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独自の伝統を持つチベットの仏教音楽の歴史とその美しい楽譜

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@NotationIsGreat / twitter
 信仰というものは、それが根差している場所の文化の傾向や色合いを映し出すものだ。7世紀、仏教が伝来したチベットでも確かにそうだった。

 もともとここにあった土着のボン教によって、この地で仏教は徐々に形を変えていった。こうした融合から生まれた多くの創造的な活動の中でも、チベットの仏教音楽は非常に重要なものとして認識されている。

チベット仏教音楽の特徴

 西洋の宗教音楽と同様、チベット音楽にも、複雑な記譜体系と、宗教歌が書かれた長い歴史がある。

 チベット仏教体験の不可欠な要素は、記譜法が神聖な音や世代を超えた儀式の転移を可能にしたということだ。神聖な歌詞を覚え、献身を表わし、邪悪な霊を追い払い、神に祈るための手段なのだ。

 これらの特徴のいくつかは、意識の高さや静かな瞑想に焦点を当てた西方の世俗的な仏教徒にとっては、異質かもしれないが、程度の差こそあれ、チベットの学校では超人間領域の美的体験にかなりの価値をおいている。

 タルサ大学の音楽学者ジョン・パウエルは、「チベット仏教における神聖な音の使い方、マントラヤナの伝統は、人間の意識を変えるための定型句として作用する」と書いている。

チベット仏教音楽の記譜法(楽譜)と歌唱法

 チベットの記譜法は、メロディ、リズムパターン、楽器のアレンジを象徴的に表している。歌、視覚化、手ぶりなどが合わさって、チベット音楽は、儀式のパフォーマンスを決定的に導いていく。

 儀式の舞いが加わるだけでなく、山岳地域の環境に合ったスイスホルンのような長い楽器などを含む多くの儀式用楽器や、多重倍音効果の出るユニークな歌唱法といった特徴がある。

 以下の楽譜は19世紀の中国思想の陽の写本からのもの。チベット音楽にもっとも深い関わりがあり、高く評価されている歌の伝統で、Yang-Yigという表記システムに頼る唯一のものだそうだ。

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@NotationIsGreat / twitter

その曲調は?

 曲線は、イントネーションのスムーズな上がり下がりを表わしている。記譜にはまた、どのような精神で音楽が歌われるべきかについて、細かく指示されている。例えば、川のように流れるようにとか、鳥の歌のように明るく、といった具合だ。

 そして、母音の発声にほんのわずかな改良が加えられる。Yang-Yigは、チベット仏教以前の6世紀にさかのぼるものだが、リズムのパターンも、音符の長さも記録が残っていない。ほかの種類の音楽には、声、ドラム、トランペット、ホルン、シンバルのための、独自の表記法がある。

 それではチベット仏教音楽を聴いてみよう。

Traditional Tibetan Music instrument played by students of Jonangpa Monastery, Kathmandu, Nepal

こちらは仏僧たちによる歌だ。

Tibetan monks throat-singing – Specialized form of chanting

 それらはインドからの宗教的な教えを引き継いでいるものの、チベットの音楽の伝統はまったくの独自のものだ。

 「チベット仏教の歌を理解するには、メロディやリズムの概念全体を考え直すのが肝要だ」とパウエルはチベット音楽のボーカルと楽器の質の詳細な概要の中で書いている。

 チベット文化以外の多くは、メロディを音の高さの上昇や下降の連続であると考えている。チベットのタントラの歌では、メロディアスな内容は、母音改良と丁寧にトーンの輪郭をたどることで発生するという。

References:Tibetan Musical Notation Is Beautiful | Open Culture/ written by konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント 21件

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  1. 面白い楽譜だ
    模様みたいでキレイだけどどう演奏するんだと思ったら曲聞いてなんか納得した
    歌の方はモンゴルのホーミーに発声が似てるね

    • +12
    1. >>1
      今にも声が割れて分離しそうに思った
      高い声が浮遊するみたいに漂うのもホーミーに似てる
      声が染み渡った体の内側が浄化されるみたいな神聖さがある
      日本の読経にも似ている

      • 評価
  2. 好きだったバンドがPVにチベット密教の要素を使ったのを見て以来だいぶ好き。いつか行きたい場所だけど政治的に安定するまでちょっと怖いのが残念…

    • +4
    1. ※2
      ラサは結構安定してるから数日観光する位なら大丈夫。だが中国政府が嫌い(金を払いたくない)なら、チベット亡命政府が有るインド北部のダラムサラに行くと良い。規模は小さいが寺院も多いし(それでも2000人以上居る)、安全だし、読経も聞けるし瞑想も出来る。チベット料理も土産も買えて、亡命者や僧侶をサポート出来るよ。

      • +9
  3. 「ジョン・パウエル」って出てたからボーンシリーズの人かと思っちゃった。

    • +1
  4. お坊さんの歌、最初はビックリしたけど(笑)
    中盤からはなんとなく
    日本のお経と通じるモノがあるね。

    • +10
  5. 宗教音楽って不思議と
    どの宗教の物でも癒やされる感じが。

    • +4
  6. 「セブンイヤーズ・イン・チベット」を思い出した。

    • 評価
  7. ロシアの医者が書いたカルテは、実は名曲なのかもしれない。

    • 評価
  8. 直感的とでも言えばいいんだろうか
    絵の様な楽譜だな

    • +4
  9. 楽譜じゃなくて地図でした、と言われても驚かない

    • +5
  10. 僧侶と一緒に歩いてる黒服サングラスのSPみたいなのが気になってしまった。中国当局の監視?

    • +2
  11. 声明の楽譜と、当たり前なのかもしれないが記譜法が似てる。はじめに音の名前が書いてあるのも同じ。おもしろい。

    • +3
  12. 仏僧たちの歌が、しびれるような低音で思わず聞き入ってしまった。
    二人とも低音で歌っていると思うんだけど、反響するような感じで高音が聞こえてくるのがとっても不思議だった。

    • +4
  13. この僧侶の歌声に変換するソフトが10年以上前に出来てたと思う

    • +2
    1. >>18
      あったあった
      ネット上ではネタにして使われてたが、日本では平沢進が楽曲の一部として使用してたよ

      • 評価
  14. 元王朝が国境をチベット仏教にしたので今でもモンゴルの仏教はチベット仏教なので音楽的な共通性があるんやね。朝青龍もチベット仏教だったと思うけど。

    • 評価
  15. 自分も僧侶の歌が気に入ったが、
    向かって左の人の表情がおもしろすぎて、困った。
    右の人が無表情なので余計に。

    • 評価
  16. チベットが、早く中国の残酷な恐怖支配から抜け出して、文化が守られていきますように………。

    • 評価

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