
image credit:Wikimedia Commons
ビールの製造には二酸化炭素は必要不可欠だ。美味しいビールを作るには、二酸化炭素が数多くののプロセスで使用されることが条件となる。しかし近年では、ビール業界も環境を配慮して二酸化炭素排出削減への取り組みが求められている。このほど、イギリスのある企業は、ビールの醸造所で生成された二酸化炭素を回収し、じゃがいもの廃棄物と混合して肥料に変えることができることを発見した。
現在、イギリス国内のポテトチップス製造会社と提携し、このプロジェクトをより広く展開する試みがなされているところだが、この先ビールとポテチが気候変動と戦う秘密兵器になる可能性も無きにしも非ず、のようだ。『Sky News』などが伝えている。
広告
ビール醸造で生成されるCO2を利用し気候変動への取り組み目指す
イギリスに本拠を置くCCm Technologiesは、ビールの製造プロセスから生まれた排出物と、廃棄物を利用して気候変動に取り組む方法を考案した。
manfredrichter/pixabay
ビールの醸造所では、発酵段階で高レベルの二酸化炭素が生成される。それを回収し、じゃがいもの廃棄物と混合して肥料に変えるというものだ。同社は、今年はじめにポテトチップスの製造会社Walkers(ウォーカーズ)のじゃがいも畑で、その肥料を実際に試してみたことを明かしている。
現在、ウォーカーズは2022年の収穫に間に合うように、工場に炭素回収装置を設置し、社内からガスを回収する方法を模索中だ。
このプロジェクトが、今後より広く展開されることになれば、70%の二酸化炭素排出量削減となる可能性があり、次の10年で完全にカーボンネガティブ(経済活動によって排出される温室効果ガスよりも、吸収する温室効果ガスが多い状態)になることが期待できるという。
ポテチとビールが気候変動と戦う秘密兵器に?
この技術革新が、食料システム全体に学習を提供し、農業部門が気候変動との戦いにおいて、その役割を果たす可能性を広めることに繋がると確信するCCm Technologiesは、このように声明文を発表した。廃棄物資源の持続可能な再利用と、炭素の土壌への閉じ込めを可能にすることにより、私たちのパートナーシップは、農業が炭素削減と循環経済においてその役割を果たすことができると証明できる重要な一歩になることでしょう。

pixabay
一方、そのパートナーとなるウォーカーズも次のように述べている。
私たち企業は、肥料をより大規模に試し、その可能性を最大限に引き出せることを期待しています。地球温暖化が問題視される中、環境への取り組みとして世界中で様々なプロジェクトが展開されているが、ビールとポテチが地球を救う秘密兵器となる日が来るのも、そう遠くないかもしれない。
この取り組みは、野心的な旅の始まりに過ぎませんが、確実に正しい方向への第一歩です。私たちは、畑から製造現場そして消費に至るまで、製品の炭素への影響を低減するための努力を引き続き行っていくつもりです。
written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1.
2.
3.
4.
5. 匿名処理班
大気から二酸化炭素吸って炭素得てる植物に別の炭素源与えるってバカみたいに聞こえるんだけど、どういう意味?
堆肥は廃棄物から炭素取り去って作るよな?
6. 匿名処理班
アサヒはミツヤサイダー、サッポロはリボンシトロン、キリンはキリンレモンみたいに、日本だと、昔からビール作るときの二酸化炭素でサイダー作るのが定番だけど(排出する二酸化炭素全部が使えるわけじゃないだろうけど)、ヨーロッパじゃこういうのはあんまやらないのかな
7. 匿名処理班
近い将来ビールとポテチが地球を救う度にワタシの体重が増えて行く
8.
9. 匿名処理班
どうやって二酸化炭素と混ぜるんだ?って記事を隅々まで読んだが、それすらもまだ「模索段階」なんだね。まあ良いことではあるんじゃないかな。
10. 匿名処理班
う〜む、そうか。ビール腹でポテチ肥りのワイは、地球を救うヒーローやったんや!!
11. 匿名処理班
ビールとポテチが肥料に…?!
なるほど。だからこの組み合わせは肥るのか。
12. 匿名処理班
これとかションベン→レンガみたいな再利用技術は続報があまり出ないのが闇深い
13. 匿名処理班
プリングルスとギネスが手を組んだのかと思ったが違った