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ソーセージをパンに挟んだホットドッグは、アメリカに根付いた食文化のひとつで、ガソリンスタンドでもゴルフ場でもどこにでもあるが、そのルーツはソーセージ大国、ドイツにあると考えられている。日本でもおなじみのホットドッグ、基本はソーセージの上にケチャップとマスタードだが、チーズソースやタコスミートとか入ってるのもあるよね。
世界には、実に様々なスタイルのホットドッグのような食べ物が存在している。今回はその中から12の異なるホットドッグを紹介しよう。
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1.デニッシュ・ホットドッグ(デンマーク)

image credit:Photo by LABAN Stories //Danish Tourism
2021年は、デンマークで初のホットドッグスタンドができた100周年を祝う年なんだそうだ。1921年、チャールズ・スヴェンセン・スティーヴンスさんが、コペンハーゲン周辺に複数のホットドッグの店を出したのがルーツだと言われている。
デンマークの代表的なホットドッグは、玉ねぎ(フライしたものもしくは生)と薄くスライスしたピクルスをトッピングし、ケチャップやマスタード、レムラードソース(マヨネーズにマスタード、ピクルス、ケイパー、ハーブを加えたソース)を使用したものだ。
デンマークでは、あらゆる店がこのスタイルのホットドッグを提供している。
2.ソノラン・ホットドッグ(メキシコ・アメリカ、アリゾナ州)

image credit:Visit Tucson
メキシコ北西部ソノラ州の州都、エルモシージョで生まれたソノラン・ホットドッグは、アメリカ、アリゾナ州の2つの都市、ツーソンとフェニックスでも人気だ。ソノラン・ホットドッグの特徴は、炒めたベーコンをボリヨパン(おいしいメキシコのパン)に入れることである。
通常、うずら豆、玉ねぎ、トマトに加えて、ハラペーニョ、マヨネーズ、マスタードで味付けされる。
ちなみに、アリゾナ州フェニックスにあるレストラン『ノガレスホットドッグ』では、きのこやサルサ、コリアンダー(パクチー)など、顧客が食材の追加を選択できるようになっているという。
3.サルチパパ・ホットドッグ(ラテンアメリカ諸国)

image credit:alpaksoy/iStock via Getty Images Plus
サルチパパ(またはサルチパパス)が何であるかを知りたい場合は、その名前にご注目。サルチはスペイン語で「ソーセージ」を意味し、パパはアンデス高地に自生する「ジャガイモ」を意味する。
ペルーやエクアドルなど、ラテンアメリカ諸国で人気のサルチパパは、具材をパンに挟む代わりに皿に載せるというユニークなスタイルのホットドッグだ。
ぶつ切りにしてフライパンで炒めたソーセージの上に、フライドポテトをのせ、ソースとしてケチャップやマヨネーズ、チリソース、マスタードなどをかける他、チーズやその他のトッピングを入れて食べる。
4.ボーアウォース・ロール(南アフリカ)

image credit:Hugo Uys
このホットドッグは、主に牛ひき肉と子羊または豚肉を混ぜ合わせた南アフリカのソーセージ『ボーアウォース(Boerewors)』がメインの具材となっている。その名前は、アフリカーンス語のboer(「ファーマー」)とwors(「ソーセージ」)の組み合わせに由来している。
このホットドッグの味付けは、モルトビネガー、コリアンダーシード、黒コショウ、ナツメグ、オールスパイスだ。
一般的に、コイル状になった大きなソーセージは、グリルで調理した後細かく切り分けられ、ホットドッグのパンに玉ねぎのレリッシュとトマトソースをのせて食べる。
5.パレク・ヴ・ロフリーク(チェコ)

image credit:Photo by Nase Maso //Czech Tourism
屋台やガソリンスタンドで販売されているこのチェコの食べ物は、とてもユニークだ。長くて細いホットドッグは、ロフリークと呼ばれるコッペパン型の長いパンに包まれており、ケチャップやマスタードのソースと一緒に様々なトッピングが中に入っている。
伝えられるところによると、「Vaclav Masopust」という肉屋が、マドリードで同様のタイプのホットドッグが売られているのを見て、1972年にこのホットドッグを思いついたということだ。
6.パンチュカー(アルゼンチン)

