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巨人伝説のあるジャール平原に点在する巨大石壺の謎に関する新たな手がかり(ラオス)

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(著) (編集)

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 長いこと考古学の謎とされていたラオスのジャール平原の遺跡について、新たな洞察が明らかになってきた。

 ジャール平原は、ラオス中部のシエンクワーン県、アンナン山脈の北端に位置するシエンクワーン平原のことだ。ここには2100個以上の巨石をくり抜いて作った謎めいた巨大な石壺が400箇所以上に点在している。

 壺のサイズはさまざまで、長さが3メートル近くになるものもあり、誰がいったい何のために作ったものなのか、はっきりとしたことは分かっておらず、ずっと考古学者たちの想像力をかきたててきた。

ジャール平原は埋葬地として使用されていた可能性

 ジャール平原にはこんな伝説が残されている。かつてこの地方には巨人の国「クンチュン」があり、近隣諸国との戦いに勝利するとこの石壺に貯蔵しておいた酒を戦士に振る舞っていたというものだ。

 石壺は最近になっても次々に発見されており、今では、ここは埋葬地だった可能性が高いとされている。

 これまでの発掘で、子どものものも含めた人骨が出土しているからだ。その為「死者の石壺」と呼ばれるようにもなった。

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遺跡の墓 credit:Shewan et al., 2021, PLOS One CC BY 4.0

 しかし、この遺跡での埋葬儀式は、3つのタイプがあったようで、複雑で少し変わっている。おもに行われていたのは、遺体をそのまま並べた埋葬、骨を集めてまとめ、石壺のそばに埋めた第二の埋葬、そして巨大な石壺とは別の小さな陶器の壺の中に遺骨をおさめた第三の埋葬だ。

 メルボルン大学のルイーズ・シェワン博士の研究チームは、高性能年代測定技術を使って、この場所が当初考えられていたよりも遥かに長く、紀元前1240年から660年にさかのぼる頃から、すでに埋葬地として使われていたことを明らかにした。

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巨大な石壺は埋葬地になる以前から存在している可能性

 さらに、この発見からは、これら巨大な石壺は、ここが埋葬地になる以前からこの場所にすでにあった可能性があることがうかがえるという。

 シェワン博士らが年代を測定した石壺の中には、3000年以上前にさかのぼるものもあり、これら石壺が儀式的な意味合いをもってこの場所に置かれた後で、埋葬地として再利用されたことを示している。

 この見解は、墓や、石壺のそばに埋められた数々の骨、小さな陶器の壺におさめられた骨の発見に基づいている。

 現在の研究では、この埋葬はおよそ700年から1200年前の間に行われたものとされていて、巨大な石壺そのものの年代に比べれば、遥かに新しい時代のものだ。

こうした新しいデータと、ほかの埋葬事情から得た骨の材質や木炭の放射性炭素データから、この遺跡は最初に石壺が置かれた時代から有史時代まで、永続して儀式的な意義を保ってきたことがわかります(シェワン博士)

巨大な石壺をどうやって移動させたのか?

 このたびの発見によって、これら石壺が作られたと思われる石切り場から、古代文明がどうやって完成品を移動させたのだろうか、という興味深い疑問がもうひとつ浮かび上がってきた。

 現場から8キロほど離れた最寄りの石切り場から、未完成のものを含めて石壺が出現している証拠がある。つまり、そこでこれらの石壺が作られ、そこから運ばれた可能性があることを示している。

 石切り場からジャール平原へ、石壺がどうやって運ばれたのかという謎は依然として残っているのだ。

 シェワン博士らの次の課題は、ジャール平原全体でもっとサンプルを見つけ出して、この謎めいた遺跡や、石壺が作られ、並べられた時代についてさらに深く追究することだ。

「こうした複合的なプロセスを経ればやがて、東南アジアでもっとも謎めいた考古学文化のひとつであるジャール平原遺跡をより詳しく理解することができると期待しています」シェワン博士は言っている。

References:Dating the megalithic culture of laos: Radiocarbon, optically stimulated luminescence and U/Pb zircon results / Researchers solve more of the mystery of Laos megalithic jars/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 16件

