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負けた戦士の剣を折り曲げる勝利の儀式。鉄器時代の遺物が発見される(ドイツ)

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credit:LWL archeology / Westphalia/Hermann Menne
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 ドイツ、ヴィルツェンヴェルク山には、鉄器時代の要塞化された集落跡がある。ここを金属探知機で調べてみると、その時代のものとしては西ドイツ最大級の武器庫が発見されたそうだ。

 そこから発見された遺物は、150点以上にものぼり、大半は紀元前300年から前1世紀頃のものだ。武具や馬具など、バラエティ豊かな遺物が残されていたが、中にはぐにゃりと曲げられた剣があった。これにはある慣習が関係しているという。

ドイツで発見された鉄器時代の武器庫

 そこに武器庫があるだろうことはかなり以前から知られていた。1950年代、建築工事の最中にやりの穂先(槍2点と騎槍2点)にまかれた2振りの剣が発見されたのだ。奇妙なことに、刀身や先端は意図的に曲げて破壊されていた。

 その現場で本格的な発掘調査が始まったのはようやく2013年になってのこと。18年から20年にかけて金属探知機で捜索を進めたところ、剣ややりの穂先、盾の中央突起といった武具のほか、ベルトのフックや馬具、さらには銀貨や青銅の装飾品、足の骨まで発掘された。

 また非常に珍しい種類のハミ(馬にくわえさせる棒状の馬具)も見つかったという。それは戦車を引くためのもので、これを用いることで兵士は戦車の上から馬を正確にコントロールすることができた。

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2018~20年にかけて発見された数々の武具や馬具(LWL archeology for Westphalia/Hermann Menne)

ぐにゃりと曲げられていた剣は勝利の儀式

 発見された武器の中には、ぐにゃりと折り曲げられた剣も含まれていた。なぜ剣は曲げられていたのか? どうやらそれは勝利を祝した儀式の一環として行われていたようだ。

 ヴェストフェーレン・リッペ景観保全協会の考古学者マヌエル・ツァイラー氏によると、ヴィルツェンヴェルクはケルト文化の中心地からは遠く離れているものの、それに通じる建築様式や習慣があったのだという。

 じつはケルトなどの鉄器文化でも、倒した敵の武器を曲げていたことが知られている。たとえばフランス、グールネーやリブモン=シュル=アンクルの聖域でも、同じように勝者によって破壊された敗者の武器が発掘されている。

 ツァイラー氏によれば、おそらくは勝利を祝う儀式の締めくくりとして行われていたと考えられるそうだ。

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1950年代、建築現場で偶然発見された武器はぐにゃりと曲げられていた(LWL archeology for Westphalia/Hermann Menne)

 数多くの武具や馬具が発見されているが、そのあたりで大きな戦いがあったことを示す証拠は見つかっていないとのこと。

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馬のハミ。戦車に乗る兵士が馬を操るために使われたと考えられる(LWL archeology for Westphalia/Hermann Menne)

 遺物はいずれも正確な年代が特定されていないため、武器を破壊する習慣が何世紀にもわたって続けられてきたのか、一度に捨てられたのかははっきりしないそうだ。

 なおヴィルツェンヴェルクとの類似点があるというケルト文化だが、数年前には2200年前の戦士の墓が発見され話題になったこともある。そこからは美しい装飾がほどこされた盾が見つかっている。

References:LWL-Archaologie prasentiert Funde / Iron Age warriors bent the swords of their defeated enemies, ancient hoard reveals | Live Science/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 20件

コメントを書く

  1. ホームセンターで売ってるレベルの硬さの鉄で
    剣を作って戦ってたんだね。日本刀みたいに
    難しい作り方しなくてもホムセンの手ごろな
    厚さと幅の鉄板を鋭く削れば刀は作れるって事か。
    厚切りの鉄板でもカドでザックリ手を切るから
    ある程度鋭く削ってあれば切れ味充分なんだろうね。

    • +1
    1. ※2
      >大半は紀元前300年から前1世紀頃のものだ

      日本刀もまだできてないしそこはしゃーない。

      • +4
    2. ※2
      ちなみに日本でも同時代に鉄剣を折り曲げて副葬品にしている
      中国でも見られる風習のようだ

      • +5
      1. ※9
        古墳の副葬品に関して、
        「所有者の死に伴い剣の機能を失わせることで
        死者の力を封じ込める意味があったのでは」
        といった教授の見解が出ていたりするようだね。

        なんか、アイヌの埋葬で
        「故人の持ち物に傷を付けて 役目を終えさせ
        一緒にあの世へ持って行かす」みたいな話を
        ゴールデンカムイで読んだけど、
        そういうのに似た感じなんだろうか?

