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脳に「意識の門」を発見したと主張する科学者、重要な情報とそうでないものを取捨選択

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(著) (編集)

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 脳は、感覚器官からひっきりなしに届けられる膨大な量の刺激を絶えず整理している。

 例えば、愛犬と散歩に出かけたとしよう。あなたは人混みをすり抜け、かかってきた電話に応対し、犬がうんちをすればそれを片付け、その間走行中の車に注意し、安全を確認することは普通にできるはずだ。

 だが、さすがの脳と言えども、それらの刺激を逐一処理しているわけではない。そのかわりに、刺激情報をフィルターにかけて意識に届くものとそうでないものを選別する。

 そのフィルターこそが脳にある「意識の門」であり、アメリカ、ミシガン大学医学部のグループはそれを見つけたと主張している。

脳が情報を取捨選択するフィルター「意識の門」

 最初に覚えておいてほしいのが、情報処理は「体」と「脳」の2か所で行われているということだ。

 まず周囲の環境から拾い上げられた感覚情報は体で処理される。だが、それは無意識に行われているので、それを意識することはない。

 次にそれら全情報を脳が整理して、意識すべき重要なものがどれなのか選別される。それは信号を無視して突っ走る車かもしれないし、背後に忍び寄ってきた見知らぬ人物かもしれない。

 きちんと意識すべき重要な情報はどれか? それを選別するフィルターが、ここで「意識の門」と呼ぶものだ。

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想像から行動にうつすと脳内で何が起きる?

 『Cell』(5月4日付)に掲載された研究では、意識の門の位置を特定すべく2つの実験が行われた。

 最初の実験では、被験者に3つの課題(テニス、ある場所を移動する、手を握る)に取り組んでいるところをただ”想像”してもらった。それからそのうちの1つ(手を握る)を実際に行ってもらい、この間の脳の働きをfMRIで観察した。

 課題を行っているところを想像すると、それぞれの動作に対応する領域が活発になる。ところが、実際に手を握ってもらう(行動にうつす)と、その行動に意識が向けられるために、残り2つの動作に対応する領域は沈静化する。

 研究グループが特定しようとしたのは、このときの脳の活発化と沈静化を切り替えているスイッチの場所だ。

 そして明らかになったのが、そのスイッチが「前島皮質」と関係しているということだ。探し求められていた意識の門の正体がこれである。

 前島皮質は恐怖や愛といった感情を司るとされる領域だ。だが最近では、”内受容的”な注意、すなわち感覚情報からもたらされる注意をも司っているのではと推測されている。そして今回のfMRI検査から判明したことも、この仮説を裏付けている。

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研究中に撮影されたタスクによる脳画像(image credit:Cell Reports

前島皮質の活動レベルは意識と関係がある

 2つ目の実験は、この発見をさらに検証するために行われた。

 画面に0.03秒(ぎりぎり認識できる時間)だけ顔を表示した後、別のはっきりとした画像を前回よりも長い時間表示。それから被験者に顔を見たかどうか質問する。

 この実験でわかったのは、顔を認識できた人は前島皮質がより活発だったということだ。つまり意識する能力の高さは、前島皮質の活動レベルと直接関係しているらしいと推測することができる。

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スクリーン上の顔を意識しているときとしていないときの前島皮質の活動(image credit:Hudetz, Huang et.

 刺激をフィルターにかけ、重要な情報を選別する能力は、脳の機能の中でも最重要なものの1つだ。そのおかげで、どうでもいい情報をひとまずおいておき、暴走する車のような命に関わる情報に注意を向けることができるのだ。

References:Scientists claim they discovered the “gate of consciousness” / The Gateway to Conscious Awareness – Neuroscience News/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 20件

コメントを書く

  1. 判断力ってのはこの部分の活性次第ってことか

    • +3
  2. 女性の名前は覚えるけど、オッサンの名前は全く憶えないのはこのためか。

    • -1
  3. メディアからの情報の取捨選択にもこの意識の門は関わってくるのだろうか
    「認知の歪み」は昔から言われてきたけど

    • 評価
  4. この門番が「無能な働き者」なんだろうなぁ・・・

    • +1
  5. 「カド」をテーマにアニメ化したら
    面白いのができるんやろなあ…。

    • 評価
  6. コレを超能力的なイメージに置き換えたのがセブンセンシズなんじゃないかな

    • +1
  7. ADHDの人とか、どうなんだろう?

    授業中でも、些細な物音や 窓外の珍しい物などを
    目ざとく見つけるのは、前島皮質が過活動なんだろうか?

    それとも、多少の環境音や映像が目や耳に入っても
    「授業中は先生の話に注意を向ける」という
    意識の門の調整が上手くいかないということは、
    前島皮質の働きが弱いんだろうか?

    • +7
  8. この門番が正しく機能していないと、
    色んな情報が一度に入ってきてオーバーヒートしちゃうね。

    • 評価
  9. タイトルが、五木寛之の小説みたいだね

    • 評価
  10. それって松果体の事だろ。昔から既知の部位じゃん。

    • 評価
    1. ※14
      全く位置が違わない?

      松果体って、脳を球体と見た場合の中心近くにある。

      島皮質は、大脳の左右の側頭部の皺の深い部分(外側溝)を
      入り江状に入った奥の浜辺みたいな所じゃない?
      場所としては深めだけど、構造的には大脳皮質の一部だろ。

      • 評価
  11. >前島皮質は恐怖や愛といった感情を司るとされる領域
    つーことは男女だと男の方が活性されてるって事か?

    • 評価
  12. 無意識と意識を分けるもの、かもしれないね
    無意識で処理されてる物の中から重要な物を意識の俎上にピックアップする
    酒飲むといろいろ適当になるのもこの辺が麻痺するからかも

    • 評価
  13. 記事の内容に関係ないけど、掲載されてる写真(?)が、一瞬、五条悟の術式順転「蒼(あお)」と術式反転「赫(あか)」に見えたw

    • 評価
  14. > 最初に覚えておいてほしいのが、情報処理は「体」と「脳」の2か所で行われているということだ。

    ちょっと紛らわしい言い方……。脳も体に含まれるのだから。

    • 評価

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