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  1. まず丸く削った 現地まで転がしたあとで壺に削った

    • +4
  2. この豪州ラオス共同チームの調査の前に1990年代に鹿児島大の新田教授のチームが調査をしています
    彼らもこの土地から先史時代の土器や遺物、人骨を発掘し、ここが三つの期にまたがる墓地であると報告しています

    面白いことに日本チームは、アン村の石壺調査で石壺が地面に直置きで根元が埋まっているわけではないこと、また石壺の下からも土器が出てくることから、実は石壺は土器よりも新しく、思ったより古くないにでは?と報告しています
    今回の豪州チームの年代分析が果たして土器に対して行われたのか、石壺にも行われたのかは興味のあるところです

    でも直置きでは常に太陽に当たっているので石壺の光刺激ルミネセンス法は難しすぎる気もしますね

    • +9
    1. ※5 ※7
      石壺って作成年代ってわかるもんなんですかね。
      植物や動物なら炭素年代測定ができますけど、石って削っただけだと石のできた時期はわかっても削った時期が分からないんじゃないかと……
      でも、非常に興味深い記事ですね

      • 評価
      1. ※8
        以前人間と恐竜が彫刻で描かれた石が調査された時、結局偽物だと判明したが
        この時は石と溝に対する酸化度合いで年代測定が行われた

        • 評価
        1. 解説ありがとうございます。
          ※9
          表面の酸化度合いは思いつきませんでした。石だとほとんどが二酸化ケイ素だと思うので変化しないと思ってましたが、不純物もありますものね。

          ※10
          地質調査だと掘って埋めた場合に古く判定されると思っていて遺棄されたときにだけわかるかなぁと。

          ※11
          OSL調べてみました。面白いですね。こんな方法もあるのかと。
          ウラン鉛法は石ができた時期ですね。私は行ったことがないのでわからないのですがエジプトにツレが行ったとき、街全体が埃っぽいことを除くと石造りのモノは新しいのか古いのか全然わからないと言っていたのが印象的で、ピラミッドも化粧石が下のほうまでちゃんと残っていたら、二年前に完成したといわれても信じるくらいわからないとね。だから石造りのモノって加工時期が分かりにくくて興味があります。

          しかし、巨大な石壺は何のために誰がつくったんでしょうねぇ。

          • +1
      2. ※8
        その辺は地質調査で分かるんじゃない?
        古墳の発掘作業とか、なにがしかの跡が地面に残ってたりするじゃん?
        よう知らんけど

        • 評価
      3. >>8

        光に当たってなければ光刺激ルミネセンス法(OSL)で年代測定(埋まっていた期間の測定)は可能です
        このチームはどれくらい前に土器などが埋められたかはOSLで測っています

        一方で石壺の材料がどこから切り出されたかはウラン鉛法で石が出来た年代を調べて8km離れたところの組成が一致していることを報告しています

        • 評価
  3. >どうやって完成品を移動させたのだろうか
    形状的に、転がせないとは思えないんだけどそんな言うほど謎か?
    その石切り場はなんかすごい谷底にでもあるのだろうか?

    • +3
  4. 面白いのは石壺と埋葬が直接関係無いって事。
    太古の墓地に千年二千年後になって石壺を運んで並べたのは確かなので、聖地として先祖代々崇められていた墓地に新しい祭祀の風を吹き込んだんだろう。
    一応、壺の中で遺体を自然風化させ、完全な白骨になった所で改めて地面に埋葬したという説もあるが、それだと石壺が無数に存在する理由が説明できない。

    • +4
  5. ふと思ったんだけどこういう遺跡の考察って太古の人間との対話って感じになるんだなあ、ロマンチックだ

    • +1
  6. 巨人だとか、今現存する一部の『山』が想像を超える大木だったとかが本当だとして
    なんで学者たちは隠すんかね。

    日本の古代文字のそんざいも隠されてたりするし、本当の歴史を知りたいね

    • -1
  7. 時代や環境のせいではなく、俺が悪いんだよorz

    • 評価
  8. やっぱ巨人(ギガントピテクス)が人類の肉を貯蔵する為のもんでしょ?

    • 評価

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