image credit:Visit Argentina
パンチュカー(パンチュクとも)は、アルゼンチンのトゥクマン州で生まれたホットドッグで、通りの売店で販売されている。パンの生地は小麦粉、牛乳、卵、塩、こしょうで構成されており、ワッフルメーカーに似た機械に注がれる。
そこへソーセージを追加し、もう一度生地を注ぐと、アメリカンドッグのようなサンドイッチができあがる。
パンチュカーは、フライドポテト、マスタード、ケチャップ、マヨネーズ、またはケチャップとマヨネーズを混ぜたゴルフソース(日本ではオーロラソースと呼ばれているやつ)と一緒に食べる。
7.カノム・トーキョー(タイ)

image credit:Tourism Authority of Thailand
タイでは、チリソースや刻んだピーナッツ、新鮮な野菜などが入っているホットドッグは甘めとスパイシーな味付けの2種類があるという。たとえば、薄いクレープのようなカノム・トーキョーは、その2つの味付け方法で作られたユニークなホットドッグだ。
ソーセージ以外に、お好みで卵や醤油、豚肉のミンチ、などの材料を入れて風味豊かにしたり、スイーツのように甘くてクリーミーなカスタードを混ぜたりして、クレープのような生地でソーセージを包み込んで仕上げられる。
8.イタリアン・ホットドッグ(アメリカ、ニュージャージー州)

image credit:Photo by Dave Strochak //New Jersey Tourism
ニュージャージー州の伝統的食べ物であるイタリアン・ホットドッグは、ニューアークにあるJimmy Buff's(ジミー・バフズ)という店のオーナー、ジェームズ ・"バフ"・ラシオッピによって発明されたと言われている。当初は友人や家族に提供していただけのおやつだったようだが、大ヒットしてメニューになったという。
このホットドッグは油で揚げられ、玉ねぎのソテーやピーマン、ジャガイモをトッピングにし、イタリアンロールに挟んで提供される。
9.シカゴスタイル・ホットドッグ(アメリカ、イリノイ州)

image credit:Photo by Adam Alexander //Sipp Communications
シカゴの特製のこのホットドッグには、黄色いマスタード、レリッシュ、さいの目に切った玉ねぎ、トマト、大きめのピクルス、ピリッと辛いスポート・ペッパー、セロリソルトが入っている。ホットドッグには、1893年のシカゴ万国博覧会で、オーストリアとハンガリーからの2人の移民によって紹介されたヴィエナビーフを使用しているということだ。
10.コニー・ドッグ(アメリカ、ミシガン州)

image credit:Detroit Metro Convention Visitors Bureau
コニーアイランド・ホットドッグとも呼ばれる米ミシガン州のこのホットドッグの名の由来は、デトロイトに向かう途中でニューヨーク市を通過したギリシャ移民によって付けられたという一説があるが、複数の説が伝えられており、はっきりとした背景は不明だそうだ。コニー・ドッグは、唐辛子入りの牛肉ソーセージとさいの目に切った白ねぎを具材とし、柔らかな蒸しパンに包んで、マスタードでトッピングされる。
11.トゥーンブロードスルラ(スウェーデン)

image credit:Janne M, Flickr // CC BY-NC-SA 2.0
スカンジナビアのほとんどのホットドッグスタンドや飲食店で見られるこのスウェーデン料理は、通常のホットドッグとは全く異なる見た目と食感を持っている。トゥーンブロードスルラ、パンの代わりにトルティーヤのようなフラットブレッドで食材を包んでいる。
中には、ソーセージの他にマッシュポテト、キュウリ、トマト、レタス、揚げた玉ねぎ、時にエビのサラダが入っており、ケチャップとマスタードで味付けされている。
12.スクランブル・ドッグ(アメリカ、ジョージア州)