        • +6
        1. >>18
          漫画で書かれている事をドヤ顔でコメントするのはちょっとなぁ

          • -2
          1. ※21
            あー、ゴメン。じゃあ、

            北海道博物館
            (旧)北海道立アイヌ民族文化研究センター
            北海道メールマガジン「DoRyoKu 動・力」連載
            「アイヌ文化情報発信!コラム」【第5回】
            先祖に対する考えかた ~アイヌの伝統的な信仰 その1~
            『アイヌの葬儀では、亡くなった人が死後の世界の暮らしで使うため、 生活道具や装身具などを亡骸と一緒に埋葬したり、 家や家具、衣服などを燃やしたりしました。ものを傷つけたり燃やすことで、 それらの品々が亡くなった人のもとに届くと考えられていました。』

            北大文学研究科紀要 113 (2004)
            アイヌ文化における死の儀礼の復興
            一一紛争解決,共生,行為主体一一
            煎本 孝
            『アイヌの世界観におけるあの世が,この世とは逆転しているという考えから,死装束や神々への礼拝の仕方も普通とは逆の作法で行われる。また,あの世へ持って行くために,器物を破壊することにより霊を解放するという思考に基づいた霊送り儀礼が見られる。』

            • +4
    3. ※2
      100均のアルミ定規ですら削り込めば切断できる刃ができるしなあ

      • +2
    4. >>2

      記事を読むとこんな記述がある
      >>紀元前300年から前1世紀頃
      当時の製鉄技術や加工技術を考えると妥当なところでは?

      • +1
  2. あっ、これ・・・俺が転生した時に、
    「知ってるかい。鉄は熱に弱いんだ。これ小学生レベルの知識だよ」とか言って曲げてたヤツだ・・・(黒歴史)

    • -5
    1. ※3
      当時でも鉄を加工している段階ですでに基礎知識だな。なんならそれ以前の青銅加工時代でも「金属は熱で変形する」てことは知れ渡っている。

      カラパイアには先端技術の記事も大量にあるから、せめてそれをネタにしてみ?

      • +2
  3. 逆に敗者の武具を讃える儀式の方が格好いい、気は、する

    • +1
    1. ※4
      反逆されないように、武器を使い物にならなくしたんじゃないかと。

      ※6
      おれるほど硬くないんではないでしょうか。

      精錬の時に炭というか木をつかっていると思うので、炭素が多少は混ざってるでしょう?同位体測定で製造時期が推定できそうですけどどうなんでしょうねぇ。

      • +2
  4. 勝利を宣言し仲間達が見守る中いざ折り曲げようとしたもののやたら固くてなかなか折り曲がらず微妙な空気にしてしまった戦士とかも居たんだろうな

    • +10
  5. 折る
    じゃなくて曲げるなのが斬新だな

    • +2
  6. もったいない!!!漢の世界って世界共通でプライドとか面子を重視するんだな。

    • 評価
  7. 紀元前にもうこんな精巧な鉄器が。

    • 評価
  8. 当時鉄なんて貴重で高価なはずなのに
    再利用せずに儀式に使用するのは
    当時の人たちにとってそちらの方に価値があったって事か。

    • +4
  9. 孔明の矢じゃないけど持ち帰れば武器が増えるのに

    • +3
  10. 戦場の敵の遺品全部じゃなくて
    敵の大将の武器だけ曲げたとか、トロフィー的なものだったんかな?

    • +1
  11. 刃を叩きながら「お前はアホか」と唱える儀式も行われていたに違いない(刃を曲げて音高を変えるやつ)

    • +3

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