
image credit:The Victoria and Albert Museum
家庭用ナイフといえば、通常肉を切ったり野菜を刻んだりする目的で使用されるが、16世紀のルネサンス時代のイタリアでは、ナイフは単なる主食の台所用品ではなかったようだ。現在、イギリス・ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館や、ケンブリッジのフィッツウィリアム美術館などには、『表記ナイフ(notation knife)』と呼ばれる刃の部分の両面に異なる楽譜が刻まれた珍しいナイフが所蔵されてあり、それらは当時の宴会の席で使用されていたという。
A Notation Knife
楽譜が刻まれた16世紀の表記ナイフ
敵と戦うためのナイフの他、狩猟用のナイフも数多く存在した中世の時代。しかし、食事のために使われたナイフの中には、その刃に楽譜が刻まれた『表記ナイフ(notation knife)』という珍しいナイフもあった。刃の部分に楽譜が刻まれてたそのナイフの刃の片方には、食前の祈り用の歌が、反対側の刃には食後の感謝の祈りを捧げる歌が刻まれてあるという。Renaissance knives with music engraved on the blades. https://t.co/JtWKq60h8H pic.twitter.com/VvPZm4xAzU
— Ted Gioia (@tedgioia) July 1, 2017
ナイフのセットが全部揃った時、まるで教会の讃美歌のような美しい音色を奏でる。
楽譜に込められた意味は「食事に感謝を」
表記ナイフを所蔵するイギリスのヴィクトリア&アルバート博物館の職員クリステン・カルバーさんは、次のように述べている。これらのナイフは16世紀初頭のもので、主に子羊や牛肉を切るために宴会時に使用されていたようですが、通常宴会などの大きな食事会の時には、テーブルに着いた人たちは自分で肉を切らず使用人が切るため、このナイフは使用人が使っていた可能性もあります。つまりは、食事への感謝の気持ちを表すために作られたのではないかという推測があるが、未だにナイフの真の目的は謎のままだという。
各ナイフの両側にはそれぞれ異なる楽譜が刻まれてありますが、その碑文は「テーブルの祝福」と「神への感謝の恵みの言葉」です。
ただ、今も昔も、典型的なカトリックの家庭では、食卓を囲んで恵みに感謝し祈りを捧げる毎日を過ごしている。16世紀のルネッサンス期のイタリアの家族にとっても、日常的なものとしてそれが行われていたことは、これらの表記ナイフに刻まれた楽譜から証明できるといえるだろう。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
DODに出てきそう、武器のレベル上がるごとに歌が追加されて最後は呪いの歌になりそう。
2. 匿名処理班
それなんて宝具?
3. 匿名処理班
いやオシャレかよ
今でもキッチンにあったら何それカワイイってなる奴だよ
4. 匿名処理班
音が全部違ってて全部のナイフを同時にまな板で叩いたら曲になる的なものだったりするのん?
日本の和菓子職人に持たせて切らせてみたい。
5. 匿名処理班
これで調理すれば食前食後のお祈りをした事として省略できるマニ車的な便利アイテムかもしれない
6. 匿名処理班
剃刀にしか見えない
7. 匿名処理班
形状からして剣鉈かと思った。
8. 匿名処理班
優雅か
9. 匿名処理班
実際の楽譜にしたというより、聖句を刻んだお守りみたいな扱いだったんだろうか。
10. 匿名処理班
RAVEの剣を思い出した。
11. 匿名処理班
まな板やお皿やコーヒーカップやフォークやスプーンなんかも、
全部音符柄で揃えたら、楽しい食卓になりそう(^^)
12. 匿名処理班
某避妊具っぽい形だなと思ってしまった私の心はもうだめだ
13. 匿名処理班
※5 同意。マニ車のように、これで切ることで祈りをささげたことになるとかww
にしても。"notation"は普通に、「楽譜」でいいと思うが。なんでわざわざ「表記」なの?