image credit:Explore Georgia
ホットドッグというよりシチューのように見えるこの食べ物は、ジョージア州コロンバスにある創業100年以上にもなるディングルウッド薬局が著作権を保持しているという。薬局の長年の料理人である故チャールズ・スティーブンス中尉が、このスクランブル・ドッグを生み出したとされている。
長時間じっくりと調理された唐辛子の入ったこの食べ物は、赤いウインナーにピクルス、オイスタークラッカー、コールスローをトッピングして構成されている。
希望するならば、客はケチャップまたは粉チーズを追加することが選択できるようだ。
スクランブル・ドッグは、ジョージア州メイコンの大衆食堂『Nu-Way Weiners』でも歴史があり、オープンフェイスのバージョンには豆を使用したチリソースが詰め込まれているという。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ホットドッグの定義、広いなあ いろんなのがあるんだね
ワッフルみたいなヤツが美味しそう
2. 匿名処理班
ドトールのホットドッグ好き
ミラノが衣替えで好きだった味がいなくなってしまっても
変わらずそこにいるシンプルな君
ソフトクリームも好き
3. 匿名処理班
トーキョーだのイタリアンだの
4. 匿名処理班
焼きそばパン(日本)
5. 匿名処理班
3と12はホットドックというより別料理に思える、、、
6. 匿名処理班
やべえ全部美味しそう
7. 匿名処理班
5のパレク・ヴ・ロフリークは「パーレック・フ・ロフリーク」のほうが発音的には正しい
8. 匿名処理班
>イタリアン・ホットドッグ
せっかくだからパスタも入れよう
9. 匿名処理班
ホットドッグのコッペパンの中に
ミニチュアダックスが入っている
のを見たことがある。
もちろん食べやせんけどな。
10. 匿名処理班
どれでもいいからすぐたべたい。ドリンクはコーラ。がぶっ、むしゃむしゃもぐもぐ。
11. 匿名処理班
ゴボウ天とか挟んでみたい
12. 匿名処理班
カノム・トーキョーはあれか、ナポリタンだとか台湾ラーメンだとか的な感じのトーキョー(トーキョー出身ではない)、みたいな
13. 匿名処理班
ホットドッグを一口頬張ってビールでごくりと流し込む。これぞ至福!腹が減るw
14. 匿名処理班
全部おいしそーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!
15. 匿名処理班
タリーズのが好き。
家で作る時はピクルス刻んだのを大量に追加。
シカゴスタイルは…食べてみたい!
16. 匿名処理班
有りそうでないかな?日本発祥の魚肉ソーセージのホットドッグ
17. 匿名処理班
どれも食べてみたい
ホットドッグの万博やってくれ〜
18. 匿名処理班
※16
あー、関西風のやつかな? カレー粉で炒めたキャベツと魚肉ソーセージのホットドッグ、旨いよね♪
19. 匿名処理班
3は皿まで食うのかな?
20. 匿名処理班
※1 ※4
ホットドッグの定義的に、必ずしもパンは必須でなく
「加熱したソーセージ」だけでも指したりする。
「 Ultimate hot dog style guide 」で画像検索すれば
各国のホットドッグを集めた一覧のイラストが出てくるけど、
そんな中で 日本の「タコさんウィンナー」は異彩を放っている。
21. 匿名処理班
台湾ラーメンアメリカン的なネーミングセンスは日本だけではなかったんだな
22. 匿名処理班
※12
タイの大丸デパートのどら焼きから発想を得たらしい・・・
23. 匿名処理班
※3
なんで?ってなるよなw
まあナポリにナポリタンは無いし天津に天津飯は無いらしいのと同じか。
24. 匿名処理班
パンを排除してもホットドックなのか…
本当にホットドックの位置づけなのか記事による無茶振りなのか判別付かんな
25. 匿名処理班
え?何でソーセージ本場のドイツのホットドッグが無いの?
ドイツ人はソーセージをホットドッグにしないの?
ちなみに一度カリーブルストとザワークラウトでホットドッグ作ったことがあるけど、むっちゃ旨かった。
