膚の表面抵抗で測ってる)
    興奮してるとピーピー音がする機械を手に付けた上で
    心を落ち着かせる(音が鳴らない様にする)という
    集中する心を訓練するアイテムみたいなのが
    有ったんですが、その現代版みたいな感じですかね。

    • +1
  2. 認知行動療法とかも結構曖昧な手法だし、脳みその様子を画面で見るだけでも自分を客観視するには十分なのかもね

    • +8
  3. つまり自分のステータス画面を開ける技術がリアルで必要だとわかっだわけだな。

    • +3
  4. 脳内をモニタリングする事で脳内クレンジングが行われるとな!

    • 評価
    1. ※4
      古臭い意見になっちゃうかもしれないけど、「結局は気の持ちよう」っていうのもなんだかんだでありえそうな気もするし・・・

      • 評価
  5. どこがどうなってるのか見えれば対処のしようがある
    見えないから精神疾患は厄介なんだ

    • +7
    1. >>5
      そうね、自分の身体の不調が心配でストレスがたまり…と悪循環なわけだから、脳に異常はありませんね、ほらここは…みたいに教えてもらえたら気が楽になるのよ。

      • +2
  6. 自分の脳🧠のCTやMRI画像を見てみたい
    多分左脳は小さいだろうな

    • +3
  7. これ両刃だろ。
    下手しら余計に自己嫌悪して悪化しそうな予感が・・

    • 評価
  8. 正体が分からない、見えないものは怖いので、脳の中で起こっているトラブルを可視化できたら確かに不安を減らせるかもしれない。

    • +2
  9. これは普通に考えて効果がありそう
    そう思えるから効果あるよな、たぶん

    • +2
  10. 自分の脳内イメージ画像をモニターに映し出すとかそういうのじゃないのね

    • 評価
  11. fMRIは血流過小や発熱量などを見れるって覚えていたが。イコール 脳の活動低下域と過活動域とか、脳みその形そのものを見るのとは違うやつ。

    形が綺麗でも動いてなきゃ意味がないわけで。だけど、脳が綺麗な形しているのが原因で脳に異常が無いのに、心に異常がある精神病に分類されてきた。
    血を求めていない域は脳の生体活動が低下していると判断されるわけで、血が集まっているから異常に活動していると判断されるわけで。
    すると、脳の生体活動の異常であって、他の臓器の不全症と同じ。

    これがリアルに確認できたら、『心の異常ではない』とキチンと理解できて自分を追い込まないし、ストレスも減る。ストレスも減れば血流も改善できたり、服用している薬も効くようになる。

    • 評価
    1. ※14
      心=脳であって心の異常であることに変わりはない

      • 評価
      1. >>20
        脳=全身であって、心に異常が出なくても、意味不明な体調不良が起きる鬱病もある。
        転換障害と言う。

        • 評価
        1. ※21
          一般的なうつ病についての話をしてることをご理解頂けません?
          というか、君の言ってるものが転換性障害のことであるなら、検索してみると「転換性障害は、葛藤やストレスといった心理的要因が、身体症状として身体の領域に転換されている」と解説されており、やっぱり心の問題ですね
          今も使われてる分類かしらないが、身体因性のうつ病とか言いたかったのかな?

          • 評価
  12. もし頭の中が空っぽでパソコンやスマホのCPUしか入ってなかったらどうしよう・・・・

    • +1
  13. まず例えば自分が検査したとして、結果からどういった意味なのか図を見て理解出来るか分かんないな

    • 評価

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