26. 匿名処理班
ホットドッグといえばコストコ。サッと湯通しみたいな温度のソーセージが衝撃的だった。
27. 匿名処理班
アメリカンドッグは仲間に入れてもらえないのか
28. 匿名処理班
>>16
ホットドッグじゃないけど、パン粉を外側にまぶして油であげてあるソーセージパン。あれは中身、魚肉ソーセージだよね。
よく給食で出てきた。
あと棒に差して揚げてあるアメリカンドッグも魚肉ソーセージ。
よくお祭りの縁日の屋台で売ってる。
29. 匿名処理班
※18
それ食べてみたい! どのへんで食べられるの? コンビニとかでも売ってる?
旅行できるようになったら目的の1つにするよ!
30. 匿名処理班
ハンバーガーもそうなんだけどピクルスが凄く苦手だから食べられないものが多いのが悲しい
克服して食べてみたい
31. 匿名処理班
※18
それ、かなり古い記憶かも 俺も忘れてた(;^_^A
32. 匿名処理班
※18
土曜日の昼に作って貰えると嬉しかったなー
うちはポールウィンナーとカレー味のキャベツだった
33. 匿名処理班
※28
それは今でもよく食べるよ。衣がパンらしくないけどね
34. 匿名処理班
※29
小学校の給食で出たことがあったようなうろ覚えの記憶
大人になってからはそのタイプはあんまり売ってるのを見た覚えが無い
自分の所で生地から焼いてるような小さなパン屋さんが、総菜パンとして売ってるんじゃないかなと
35. 匿名処理班
※29
たぶん大阪か滋賀あたりの喫茶店とかで食べられるけど、簡単だから家で作って食べてるよ。パンは超熟ロールとかで。
レシピもいっぱいネットにあると思う
36. 匿名処理班
※30
わかる。ピクルス不味いw
自分で育てて自分で漬けたら好きになれたりしないかな?
オクラとインゲンは自分で育てたら食べられるようになった。
採れたて限定だけど・・・
食育的な感じでやってみてはどうだろうか。
37. 匿名処理班
プレスハムとコールスローを挟んだ久留米ホットドッグってのがあってね
38. 匿名処理班
全部は見ていないのだけど、この記事のリンク先サイトを眺めるのも楽しい。カノム・トーキョーとか。
39. 匿名処理班
モスのチリドック好きだ。
40. 匿名処理班
※28
京都のパン屋さんでは、「ニューバード」って名前で売ってます、今でも。
京都のは、魚肉ソーじゃなかったかも。
41. 匿名処理班
カノム・トーキョーのウィキペディアに「日本の首都、東京都に由来する。しかし、この名前は京都が訛って今の名前になったものという説があり」とあるが、タイ大丸に起源をもつことから大丸発祥の地・京都の名をもらってカノム・キョート→カノム・トーキョーになった説ということであろうか。
歴史からとらえるとホットドッグ的でありながら変わりどら焼きであるというのもおもしろい。
42. 匿名処理班
俺の為の記事か、ありがとう。
43. 匿名処理班
イタリアン・ホットドッグはイタリア人が見たらキレそう
44. 匿名処理班
ブラジルでホットドッグ注文した時、トマトソースで煮込んだ柔らかめソーセージを、パンに挟んで、お菓子みたいに細いフライドポテトをトッピングしてあって、想像していたのと全然違うんで驚いた。
45. 匿名処理班
>>43
スパゲッティ・ナポリタンもイタリア人激おこだと思う。
46. 匿名処理班
うちは座布団とミニチュアダックスでつくる
応用で桜餅もつくれる
47. 匿名処理班
>具材をパンに挟む代わりに皿に載せるというユニークなスタイルのホットドッグだ。
もはやホットドッグとは…?って感じ
48. 匿名処理班
イタリア移民が多い土地でイタリア系のご家族が出店したそうだからルーツを同じくする人は多くやってきただろうし、イタリア流イタリア風の味を好む人にも訴求したのでなかろうか
イタリア本国の人はイタリア系アメリカ人のイタリア名乗りとその味をどう感じるんだろう
マフィア映画とか見てると「イタリアン〜」って冠つけたお店を立ち上げるようなシーンよく見かけるけど、縄張り的な意味なのか住み分けなのか繁盛のための特徴づけなのかよくわからない
49. 匿名処理班
>>11
竹輪の磯辺揚げなんかもイケる気がする♪